船竿を進化させる交換式ソリッド穂先[折れた穂先の補修・修理、釣り竿カスタマイズ]
今回はいつもの釣行記から少し離れて、釣キチオリジナルのダブルソリッド穂先に迫ってみた。調子が気に入らず、お蔵入りしていたあの竿が簡単に生まれ変わるかも!
【追記】ソリッド穂先とは、グラス素材を使った穂先です。カーボン素材とは異なる特性の穂先を活かした釣りを楽しめます。
夢のダブルソリッド穂先とは?
Dreamダブルソリッドとは、釣キチオリジナルのソリッド穂先を使った独自のロッドシステム。ソリッドでアタリが取りやすくなるだけでなく、パーツを揃えることで、最大32通りの使い分けが可能になる。
この穂先システムを考案したのは釣キチ店主の福来進さん。一連の技術で特許も取得している。ただ、福来さんも最初からダブルソリッドを思いついたわけではない。以前からオリジナルのカレイ専用竿を定期的に制作していたのだが、ある竿の元竿と別の竿の穂先を組み合わせてみたくなり、試しに2本を接続して使ってみたところ理想に近い調子が誕生。この発見を機に、交換式のソリッド穂先を思いついたそうだ。
このダブルソリッド、元竿、中竿、穂先の3段階に分かれていて、各パーツの組み合わせで好みのロッドに仕上げることが可能。なのだが、最も人気のある活用法が、既存のロッドの穂先だけをダブルソリッドに改造する方法だ。穂先を変えるだけで格段にアタリを取りやすくなると評判だとか。これは、元竿と穂先をいったん分断することでブランクスの調子に段差ができ、通常のブランクスより竿先の動きが鋭敏になるため。また、ソリッドの軟らかい曲がりで食い込みもよくなるのだ(ただし穂先への負担が大きいので、無理な力をかけて穂先を折らないよう注意が必要)。
ダブルソリッド穂先対応ロッドの作り方
元の竿の穂先を切断して、ソリッド穂先の接続部分に合うように加工する。そのままで太さが合わない場合は調整するのがちょっと面倒。「工作に自信が無い」、「作業する時間が無い」などというときは、穂先の価格+1,000円で加工をお任せすることもできる(作業時間は15分前後)。
穂先チェンジで多様な使い分けも可能
ダブルソリッド穂先には8種類のバリエーションがあり、シチュエーションや好みに合わせて使い分けられるのがポイント。最初は1本の穂先で始めればいいのだが、釣技の進歩や釣り場に応じて穂先のバリエーションを揃えていくのも楽しみの一つだ。
「色々な竿を使いこなしてきた上級者より、アタリが分からない初中級者にぜひ使って欲しい。この穂先は誰でもアタリが分かるようになるのが最大の特長です。初心者だったのが、この穂先を使い始めた途端に、カレイ大会で入賞するようになったケースもありましたよ」と福来さん。
カレイ釣り中心に使う人が多いので、カレイ竿を対象として解説してもらったが、先調子がモノをいうカワハギ竿やキス竿、メバル竿などでも威力を発揮する。色々な竿で試してみれば面白いだろう。竿先のカスタマイズなら穂先のパーツ代だけでよく、定価は4,000円弱。新しい竿を1本購入するよりずっとお手軽なので、試しにチャレンジしてみては?
ダブルソリッド穂先のバリエーション
解説/福来 進
取材協力/釣キチ(TEL:022-357-7577)
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