仙台湾ヒラメ爆釣劇のチャンス到来!
東北各地で絶好の食いが続いているヒラメ釣り。宮城県塩釜沖にも大判の群れが居着くポイントが広がっている。
船は今年6月に「活きイワシの五目釣り」を、釣行記内で紹介させていただいた晋漁丸。
初期はヒラメに根魚なども混じるその名の通り五目釣りからスタート。色々な魚が釣れるのは面白いのだが、虫餌や冷凍餌ではなかなか釣果が期待できないのがヒラメ。活きたイワシを使える状況なら、メインターゲットとなることは必然だ。
そして、ここにきてエサに使うイワシの種類がカタクチイワシからマイワシにスイッチしたことで型物が連日浮上!ヒラメ狙いが本格化してきている。
※2014年9月掲載の記事です。
ヒラメの食いに仕掛けの設定を合わせて釣果UP!!
午前4時、塩釜の籬港より出船した晋漁丸は、約1時間走って有名ポイントの大型魚礁へ到着。
阿部裕船長が生け簀よりエサをバケツに移して各自へ配布。
「1人あたり25匹入っています。足りなくなった人は一匹100円で追加購入できますが、大事に使ってくださいよ。一匹の餌で3枚のヒラメを釣る人もいますからね」とのアナウンス。
足元の大きなタルにマイワシを泳がせてスタンバイOK。丁寧に扱うことが大切だが、手で握ってから時間をかけすぎても弱ってしまうので、素早い扱いが肝心だ。
親バリを上唇の先端へ刺して、孫バリは腹ビレの付け根に装着。そっと放して海底に送り込んだ。
着底して底取りをすると直ぐに当たりがきた。「ガツ、ゴツ」と大きな感触が伝わったが、穂先の動きは止まってしまった。
ヒラメが再度食らい付くのを想定して少し待ってみたが反応がない。
「エサだけ取られたか?」
と、仕掛けを持ち上げてみるとイワシの抵抗がなく仕切り直し。これを三度繰り返してしまった。
船長より「菅野さん今日は外しっぱなしだね!大丈夫かい?」の声。
それから一時間でどうにか3枚のヒラメを釣ることができた。しかし、アタリが頻繁に来るので魚影が濃いことは間違いないが、その割にはハリ掛かりまで至らない空振りが先行してしまった。
「う~ん、船長の目もあるるし、食ってきたら確実に釣らないと…」
魚礁は高めの棚が基本。ヒラメ=底物のイメージはNG。
前アタリから食い込みを待っているとエサだけ無くなってしまうことから、ヒラメと自分の間合いが近すぎると想定。
獰猛な性質の一面を持つヒラメだが、非常に神経質なところもある。「魚のオアシス人工漁礁の中ではイワシに食いついたヒラメはゆったりと安心して飲み込みの動作をしているのでは?」と、考えた。
そこで、仕掛けの捨て糸を50cmから1mにチェンジ。ハリスの長さも1mから80cmへと大きく変更。漁礁の上でイワシが泳ぎ回るイメージだ。
すると、早速次の投入からアタリに変化が現れた。漁礁から浮上したヒラメはイワシに食い付くと反転し、再び漁礁へと戻ろうとして早く飲み込もうとする。このことによりアタリが大きくなり、ハリ掛かりも確実かつ明確になるのでは?との推測が的中。
高い棚に狙いを変えて以降は、ハリ掛かりする確率が格段に上がり、良型を連続で浮上させることができた。
しかし、この手法が有効なのはヒラメの活性が高いことと、高いタナに浮上して食らい付ける大判の魚影が濃いことが不可欠。大型魚礁のような潮通しも良い好ポイントであることが条件となりそうだ。
[使用ロッド紹介]
12名乗船で船中114枚と絶好調!船ヒラメは次世代の釣りに突入?
阿部船長によれば、「この辺りのヒラメは今が一番釣れる時。数も型も狙い目です。仕掛けはシンプルな程よく釣れます、集魚板などはお祭りの原因になるので付けないのがおすすめ。そして、釣れないときに悩まない人は釣果を伸ばせません。両脇ばかり食っているときなどは、違いを考えないとね」とのこと。
当日は特大こそ出なかったが、平均50cm程の一番美味いサイズが揃った。私が釣った最大は66cm。船中の最大は75cm、3.6kg。数は頭で18枚。魚影の濃さに助けられて、仕掛けの調整で出遅れた私も二番手の16枚を釣ることができた。
一昔前のヒラメ釣りは「運が釣果に直結」とか「ビギナーズラックの釣り」などと言われたが、アタリが頻繁になって釣果を伸ばせる釣法や、自分に合う釣り方を探るチャンスも倍増した。
ヒラメ釣りは次世代のテクニックの釣りに突入したと言えそうだ。
[遊漁船紹介]晋漁丸(塩釜まがき港)
■TEL:090-8258-6000
カレイ釣りのトーナメンターとして活躍しながら、ヒラメ、メバル、マダイ、深海などの各種船釣りにワカサギ、渓流までなんでもこなすオールラウンダー。がまかつ、山豊テグスフィールドテスター、マルキューフィールドモニター。福島市在住
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※取材・テキスト/菅野 順也
※取材協力/晋漁丸(宮城・塩竃港)