奥入瀬川サーモンフィッシング!
サケの有効利用調査とは?
奥入瀬川では毎年、遡上してくるサケ(シロザケ)を釣ることができる、「さけ有効利用調査」を行っている。ただ、河川に入ったサケがエサをほとんど食わないのは周知の通り。「十和田の場合は河口からの距離もあるため、普通に狙ったらスレ掛かりが多発してしまうところですが、ルアー、フライの他、色々な釣りからいいとこ取りをすることで、8割以上の確率で口に掛けるようになりますよ」と、NEWベルウッドの鈴木潤さん。今回はその釣り方の紹介を中心に、奥入瀬川のサケ調査の模様をリポートする。
調査日は12月6日。11時頃から、相坂地区の本部前簗場付近で竿を出した。奥入瀬川のサケ調査区域は、この簗場に近い御幸橋から後藤川合流点まで約4kmの十和田市区間の他、六戸町400m、おいらせ町500mを設定している。
この日の釣り場は、簗場付近に魚が集まる非常に実績の高いポイントで、盛期にはサケが釣れ盛ることもある。また、その他のポイントも釣れる数では簗場にかなわないのだが、自然の流れの中、サイトで魚影を確認しながら、サケの着くポイントを自在に狙えるのも一つの魅力になっている。
遡上モードのサケに口を使わせるテクニック
「ルアーで狙う場合、トラウトのようにクロス方向にリーリングしていては、まず釣れません。流れに対してまっすぐに流し、ここぞというポイントでは30秒くらいフラフラと止めて誘うのが基本です。この釣り方では、ミノーよりスプーンの方が圧倒的に釣りやすいと思います」
遡上中のサケはルアーにアクションをかけても追って来ることは殆ど無いが、底から5~7cmくらいのレンジをフワフワと漂わせてやると、リアクションでバイトする確率がぐっと高まる。釣り方は、ボトムタッチしながら、流れに合わせて転がすイメージ。複雑な流れに乗せて、緩流帯に届けるところは、トラウトルアーより渓流のエサ釣りに近いといえるだろう。
スプーンにタコベイトを付けるのは、サケのバイト率を上げる効果も期待できるが、スプーンに適度な浮力を持たせて漂いやすくする意味合いが大きいそうだ。上手く流すためにはラインメンディングは必須で、通常のルアーとは操作感覚がだいぶ異なる。タックルは長めのロッドが、自然に流しやすくておすすめ。
「あと、スプーンのフックにサンマの切り身やソフトルアーを付けるのもかなり効果があります。硬いスプーンだとどうしてもショートバイトが多くなってフッキング率が下がってしまうのですが、軟らかいものを付けることで魚がエサを咥える時間が少し長くなり、釣果は確実によくなりますよ」と鈴木さん。
なお、このような複合的な釣法は、エサ、ルアー、フライ全てOKな奥入瀬川だからできることで、他の釣り場ではレギュレーションに抵触するおそれもあるため注意が必要。「シャケ独特の釣り方で賛否両論あると思うのですが、こんな釣り方もあるよということで紹介させてもらいました。釣り場の決まりに合わせてのケース・バイ・ケースになりますが、他でも参考になるところがあれば嬉しいですね!」
調査区間の最上流部となる、本部簗場付近。奥入瀬川鮭鱒増殖漁協の建物下の簗場周りが一級ポイントになっている
【さけ釣り調査員要項】
◆期間:12月16日(日)まで
◆募集人数:各日先着100名
◆利用料金:当日券1日5,000円、半日3,000円、子供1,000円。※他、お得な前売り券(今季終了)、連続2日券、VIP券などあり。
◆釣獲尾数:10尾(持ち帰りは5尾まで、残りは本部で回収)
http://salmon.oiraseriver.com/cgi-bin/outline/schedule.php
◆竿:シーバスロッド9ft
◆リール:2500~3000番
◆糸:PE2~3号
◆ハリ:カルティバ3/0
◆エサ:サンマ
青森県十和田市のNEWベルウッド店長。近場の奥入瀬川から、陸奥湾、太平洋、日本海の海にも繰り出し、新しい釣り物を常に開拓。大会も大好きで、船カレイやアユ釣りで入賞経験多数あり!
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※取材・解説/鈴木潤
※取材協力/NEW BELLWOOD(青森県十和田市)