磯釣り・クロダイ釣り入門ガイド【3】ウキ編
クロダイ釣り（ウキフカセ釣り）、磯釣りの基本を亥飼真司さんが紹介します。
前回のガン玉編に続き、今度はウキを選んでみましょう。現代のウキフカセ釣りで最も一般的などんぐりウキを中心に紹介します。
最初は円錐ウキ（ドングリウキ）から始める
磯釣り、ウキフカセ釣りに使うウキと言っても沢山の種類があり、形やサイズ、カラーなど様々で一番迷うアイテムでもあると思います。ウキはその時の状況等によって使い分けていくアイテムですので色々な種類が欲しい所ですが（ウキを揃えるのも楽しみの一つですし、釣り場でウキを選ぶのも楽しみの一つです）、いきなり数10個のウキを揃えると言っても大変です。扱いやすさなどもありますので、初めはオーソドックスで使いやすい円錐ウキ（円錐型の中通しウキで、ドングリウキとも言います）がオススメです。
円錐ウキの中から色々なタイプを選んでいくのですが、始めにウキの役割を覚えておくと購入時や釣行時のウキのセレクトに役に立つと思いますので基本的なところを紹介しておきます。
【ウキの担う主な役割】
1）魚のアタリを取る
2）仕掛けを投げやすくする
3）タナをキープする
4）潮に乗せて仕掛けを流し、エサを運ぶ
【ウキのスペック】
1）浮力（そのウキが背負う事ができるオモリの重さ、オモリ負荷）
2）自重（ウキの重さ）
3）サイズ（ウキの大きさでS、M、L等の表記もあります）
4）視認性（ウキの見やすさ、カラー等も含まれて来ます）
5）形状（円錐ウキだと大きく分けて上膨れ、中膨れ、下膨れタイプ）
といったものが挙げられます。ウキや包装に記載されているスペックだけを見ても今一つピンと来ないと思いますので（自分もそうでした（笑)）、もう少し詳しく説明していきます。
ガン玉のB＋B＝2Bではない
【浮力について】
ウキには0とかB、2B～等の表示があります。「Bって何？」となりますが、これはガン玉（オモリ）のサイズ（重さ）になります。
Bという浮力表示のウキだと、ガン玉のB、3Bのウキだとガン玉の3Bまでの重さを背負う事ができます。0浮力のウキですとオモリ無し又は極小のオモリを付けてギリギリ浮く設定となっています（その時の釣り場のコンディションやラインの太さ、仕掛けによって若干変わって来ます）
1つ注意して頂きたいのは、2ＢのウキにBのガン玉を2個付けるとウキが沈んでしまいます。何故かというとガン玉Bの重さが１個0.55gで2Bの重さが1個0.75gになるからです。B+B=2Bにはなりませんので注意して下さい。
【自重について】
ウキ自体の重さのことで、自重がある（重い）ウキは遠投も出来ますし、強風時も自重の無い（軽い）ウキに比べ仕掛けを楽に投入出来ます。が、サイズと密接な関係に有り、小さいウキは軽く、重いウキは大きくなってしまうので、一概に重い方が良いとも言えません。
【ウキのサイズ】
S、M、Lと同じ形状で大きさだけが違うウキや小さな小粒シリーズ、大きな大粒シリーズなどがあります。近くは小さなサイズ（軽い）、遠くは大きいサイズ（重い）と狙うポイントまでの距離で使い分けたり、魚の食いが悪い時はSサイズ、潮に乗せて流したい時は体積の大きなLサイズといった感じで使い分けます。
【ウキの視認性】
ウキの見えやすさで、カラーやサイズ、形状などで変わりますが、見えやすければ魚からのアタリや潮の変化などが目で確認しやすくなります。カラーは一般的にはオレンジが、ウキを沈めた時はイエローが見易いと思います。水色によってはピンクやグリーンが見易い時もあります。
【形状について】
円錐ウキの形状には大きく分けて、上膨れ（一般的なドングリ型）、中膨れ（卵型やスリム型）、下膨れ（涙滴型）があります。ウキの形状と掛かる水圧によって、上膨れの一般的なドングリ型は浮きやすく、涙滴型は逆に沈みやすくなります。中膨れ型は感度は良いのですが、ふらつきやすい等の性質を持っています。
円錐ウキの殆どは（一部のアタリウキを除いて）ウキの中にオモリが入っています。オモリの入っている位置が高いか低いかによってもウキの性質が変わって来ます。
少々長くなりましたが、以上の予備知識を頭の片隅に置いておくと、釣り場でのウキのセレクト、そしてウキの購入時に自分が必要とするウキ（様々な状況に合わせる為）の目安になると思います。
次はいよいよ仕掛けのセッティングです。
※画像・テキスト／亥飼 真司