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ロッドプランナーのひとり言[第4回]ロッドに対するデザイン観

藤井伸二 2020年9月 5日配信   【連載 :ロッドプランナーのひとり言】

バレーヒルのロッド開発者、藤井伸二さんが月1回のペースでものつくりへのこだわりを語ります。

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デザインは足し算ではなく引き算

今月のコラムは商品の話題から少し離れて、私自身の「ロッドに対するデザイン観」について触れたいと思います。

ちなみに私はバスロッドに限らず色々なロッドをデザインしていますが、基本的なデザイン観は共通しています。それは「デザインは足し算ではなく引き算」という持論なのですが、今回はそこに行きついた経緯をお話します。

ルアーロッドが輸入品から国内メーカー品に移行し始めた頃は、まだ武骨な雰囲気を残すデザインも多かったのですが、何時頃からか派手な色使いやパーツで飾り付けたものが主流となってきて、個人的にはデザインとして如何なものかと感じることが増えてきました。

もちろん時代背景もありますし各自の好みもありますので、特に正解があるわけではありません。ただロッドを道具として捉えた時、また他業種から発売される様々な商品と比べた時、やはりルアーロッドに見られる派手なデザインには少し「違和感」を感じていました。

そんな私がデザインについて明確な方向性を閃いたのは、2012年からEFFTEX(ヨー ロッパ最大のタックルショー)に数年出展した時です。その時に触れたヨーロッパの街並みは、古いながらも洗練されていて何か自分の中で十分なヒントになりましたが、極めつけは2014年のパリで見た一台のスポーツカーでした。

たぶんフェラーリだったと思いますが、強烈に目に焼き付いたのはクルマの塗装色。それは当時の日本では見たことがなかった「艶消しブラック」でした。色自体は全く艶も派手さも無いのに、それを超えたインパクトがあって、そして品もある。まさに強烈な引き算をしているにも関わらず、魅せ方と存在感が半端ありませんでした。

その時にプロダクトデザインの本場から「デザインは上っ面の色合わせや過度な装飾ではない」と教えられたように思います。

2014年パリで開催されたEFFTEXに出展した際の写真。後ろに並んでいるロッドは海外向けに特別に開発したシリーズ。この辺りのエピソードは別の機会に
ヨーロッパで撮影した建造物の一部。これを見て、何を感じて、どうデザインに活かすのか?それは本人次第です

手書きへのこだわり

それから私がロッドをデザインするに辺り、もう一つ重視していることがあります。私のSNS等をご覧になっていればご存知の方も多いと思いますが、デザインする際はイラストレータを使用しないで基本実寸による手書きで行ないます。もちろんイラストレータの方が便利な機能があってデザインがスムーズに行えるのは知っていますが、それより私は慣れた手書きの方が自分のイメージしたグリップ形状を表現しやすいからです。

それに自分のイメージさえ完璧に書き上げれば、それをイラストレータのデータもしくは先にある設計図面などに起こす作業が出来る人は工場側にいくらでもいます。あくまでデザインを生み出して形にするのは人であって、勝手にソフトが良いデザインを生み出してくれるワケではありませんし、そこの効率を上げてもデザインは良くなりません(そんな時代がいずれ来るのかも知れませんが・・・・笑) それにプロダクトデザインは、どんな製品でも先ずはデザイナーによる手書きから始まるのが普通だと思いますし、人間味があってこその「物作り」だと思っています。

ちなみに少し話は逸れますが、品質改善について中国の工場とやり取りする時にダメ な工場は決まって「最新の機械を入れたから大丈夫です」と言ってきますが、それで良くなった試しが無い話と似ているような気がします(笑)

ところで現在も生産を任せているロッド工場と初めて打ち合わせした際に、いつもの手書き図面を持ち込んだ時にすごい感動されたのを今でも覚えています。聞くところによると、ここまでデザインをイメージして生産を依頼してきたメーカーは今まで居なくてほとんどが丸投げだったらしいです(笑)

ちなみに現在では私のデザインを楽しみしてくれるだけでなく、逆に現場から提案が生まれてデザインが新しい方向へ発展するケースも増えるようになりましたね。

というわけで、今回のお話はここまでです。



手書きのデザイン図面を数点。デザインがイメージ通りに描けると、浮かび上がる感覚を味わうことが出来ます
イラストレータのデータになったデザイン図面。ちなみに次期HRXシリーズのデザイン図面です。発売時期などは改めてご紹介します
過去に書き上げた手書きのデザイン図面を全てファイルしたもの。ボツになったものを含めると、たぶん200枚ぐらいはあると思います

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PROFILE:藤井伸二(バレーヒル・ロッド開発担当)

15歳よりルアーフィッシングを始める。某ルアーメーカーを経て現在はバレーヒルにて主にロッド開発を担当。得意な釣りはバスとハードロックフィッシュで「ブラックスケール」および「サイファリストHRX」シリーズの開発担当者である。



※画像・テキスト/藤井伸二
※協力/バレーヒル

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