釣行記

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夏に楽しい宮城沿岸のイシモチ投げ釣り&ちょいマニアックなメゴチ(ネズミゴチ)

東海林誠 2020年11月4日 更新

夏の夜に楽しいイシモチ(ニベ)釣りと、東北・宮城ではちょっとマニアックな対象魚のネズミゴチ釣りを仙台広瀬キャスターズの東海林誠さんが紹介します!

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夏の夜に人気のイシモチ(ニベ)の狙い方

6月に入ると、宮城県沿岸のサーフでは、イシモチ釣りが盛んに行われます。基本的には夜釣りで狙うのが一般的ですが、朝夕のマヅメ時や、また、濁りがある日は、日中でも数が釣れることがあります!特に、満潮時は波打ち際で釣れるため、遠投の必要もありません。

ただ、宮城沿岸はこの時期、東寄りのヤマセが吹くことが多く、波が高い場合も結構多いので、置き竿で数を狙いたい場合は、少し工夫と対策が必要です。

まずは竿ですが、波の高い時にあまり硬い竿を使うと、崩れる波頭をかわすことが出来ず、仕掛けが流される原因になりかねません。そのため、波の力を竿のしなりで適度に吸収してくれるCX~EX(シマノ製の場合、オモリ負荷30~25号)クラスが適しています。竿の長さも、波口の波や流れ藻をかわす目的で、一般的な405cmよりも425cmがオススメです。

また、竿を掛ける竿立ても、一般的に使われる1本差しタイプではなく、竿立ての中間あたりに竿尻受けが付いているもの(波をかわす高さがあるもの)を使用します。

釣り場、状況によっては波をかわせる竿立てが必要なことも


シマノ ロッド サーフリーダー 振出 425DXT

道糸は、近投の場合はナイロン5号通しか、3~4号+力糸あたりが適しています。
※海藻(流れ藻)の無い時に限り、1.5~2号のやや細いPEラインでも可!

オモリに関しては、置き竿の場合は30~35号の三角オモリ(尖った先端部が砂に刺さって流されにくい)が欠かせません。通常のテンビンや丸形~流線形のオモリではすぐに流されて、気付いたら仕掛けが陸に打ち上げられていたなんて事も!
※流れ藻が非常に多い時は、三角オモリでも太刀打ちできませんのであしからず…(>_<)

仕掛けについては、仕掛け絡みを防ぐ目的で、一般的に胴突き仕掛けが有効です。置き竿時に、2本針のカレイ仕掛け(片テンビンの吹き流し仕掛け)などを使うと、毎回絡んで釣りになりません…。針のサイズは、マルセイゴなら18号以上が良いと思います。

ささめ針(SASAME) E-821 イシモチ胴突投げダッペ 15号5

ポイントによっては35~40cmのイシモチが釣れることもある

また、イシモチ釣りをしていると、外道で大型のマゴチやスズキやクロダイ(むしろこっちが本命!?)も来ることがあるため、ハリスは最低でも5号以上が必要。
※ちなみに筆者はフロロ12号のハリスで自作しています! 

それと、ベタ凪ぎの満潮時に限ってオススメなのが、竿1本で、キス釣りのようにゆっくり引いてくる「引き釣り」。この場合、ハリ数を3~5本にして、L字テンビンと吹き流し仕掛けを使い、アタリがあっても連掛けを狙います。特に、秋口の中~小型が多い時期には、3~5点掛け連発!半夜の満潮前後だけで50匹以上釣れたりします。

この季節の砂浜ではクロダイやスズキが釣れることも多い(※2017年6月現在、宮城県のクロダイは出荷規制がかかっています)

少しマニアックな宮城の「ネズミゴチ」釣りとは?

続いて、全日本サーフの会員以外ならたぶん絶対に狙わない「ネズミゴチ」釣りを紹介します!

この魚、一般的には「メゴチ」や「ヌメリゴチ」と呼ばれ、キス釣りの外道などで良く掛かってきます。粘液でヌルヌルしているうえに、エラのところにとげがあるので、専用の『メゴチばさみ』が市販されているくらいで、釣り人にはかなり嫌われています。

しかし、食味に関しては、特にてんぷらの具材として、関東ではキスよりも高級魚として扱われ、専用の捌き方(松葉おろし)を覚えると、一般家庭でもかなり美味しく食べられます!
※筆者も数年前に松葉おろしマスターしました…(^-^;

通称でメゴチと呼ばれるネズミゴチ。大きいもので30cm近くになる

所属している『全日本サーフキャスティング連盟』では、どういう訳か、このネズミゴチも25魚種の大物対象魚の中に入っていて、連盟に大物申請できるのは27cm以上のサイズ!全国の会員の中でも、ごく一部の会員さんが、わざわざ四国や九州の離島まで遠征して狙っています。
※尾の長い『ヨメゴチ』や、他にも同じようなものが数種類います。

10数年前の11月、牡鹿半島でカレイ釣りの外道でたまたま30cmのネズミゴチが釣れ、協会新記録になりました。その後、年に1~2匹程度、ギリギリ申請できる27cmくらいのが釣れたりしていましたが、6~9月の週末は日本海へ繰り出すことが多く、平日もスズキやクロダイ狙いなどのため、まず、漁港で小針を使ってメゴチを狙おうという発想は全くありませんでした…(*_*)

一昨年、個人&クラブともに、連盟の大物申請数全国1位を狙おうと、初めてメゴチのランクサイズを狙って釣行してみました。7~8月、メゴチ狙いで石巻~牡鹿半島の漁港をあちこち釣り歩いてみると、想像していた以上に良いサイズのメゴチが掛かってきました。
※ただ、真夏の防波堤なので、灼熱地獄だった時も…(>_<)

牡鹿半島周辺の漁港では良型がまとまって釣れる所も多い

置き竿も出しましたが、やはり、竿1本でキス仕掛けをサビいた方が効率も良く、半日で30匹以上(多い時で70匹くらい!)と数も釣れ、平均的なサイズは23~27cmくらい。中には30cm近いのも数匹混じりました。それと、たま~にキスも釣れましたね!

秋までは普通に釣れるはずですので、こちらも、興味のある方はぜひ試してみて下さい!くれぐれも、「メゴチばさみ」は忘れずに!

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※解説/東海林 誠

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