ボートロックの幅を広げるロッドの使い分け術
最近は遠投用のロングスピニングロッドが流行するなど、ますます多様化が進むロックフィッシュロッド。複数本のロッドを持ち込みやすいボートロックでは、種類の異なるロッドをリグっておけばポイントや魚の活性などの状況に瞬時に対応することも可能。
ここではバレーヒル社のHRXフィールドスタッフ陣に「サイファリストHRXシリーズ」を例にロッドの使い分けを教えてもらった。
千葉正博さん:バイプレイヤー的追加モデルを実釣テスト!
この日の千葉正博さんのメインタックルは、テスト中のプロトタイプ「サイファリストHRX CPHS-77MH」
2017年の春に発売予定のこのロッドはあまりティップが入らないベンドカーブを採用。ボトムタッチからフォール中のバイトを取りつつ、低活性時のバイトも食い込ませやすいようにするべく開発中。ミディアムヘビーの調子は操作性にも優れ、バイプレーヤーロッドとして様々なテクニックに対応できる。
また、現行のモデルだとボートロックにはスピニングのオールラウンダーモデル「サイファリストHRX CPHS-78M」や、短めで接近戦に適したベイトの「サイファリストHRX CPHC-73MH」を使用することが多い。
東谷輝一さん:セオリー通りにボートでは短めのロッドを選択
東谷さんはボートではベイトロッドの「サイファリストHRX CPHC-73MH」を中心に使用。ボートゲーム向きの短めのレングスで、アンダーキャストなど船上での取り回しに優れる。1oz以上のウエイトを使えるパワーもあり、大型とのファイトでも安心。乗りのいい調子は「チェリースピン(ベイトブレス)」など巻き物系のルアーにもマッチする。
また、この日もそうだったのだが、食いの渋い状況ではスピニングの「サイファリストHRX CPHS-78M」もおすすめ。東谷さんは水切れのいいPE0.8号の細糸に1/2ozか3/4ozくらいのシンカーを使用。低活性時はこれでナチュラルに誘うと有効なことも多い。波が高めの時などスピニングで遠投したい場合にも適。
「サイファリストHRX CPHC-77H」はビッグフィッシュ狙いや、深場、起伏の激しいポイントなど、ちょっとパワーが欲しい時に。
森本正善さん:アドバンテージ重視、大型狙いのセレクト
森本さんの1本目は1ozまで背負える8ftちょっとのスピニング「サイファリストHRX CPHS-83MH」
「ボートに8ft3inは少し長いように思われるかもしれませんが、船で近付けないあと一歩のポイントをロングキャストで狙ったり、大岩にスタックせずバーチカルに狙いやすい点で、このロッドは非常に優れています。特に何人かの乗り合いでキャストストロークやフッキングストロークが取れない時は、このロングロッドのありがたみを肌で感じられると思います。CPHS-83MHの適度なティップアクションはスイミング演出性、吸い込みの良さも相まってビッグクロソイ狙いにも最適です」
もう1本は21~35gのヘビーテキサスリグを軽快に扱えるベイトロッド「サイファリストHRX CPHC-77H」
「ハイシーズンに狙った一等地へ次々とヘビーリグを撃ち込む時などに最適なロッドです。チェリースピンなど巻物を扱う際はCPHC-73MHの方が良いですが、このロッドもCYPHLIST特有の『硬すぎないティップ』により、ジグ系、巻物系まで幅広く対応出来ます」
とりあえず77Hが1本あれば磯からボートまで、ベイトタックルによるロックフィッシュゲームは大体カバーすることができる。
HRXテスター使用ロッドまとめ
千葉さん、東谷さん、森本さん3人の意見をまとめると・・
[ベイトロッド]
■サイファリストHRX CPHC-73MH
7ft台と短いベイトロッド。近距離戦中心のボートロックでは最もスタンダードなモデル。ボートが主体でとりあえず1本というならコレでOK!
■サイファリストHRX CPHC-77H
オールラウンダーなヘビーアクションのベイトロッド。パワーに余裕があり、磯、防波堤からボートまで1本でカバーできる。
[スピニングロッド]
■サイファリストHRX CPHS-78M
オールラウンダーのスピニング。シンカーを軽くしたり、ちょっと細かく攻めたい時におすすめ。適度なパワーもあるので、これをメインにボートロックを楽しむこともできる。
■サイファリストHRX CPHS-83MH
8ft以上の長さで遠投性、根掛かり回避性に優れ、パワーもあるロッド。ベイトがちょっと苦手だったり、スピニングでボートロックをやりたい場合はこれ1本で挑むのもアリ。
今年はロックフィッシュの様子がちょっとおかしい
ロックフィッシュ盛期に入っている岩手三陸だが、今季はロックフィッシュの様子がちょっとおかしい。
ホスト役を務めた東谷輝一さんは、「今年は春から初夏のシーズンがすごくよかったので期待していたんですが、秋以降は高水温の関係なのか磯や根に海藻が無くて本来の産卵場所に全然魚が入っていない状況です。産卵個体が小型化しているという話も各方面から聞かれていて、オス、メスとも産卵に参加するサイズが30cmくらい中心になり、40~50cm以上が極端に少なくなっています」
全体にアイナメの数が少なくなり小さいサイズで成熟して個体数を維持しようとしているのか?要因は不明。シーズンが遅れたせいなのか、藻が無いため産卵する場所をずらしているのか、浅場に上がらずに養殖棚の周りなどのちょっと深場で産卵する個体も多くなっている。いずれにせよスポーニングの動きがかなり読みにくいというのが今季の状況。
そんな中、東谷さんは広範囲を探るローラー作戦を敢行。水深20~30mのちょっと水深があり、藻の残っているエリアを中心に撃っていった。
この日は根魚が居る場所、いない場所がハッキリと分かれた。集まっているポイントに入るとバタバタと連発することが多く、産卵期らしく金色の婚姻色をまとったオスばかりのポイントもあった。本来いるはずの一等地で釣れなくても、周りをちょっと探るとヒットしてくることも。
盛期の釣れっぷりに見えるが、東谷さんは物足りない様子。「今年は調子が悪いですね、本来の岩手はこんなもんじゃないんです。例年であれば一人30~40匹くらいは爆釣するんですが、今年は20本いくかいかないかで、50UPも1日数本程度と明らかにサイズも小さくなっています」
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※解説/千葉正博、東谷輝一、森本正善
※取材協力/バレーヒル
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