能代の寒ブリ ビッグチャンス到来!
電動ジギングなら女性や年長者も心配無用
日本海・能代沖のジギングで、ブリやワラサがコンスタントにヒットしている。まだまだ魚体の細い個体も多いのだが、まさに寒ブリと呼べるような、よく脂の乗った10kg級もキャッチされ、いよいよ本格的なシーズンに入った模様。
ブリやワラサがヒットしているのは、「テリ場」と呼ばれる周辺。水深60~90mの同所は、ブリの他にも多くの魚種が集まり、マダイやサワラ、ソイ、ヒラメなども大型を狙える好ポイント。
菊田釣センター仙台店の丹野正文店長が能代沖に釣行したのは、11月17日のこと。丹野さんはいつも通りの青物ジギングスタイルだったが、この日は60~70代のジギング初心者が同行。ご年配のアングラー達は電動リールを使った電動ジギング(通称・電ジギ)でブリ、ワラサにチャレンジした。
ボトム付近をスローに誘うとワラサが連発!
丹野さんらは能代港を5時半に出船。7時頃から釣り始めると、1発目からワラサがヒット!3~5kgのワラサ級が多いのだが、時おり5~6kgのブリクラスも混じって、終始好調に釣れ続いた。ブリ、ワラサの他にも、65~80cmのサワラや60cm台のマダイなどもヒット。10kg級の堂々たる寒ブリこそ出なかったものの、十分な好釣果に恵まれた。
「この日は電動ジギングにもよく食っていましたね。経験上、この季節のブリはスローな釣りが当たることが多くて、電ジギでもよく釣れるんです。私は手巻きリールでやっていましたが、速い釣りより、スローな釣りの方が結果がでました。…とは言っても、スピードで食わせた方がいいケースもあるし、釣っている途中でパターンが変わることもままあるので、状況に対応しないとダメですけどね」と丹野さん。
狙うレンジは主に底付近。メタルジグはロングジグなどスライドタイプより、オーソドックスなタイプがよく、アクションはスローピッチジャークなどが効果的。ヒットレンジがボトムから30m以内なので、マダイやソイも一緒に狙え、この日は来なかったが、ヒラメが釣れることもある。ただ、常に底付近をシャクリ続けるのはあまりよろしくない。というのも、上の方のタナを走っているマグロがフォール中やピックアップ時に間違って(?)ヒットするケースがあるため。この日もテリ場周辺にはマグロ漁船が多数出船していたそうだ。
今は寒ブリ季の入り始め、本番はこれから!
例年だと能代のブリジギは12月一杯くらいまでがシーズンなのだが、今年は水温がずっと高めだったこともあり、年越し以降も楽しめるのではないか、とのこと。「感覚的なものですけど、この時期にしては雰囲気が少し夏っぽいんですよね。魚のプロポーションもまだ寒ブリになりかけといった感じですし。今は魚が広範囲に散らばっている状況なので、もう少し狭いポイントにまとまってくれれば、もっと安定して釣れると思います」
能代沖のジギングでは、水深60m以深でジグをシャクり、ブリやワラサとやりとりするわけだから、ある程度の体力は必要。しかし、電動リールの巻き上げ機能を使うことで体力的な心配はかなりカバーできる。「ジギングのゲーム性を追求するなら手巻きでやるのが一番ですけど、年長者や女性など、体力に自信がない方でも十二分に楽しめるのが電ジギの魅力です。今回も手巻きのジギングと遜色なく釣れてましたし、ご年配の方が電動の威力でジギングの若者に釣り勝つことだって可能ですよ」
冬本番を迎え、天候が不安定になると出船機会はぐっと少なくなるが、荒れの合間に出られれば、寒ブリの顔を見られる可能性が高い。そして今後、ブリは能代沖から南下し、釣り場も飛島沖などに移行。回遊のタイミングは年によっても異なるが、飛島沖ではかなり長い期間ブリを狙える見込み。日本海の寒ブリシーズンはまだまだ始まったばかりなのだ。
取材・解説/丹野正文
取材協力/菊田釣センター仙台店(TEL:022-285-9576)
菊田釣センター仙台店で店長を務めるオフショアのエキスパート。定休日の水曜日と週末の日曜日はお客さんとの釣行にあてることが多く、メインフィールドの仙台湾のほか、飛島沖、小泊沖など東北各地に足を延ばす
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