雄勝でブリ98cm!宮城のジギング新境地へ
釣果速報等ですでにご存じの方も多いはずだが、先日、雄勝で98cm、10.5kgのブリがキャッチされた。ここ数年の宮城では、ちょっと考えられなかったサイズ。さらりと10kgオーバーをクリアし、早くも狙うは12kg超!?
ワラサ好釣中の雄勝沖に、まさかまさかのブリ出現!
「正直、10kgオーバーは狙ってました。8月半ばに90cmのブリが上がったという情報は聞いてましたし、1週前の8月17日には6kgのワラサを釣っていたので…」とは、今回、見事ブリをキャッチしたフィッシャーマン多賀城店の大橋さん。
8月23日、大橋さんはフィッシャーマンスタッフら釣り仲間とともに、雄勝漁港の魚心で釣行。メインターゲットは絶好調のワラサで、あわよくばブリを、という感じだった。今季の雄勝は70cmオーバーのワラサ級がアベレージ。イナワラやイナダは少なく、釣れればグッドサイズという状況が、8月中旬頃からずっと続いていた。
この日は、数は多くないものの、朝から順調にワラサがヒットしてきた。ただ、日が昇るとともにイナワラ、イナダにサイズダウン。やがてアタリが完全に止まり、中だるみの雰囲気に。そんな時、大橋さんに突如ヒットしたのがこの98cmだった。休憩をとるメンバーも出始める中、集中力を切らさないで、ひたすらシャクり続けたのが功を奏した。
ブリはゆるめのワンピッチジャークがお好き(かも)
「このブリが食ったときのアクションは、幅広いワンピッチの動きでした。ジャカジャカなどの速巻きをする人も多いですが、デカい魚にはゆっくりめの動きがいいかもしれません。以前にも同じようなアクションで結果が出ていますし」。今回のブリが食っていたベイトは30cm以上あるイカ。他に35cmくらいの根魚っぽい魚も食っていたそうで、ブリはカタクチなどの小さいベイトはあまり食っていないのでは?というのが大橋さんの見解だ。
ジグのアクションはジグのタイプやその日のベイト、潮流などによっても当然異なる。「8月17日のワラサは、ワンピッチのテンポをちょっと短めにしてヒットさせました。ワンピッチでだめなときは、細身のロングジグを使い、角のない小刻みな動きでリーリングしてくるとよかったりもします。ワンパターンではなく、水中の動きをイメージしながらいろいろ試すのが大事なんじゃないかと思いますね。しっかりイメージできるようになると、魚が触ったような感覚も判って、ジギングがさらに面白くなりますよ」
また、大橋さん達は誘い出しの釣りも開拓中。ワラサは、バーチカルの釣りばかりではなく、キャスティングでも釣れている。ベイトの種類にもよるが、近くでナブラが立っているときなど、ワラサ級以上はキャスティングばかりに釣れるケースも多いそうだ。「あと、話がちょっと逸れますけど、8月17日の釣行で5~6kgくらいのマグロ、おそらくキハダらしいのがトビウオを追って跳ねてたんです。これを誘い出して食わせるとこまではもっていきました。結局フックアアウトしちゃって、獲ることはできなかったんですけど」
数十年前、三陸漁場がブリの大漁で潤っていたのは、漁業関係者ならよく知るところ。今でも定置網漁でまとまった量のブリが獲れることはあるが、黒潮の分流や津軽暖水の影響に左右されるので、なかなか安定しないというのが現状だ。それでも、これからブリ(やマグロ)の回遊量が増えていけば、日本海や津軽海峡に並ぶくらいの好釣り場に育つ可能性は十分。いまイチバンの注目株です。
取材・解説/大橋永嗣
取材協力/Saltwater lure guide 魚心(TEL:090-3982-1656)
取材協力/フィッシャーマン多賀城店