釣行記

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上越マダイのっこみ小遠征記【真鯛の乗っ込み】

山口充 2020年12月21日 更新

のっこみのマダイを狙って神奈川県の山口充さんらが新潟遠征。前日まで好調に釣れていたとのことで、期待に胸を膨らませて行ったのだが…。

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乗っ込み盛期 日本海マダイのメッカ 上越名立へ

毎年、この時期になると「そわそわ」している私。そう、新潟県のマダイののっこみがスタートする季節。スケジュールも日本海優先。毎年この時期になると落ち着かない事が多く、昨年もこの時期、10kg台のマダイが多く記録されていたり、爆釣の情報が流れる度に「何時行く?」とスケジュールを組み直す日々。

今回はその日本有数のマダイのメッカである日本海上越エリアに向かう事になった。釣行日は6月13日、この予定は3週間前に組まれたもので、マダイに魅せられたメンバーのスケジュールも調整しての釣行であるので、外したら「キー」になった人に罰ゲームを用意しておこうと目論んで、メンバー5人で当地に向う。

今回お世話になったのが、名立谷浜港の海遊丸さん。釣行前日は乗っ込みのマダイ大爆発となれば申し分ない展開。「出来れば大きいマダイを釣って、塩釜釣り船復興のお祝いに送ろう」なんて考えたり、釣る前から上手く行ったイメージばかりが先行し、ここまで皆ドキドキ。「どんな料理に」、「クーラーに入らなかったら発泡の入れ物買って送らなきゃ」なんて考えていた訳で…(過去数回、宅配便で各地へ発送したらいいお値段になってしまい、「嬉しい悲鳴」に)。

さて、高速道路の土日祝日割引1,000円が終了し、「問題だ」と焦る人も多いかと思います。今回の釣行は終了間近であったけれど、平日に釣りに行く事が多かった私はあまり恩恵に与らず(仕事がら土日の釣行が少ないんです)。どちらかと言うと「平日深夜の割引」の方が多いのでこれを使って、釣りが終わって一泊。翌朝から一般道で「道の駅」や「山越え」を楽しんでドライブしながら帰るのがお約束。高速料金を宿泊代に回して道中、当地の美味しい物や、野菜を買い込んで時には魚よりも野菜が多い・・みたいな事も。遠出の釣りで心配な中止の時にも「ここの市場行こう」とか「ここの定食屋さんでご飯食べよう」とか色々楽しんでいます。まさに釣りを題材にした「旅」。これが面白い。スマートETCを利用して降りるのも一手で、満額取られるなら是非ブラっと降りてみても良いし、そんな話題もお伝え出来ればと思っています。

そんな感じで、関越道から上信越道、北陸道に入ってまもなく名立谷浜ICに到着。因みに練馬ICから約3時間半。このエリアの特色はICから港が近い事。さらに釣り人に優しい所が、色々な市場が多く、最悪の事態になってもクーラーに魚が入るという、「想い出をクーラー一杯に詰め込んで帰る」事が多い向きには最高。夢のフィールドである訳です。

乗っ込み真鯛を浅ダナで狙えるのも 上越のおもしろさ

午前4時30分集合で、メンバー5人は左舷側に並んで準備を開始。今回お世話になった海遊丸さんは、コマセダイや季節によってはテンヤのマダイも行っている、楽しみの多い船宿さん。藤井船長もマダイ釣りのスペシャリストだけにわからない事があったら気軽に聞いてみる事をお勧めします。

この日の仕掛けは、天秤にステンカンの80号。ヤマシタ厳選ゴムヨリトリ真鯛1.5m、1mをゴムクッションに、4号フロロカーボンハリス10m。ハリはマダイ系の9~10号位が基準になっています。竿は2.7~3.0m。電動リールか中型両軸リールにPEの3~4号。支度をしていると船長と上乗りさんの長谷川君が到着してご挨拶。「昨日、いい感じだったね~」と状況を聞いて見ると、「うん…良かったんです・・けど・・」。サラッと流したけれど最後の「けど」が気になった。メンバーの頭の中は「マダイヒット」のシミュレーション中。その事は当然口に出来ない状況。曇り空に時折朝日が顔を出す幻想的な名立沖に午前5時30分、11名を乗せて出船した。

航程約20分でポイントに到着。沖アミのコマセを詰め、付けエサの沖アミは2匹掛けにしてみた。朝マズメの気合が入る一投目。何が起こるか判らない。「はい、やってみて下さい。タナは上から10m、15m辺りで一回振って10mでセットしてくださいね」。海面から10mの浅いタナが上越のマダイ釣りの特色。因みに水深は約45m。ここまでマダイが上がって来るのだ。過去の経験では5mの時もあり、海面を覗くとビシが見えている時もあったほど。掛かると横っ走りするので一瞬「青物?」と勘違いしてしまう事も。さて、どうなるか…。

すると右舷ミヨシにいた島田さんにヒット。「焦った…1投目ですよ」。楽しそうにファイト。周りからは「慎重すぎる…」、「何時もと違う…」等、激励の言葉が飛び交う中、キャッチしたのは小型ながら本命のマダイ。続いて右舷ミヨシの常連さんにもヒット。「良い感じじゃない」と期待が高まる。数回の潮廻り。依然タナは10m。今度は右舷大ドモで連続ヒット。見事な黒ずんだのっこみマダイ。その後も右舷側にヒットが集中。

