東北ロックフィッシュゲーム(根魚ルアー)
もともとブラックバスのワームの釣りから派生したものなので基本的にはバス用品を流用可能だが、2000年代に入ってからは50cm超のランカー級を狙う磯ロックが流行。「ハードロックフィッシュ」などと呼ばれ、いまでは専用アイテムも充実している。ここでは東北のロックフィッシュゲームの概要と基本の釣り方を解説する。
フィールドによる違い
■磯ロック
ターゲットは40~50cm以上の大型のアイナメ、ソイ。元はより大物を求める一部のコアアングラーが新天地を求めて磯に足を踏み入れていったところからブームになり、一つのジャンルを確立した。きつい根から大型根魚を釣り上げるため、基本的にはヘビークラスのベイトタックルを使用(最新アイテムでは専用スピニングも登場している)。ポイントまでのアクセスに危険をともなうため、安全確保のための装備はマスト。体力も必要になる。牡鹿半島から青森県八戸まで、三陸リアス式海岸の磯場で人気。
■防波堤ロック
磯に比べるとポイントに入りやすいお手軽ロック。入りやすいぶん磯より大物の率は下がるが、タイミング次第では思わぬ良型も期待できる。磯と同じヘビークラスのベイトタックルからややライトなスピニングタックルまで、ポイントの状況、狙いに合わせて幅広いタックルで対応できる。
■ボートロック
小型遊漁船やマイボートを使った船のロックフィッシュゲーム。船から岸際を撃つシャローゲームから、ちょっと落ちたポイントを探るディープゲームまで広範囲を攻められるのがメリット。ポイントの水深は1m程度の浅場から深ければ20~30mくらいまで。ポイントが多様な分、季節、状況に応じてタックルも変わり、ミディアムヘビーからヘビークラスのベイトタックル、スピニングタックルに、近年はベイトフィネスも活用。船上からの釣りは遠投性より取り回しを重視し、6~7フィート前後のタックルを使う。
タックルシステム
■磯ロック
タックルは遠投性と根掛かり回避性能に優れた、8~9フィートくらいのヘビークラスのベイトタックルが主流。磯場のキツい根をかわすため16Lb以上のフロロカーボンライン、テキサスリグで攻略する。最近は遠投性に優れた9ft・ヘビークラスのスピニングタックルも人気上昇中。ただし、磯場ではヤブ漕ぎなどもあるため行動しやすいように持参するロッドとリールはできる限り少なくする必要があり、コンパクトな2ピースロッドが基本になる。
「サイファリストHRX CPHC-83H/Plus」(バレーヒル)パワーゲーム対応、ベイトモデル
■防波堤ロック
磯ロックと同じハードタックルだけでなく、ポイント、状況に合わせてミディアム、ミディアムヘビークラスまでパワーを落としてもOK。小型のソイ類などならミディアム~ミディアムライトのスピニングタックルを使ったライトゲームでも楽しめる。リグも根がきつい所ならテキサスリグ、岸壁キワや平坦なケーソンなどはジグヘッドリグ、ダウンショットリグなどと使い分ける。
「サイファリストHRX CPHS-90H」(バレーヒル)ロングレング、遠投パワースピニングモデル
「ラグゼ ダイダラS80H」(がまかつ)
■ボートロック
船上での取り回しを考えると、陸より短めの7フィートくらいのベイトタックルが釣りやすい。根周りなのでテキサスリグが基本だが、スイミングではジグヘッドも使用。シンカーの重さはポイントの水深、潮流に合わせる必要あり。深場などではシンカーを軽くしてもボトムを取れるベイトフィネスも有効。船ではポイント移動に足を使わないので、スピニングタックルを含めた複数本のタックルを持ち込み、使い分けることができる。
「サイファリストHRX CPHC-73MH」(バレーヒル)ボートゲーム対応、シューティングモデル
Abu Garcia(アブ・ガルシア) RockSweeper NRC-702EXH LIMITED 10周年記念モデル
ベイトリールとライン
ベイトタックルを使用する場合のリールは海水対応の小型ベイトリール。できれば巻き上げ力のあるハイギアタイプがおすすめ。ラインは最近はPEを使用する人も増えているが、岩礁帯での根ズレ、根掛かりなども多くフロロカーボンが扱いやすい。ボート、漁港なら14~16Lb、磯なら16~20Lbと太めを選択する。
釣り方
岩礁や藻の間などを攻める際は、根掛かりのしにくいテキサスリグが釣りやすい。磯、防波堤、ボートとも東北ロックフィッシュではテキサスリグ(仕掛け)が基本となる。
>リグのセット方法の解説はこちら
フックはオフセットフックを使用し、フックポイント(ハリ先)をワームに隠すことで根掛かりを防げる。シンカーは1/2ozから1ozくらいの重さを使うことが多い。
ロックフィッシュではまずはボトムをしっかり取ることが大切。遠投したい時、風が強い時、水深があり潮流が速ければ重いシンカーを、流れが緩く、フワフワと誘いたい時は軽めのシンカーと使い分け。ボトムを取れている状態で出来る限り軽いものを使うと自然なアクションをつけやすい。
[中通し式シンカー]
[オフセットフック]
ソフトルアーの選び方とアクション
ソフトルアーの種類は様々だが、藻場、根周りで常食している甲殻類に似た「クロー系」、「ホッグ系」のルアーが基本に挙げられる。シーズン、魚の活性に合わせてボトムずる引きやリフト&フォールで狙う。
「シャッドテール系」や「カーリーテール系」のルアーもリフト&フォールで効果的。イワシなど小魚をベイトにしている時は底から少し浮かせて泳がせるスイミングの反応が良くなる。波動を発しやすいリブ付きタイプもロックフィッシュの食い付きが良い。
ボトムを取れるシンカーを使い、底を取りながらアクション。リフト、フォール、シェイク、たまに止めを入れ、何らかのバイトがあったら大きくアワせる。オフセットフック使用時はしっかりとアワせないとフッキングが甘くなってバラシが多発するので注意!
ガツンと一発で食いこみフッキングすればいいが、アワせを入れるタイミングが遅くて根魚がルアーを吐き出してしまったり、逆に早すぎても魚にワームをかじられるだけで悔しい結果になることも。慣れればアタリの種類で魚のサイズや食い方を見極められるようになる。
[おすすめルアー]
ポイント、シーズンについて
ボートロックでは船長orガイドがポイントを案内してくれるので、その指示に従い、状況にあった釣りを展開すればOK。陸っぱりは根魚の好むストラクチャーの周り=岩のすき間や藻のキワなどを撃っていく。このとき、足下のエグレや岸壁のキワなどは誰でも確実に狙える好ポイントなので忘れず探ってみよう。
スポーニング前の11~12月や初夏の食いが立つ季節の6~7月は磯、防波堤とも根魚の好む場所を攻めればそれなりに釣れることが多いが、一歩上の釣果をたたき出すには魚のいる場所を探すことが必要になり、これが陸っぱりロックフィッシュの醍醐味でもある。季節や天候により魚は沖側にいるのか、岸側に寄っているのか?水温などの関係で潮流の当たる所がいいのか、根で遮られた所がいいのか?など、様々な条件から判断する。
>根魚のシーズナルパターンについては「ハンター式磯ロック攻略術」で詳しく解説されているので、参考にしてみよう。
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