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東北地方周辺の暖流と寒流の関係

2015年4月16日配信 【HOWTO】 【編集部】

日本の太平洋側には南から北上する暖流の黒潮と北から南下してくる寒流の親潮の勢力が合わさり、東北沖は両方から影響を強く受けている。また、日本海側には黒潮から分岐した暖流の対馬海流が流れていて、竜飛岬から津軽暖流につながり、そのまま太平洋側まで届く(津軽暖水)

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暖流と寒流の勢力が均衡

東北の太平洋側は夏から秋にかけては黒潮の影響が強く、冬場は親潮の勢力が強まる。黒潮は潮速が速く、夏にかけてその潮速がさらに速まるが、一方の親潮は流れが遅く、沖釣りで冬場に潮の流れが緩いのはそのため。ただし、実際には東北沖で親潮と黒潮が直接ぶつかり合っているわけではなく、両方の流れの末端の水同士が混じり合い、季節による勢力関係が出現する魚種に関係している。

南方由来の黒潮は日本列島に沿って北上し、鹿島灘の沖で東側に流れを変えて太平洋を循環している。東北地方には直接の流れではなく、暖流由来の暖かい水の塊が到達する。暖流系の回遊魚が黒潮の勢力が強まる夏から秋にかけて現れるのはその暖水に乗ってくるため。また、下北半島の津軽海峡からは津軽暖流から暖かい水が流れ出し、津軽暖水を形成。岩手県沖から北海道太平洋沖にかけての暖流系の魚にはこの津軽海峡由来が大きく影響していて、近年の北海道沖のブリ、ワラサもこちらのルートで回遊している。

一方、北の海から流れてくる親潮の方も東北沖は最も南の末端に位置する。冬から春先に勢力を強めるが、青森、岩手沖に津軽暖水があるため、沿岸の水温が急激に下がることは少ない。ただ、一定の周期で親潮の影響が強くなる年があり、そういった年には他より水温の低い冷水塊が沿岸に残り、悪影響を及ぼす場合がある。冷水塊は暖かい水より重く沈むため、解消されにくいことが多い。

東北の日本海側は暖流系の対馬暖流の影響が強く、太平洋側より暖かい海を好む魚種が多くなっている。対馬海流は竜飛沖でそのまま北海道に北上する流れと、津軽海峡に入る流れに分かれ、津軽海峡に入ったものが津軽暖流。この流れがマグロ、タイなど多くの魚が集まる好漁場を作る。流れの一部が陸奥湾内に入り、下北半島から太平洋側に抜けた津軽暖流は、尻屋崎を越えると潮流が緩まって流れが無くなるので津軽暖水とも呼ばれる。

暖流系のクロマグロは太平洋の黒潮系と日本海の対馬暖流の群れがある。日本海系は対馬海流の終着地である竜飛沖周辺や津軽暖流が尻屋崎に当たる大間沖周辺が好漁場
 

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