「くっ…食いは有るのに」と微妙な雰囲気が流れ始めた。すると石井さんにヒット。良い引きだが・・「マダイじゃない・・」。上がったのは40cmを超えるマアジ。これが連発し始める。岸上さんもマアジ、奥様のしなちゃんもマアジ…。とにかく型が良いマアジだけにファイトは最高。直ぐに血抜きをしてクーラーへ。鮮度重視のメンバー達。抜かりは無い。私を含めてマアジのファイトで癒されて、石井さんはレシピを考え始めた。右舷側はマダイ、左舷側のメンバーは島田さんを除いてマアジ。「参ったな…」と考えていると石井さんにヒットした引きがマアジでも乗っ込みマダイでもない。「おっ…イナダだ」。今年も好調の予感がする日本海の青物。早速登場だ。

本命の乗っ込みマダイは…それでも上越の海の幸を満喫

そんな事をしている間に、「15mまで下げてみて下さい」と指示ダナの変更があった。本来なら食いが上向き「浮いてくる」感じになるのが正解のはず…。まあ、後半に備えて…と考えていたら、島田さんにヒット。「さっきよりはいい感じ」と真剣モード。ドラグが滑り、道糸が出されて行く。上がったのは3kgクラス。のっこみカラーのオスのマダイ。「白子が楽しみ…ウヒヒ」と本職が横浜の日本料理屋の料理長だけに嬉しそうだ。「いいな・・いいな…」と竿先に集中していると「当たった」と再び石井さん。「何だろう?」これもマダイではない。でました…大型ゴマフグ。私にもヒット。

フグが掛かるという事は潮が緩い状態の時が多い。ここで仕掛けのシステムを変更。ハリスは2.5号へ、ゴムクッションも1.25mmまでダウン。食い渋り対策を施すが、後半になり再びマアジの襲来。が、「あれ、マアジじゃないな…」と私は慎重なやり取り…。「やった…」20cmクラスの鯛。

「良かった…」と言う言葉に「マが付いて無いでしょ」。という冷たい視線が。そうです「ハナダイ」さんです。石井さんにもヒット。マアジは50cmに届くかと言うサイズまでアベレージが上がる。マダイ乗合という事を忘れて楽しみ、「マダイ五目と言う事にしよう」とメンバーに相談。意見の一致を見た次第。これなら、0はいないもんね…。

午後1時を回り、沖上りを迎えた。それでもマダイは船中20枚、4.5kgが最大。その翌日から再び好調なのだから判らない…。そんな感じで釣りは終了。ホテルに戻る途中の市場で買い物。当地の魚や名物を購入してお勉強。色々な地方名も覚えられるし、名物は押さえて置きたい。ホテルで一腹してお待ちかねの夕食会。上越の美味しい物で癒されました…。

乗っ込み後、これから7月、8月と大型マダイが出始める季節。一つテンヤで狙うシーズンにもなって来るので是非楽しんでみてはいかがでしょう。

ミニお料理レシピ ~アジ編~

さて、横浜の自宅に戻って料理の準備。この時期、脂の乗りは少な目なので何にしようかと考えて石井先生にお願いしました。

☆アジの梅しそ揚げ

初夏の味に仕上げています。揚げている時間は90秒位。これでコロモもカラッと行けばジュシーなおかずに大変身

☆アジバーグ
多く釣れた時には最高。魚嫌いのお子様も「ハンバーグ」という言葉ならパクっといきます。もちろんカルシウムもバッチリ。沢山いただけます。こちらはレシピを…。

【材料(4人分)】
マアジ30~40cmクラスなら4尾位、パン粉、水(50cc)、タマゴ(1個)、本だし(少々)、生姜(1かけ)、醤油(大さじ1)、味噌(大さじ1)、大葉、青ネギ(細かく小口切り)
【作り方】
①マアジを3枚におろし、身を細かく切る。
②フードプロセッサーに身を入れ、生姜、味噌、醤油、卵、パン粉、本だし、青ネギ、水を入れてミンチ状にする。
③形を整え、大葉を付けて、油を敷いたフライパンで焼けば出来上がり。

☆アジの押し寿司

秘密兵器を使います。これを使うと手軽なんです。アジを軽く酢で〆てあります。そこに登場するのが「浅漬けのもと」。タッパーに浅漬けの元を入れ、アジの身を入れます。冷蔵庫で1時間くらい。「おおっ…」見事に軽く締まった「しめ鯵」の完成。食べる時に皮を剥がして小骨を抜きます。通常は塩で〆てから酢に漬ける…時間が掛かりますが、「浅漬けのもと」を使うと身をそのまま「ドボン」。釣行後、疲れた時に手軽に作れて、疲れに効くお酢を補給できます。で今回、それを使って押し寿司を作ってもらいました…。

そんな感じで、美味しい魚も存分に楽しんだ訳です…。ではまた。

☆使用タックル=竿:マダイ用3.0m、リール:中型電動リール ポイント伝衛門丸LT500(小型電動でも手巻きでも可)、道糸:PE4号(PE3号でも可)、テンビン:マダイ用天秤、クッションゴム:ヤマシタ「厳選ゴムヨリトリ真鯛」1.5mm・1m、仕掛け:ヤマシタ マダイ仕掛「FMV110」(フロロカーボンハリス3~4号、10m)、ビーズ:ヤマシタ エサ玉Mサイズ、エサ:マルキュー 丸特真鯛(まるとくまだい)
船宿=海遊丸(新潟県名立谷浜港)
出船時間、料金は船宿へ確認(午前午後船、1日船、トワイライト船ありの為)
新潟県上越市名立区名立大町

上越名立港

取材・テキスト/山口 充
取材協力/海遊丸TEL080-1357-2255

PROFILE:山口 充

横浜市在住のライター&フォトグラファー。元2輪レーサーで、「宮城ササニシキレーシングチーム」を結成するなど、宮城や東北にも縁がある。現在は大好きな釣りと魚を求めて各地を旅するのが楽しみ。ヤマシタ・アドバイザリースタッフ、マリア・フィールドスタッフ。ブログShisen

 

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