釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

渓流セミファイナル‐ファイナル

塩津 紀彦 2021年4月8日 更新

しぶとく熱すぎた夏も終わりを告げ、朝夕はだいぶ秋の気配を感じるようになりました。そんな中、今回は2012年度の総決算ってことで、10月から禁漁になる渓流釣りに2週続けて行ってまいりました!
※2012年10月掲載の記事です。

9月23日 セミファイナル

朝イチは水深があり、魚のストック量が多い淵へ入渓。

雰囲気満点でしたが…レンジを変えたりスピード変えたりと、あの手この手で淵を攻めていきます♪

そして淵のドン詰まりまできたところでモンスター発見!!
「サイトで見つけて誘い出して掛ける!」
キャスト精度やアクション、そして偏光グラスの良し悪しが差を分けるシチュエーションです。高まる気を抑えて深呼吸…。

モンスターサイズは大抵一回しかチャンスはないので、「最高のキャストを最高の角度で、最高のレンジに、最高の喰わせスピードで送り込む…」。まさに一撃必殺の釣りをしなければなりません。

…いざ、尋常に… 勝負!

狙い通りのキャストコースに決まり、最高の一撃がクリーンヒット!ヒットしたのはトンでもサイズのモンスターイワナ様!渓流タックルではなかなか寄せられずに、騙し騙しでちょっとずつ間を詰めます。

そしてやっと観念したのか、その巨体がネットに入る…その直前に最後の渾身の突っ込み!…でヤっちまった感たっぷりの無念のフックオフ(涙)

しかもラインブレイクや魚の身切れではなく、フックがボッキリ折れてました…。まぁ仕方がないと、落ちた気持ちを立て直してリスタート。するもその後は同行の佐賀くんが大型ヤマメをバラしただけで、時間だけがイタズラに過ぎ去ります。

こりゃダメだ!仕切り直しの大移動です。日が上がったので、淵のハイプレッシャーな魚は諦めて、次は瀬をメインに攻めてみましょう。

スーパー超渇水です…
そんな中でもいくらか水深のある流れを攻めます

やる気のある魚は瀬に着くというのがセオリーなんで、今度は辛うじて魚が着くことのできる水深の瀬を探してリスタート。

オーバーハングの奥の奥にぶっ込みます

水深のある流れと言っても、例年に比べるとかなり浅いため、オープンエリアには魚が見当たりません。そうなると狙いはひとつ、攻め辛いオーバーハングの最深部。

着水音も極力ソフトに、そしてルアーを枝に引っ掛けてもダメ。大物に対しては、枝や葉にキャストしたルアーが触れるだけでもプレッシャーを与え兼ねないギリギリの神経戦です!

運命のファーストキャスト。綺麗な低弾道でキャストし理想的な着水。オーバーハングの奥からアクションを入れて、オープンエリアにルアーが出たあたりでモンスターサイズの魚影が!…しかしながら喰わせきれず…。

深呼吸して気を落ち着かせます。流れが意外と速いため追わせきれなかったので、流れの中でブレーキをかけ、喰わせのタイミングを入れられるミノーにチェンジ。そして再度オーバーハングにキャスト!

ソフトに着水し3アクション目に…
「ドスッ!」
と来ました~♪

オーバーハングに入られたら終わりなので一気に勝負を決めます!ほぼフルロック状態で寄せてネットイン!

ドカーン!と出ましたパーマーク付きのモンスターヤマメ様降臨!
どうですか、この40cmを軽く超えるナイスな巨体!

まぁどうやらこのパターンでやれば結構釣れそうですね~。と、浮かれていたら、腐った川底の苔で滑って転倒…。利き手の右手が動かないので、急いで現場近くの病院へ行くことに…。

残念な感じに仕上がりました…

ヒビが入ったので固定してきました(涙)。茨城からここまで来て、
「このままでは帰れん!」
と、気合いを入れて続行するも、その後は繊細なキャストが出来ない上に、魚がヒットすると衝撃で激痛が走り、身動き取れずにバラす、ってことが続き無念の終了。

背中で~泣いて~る~哀愁漂う感じです…

2012年度最期としては良い魚に出逢えたものの、やりきった感がないので歯切れの悪い釣行になってしまいました…。

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9月30日 ファイナル釣行

長崎へ行く予定が、台風の影響で行けなくなってしまい、急遽、渓流最終日にスケジュールに空き発生。
「うむ、行くしかないでしょ!」
ってことで宮城内陸河川へ車を向けます。

前回はやりきった感が無かったので、釣れる釣れないよりも全力で自分の釣りをやりきるのが今回の目標です。

稲刈りもだいぶ終わり秋の気配です

川の様子は2日前に雨が降ったものの状況はあんまり改善されず、川底はヌルヌルで変な苔も腐りまくりです…。

見るからにダメっぽいです…

しかも、2012年度の渓流ラストdayと言うこともあり、本年度最後の渓流を楽しみに多くのアングラーの方々が来られており、ポイントはほぼ満員御礼状態。前日の土曜日にもかなりの方が入られたようで、スーパーハイプレッシャーは必至です。

朝モヤが雰囲気を出してくれます

こうなったら「見(けん)」の釣りを展開するしかないですね。「見」の釣りは、まずは魚を目で見つける作業が一番難しい作業で、それを可能にするには自然条件、時間帯、天気などの光度変化によって偏光レンズを替えてやる必要もありますし、レンズも偏光率が良くてレンズ歪みなどが出ない品質の物が必要になります。

そして魚を見つけたら、流れを読み、魚の捕食反射角を横切るようにトレースし、誘い出して喰わせるのがセオリーです。

さて、そんな「見」の釣りを展開して、渋い中でも先行された方々の釣り残しをちょいちょい拾い釣ります。

20cm弱ですが綺麗なヤマメです
ちょっとビビらされた尺銀ぺい君…
27cmとちょいとサイズUP♪

やはりハイプレッシャー時は竿抜けになるようなオーバーハングの魚のサイトフィッシングがメインになりますね。その後も同じパターンでぽつぽつ追加…。

まだ夏色のヤマメくん
やっとまずまずのが出ました!

パターンは分かっているものの、いかんせんプレッシャーが高すぎるのと、水が悪すぎる上に少なすぎて超高難度ですが、それを攻略するのもまた一興。かなり楽しめました♪

そして最期に2012年度の渓流を締め括る魚を求めて一発狙いの淵へ向かいます。

ポイントに着くと新しい踏み跡だらけでプレッシャーがかなり高いのが伺えますが、よく見ると対岸のオーバーハングの奥に何やら不穏な動きが!どうやらなかなかのサイズのイワナさんのようです。さて、どう攻めて喰わせるか…。

とりあえず、ちょい捕食反射角をかするコースにキャストしてカバーから少しだけ誘い出します。ちょっとだけチェイスさせてまずはピックアップ。

喰わせ易い位置に誘導完了させて、いよいよ喰わせの本気キャスト!チェスト~!!

綺麗にキャストも決まり、斜めからイワナさんの捕食射程に流し込むと、チェイスしてきて一気にパクり♪一気に勝負を決めてネットイン!

有終の美キターっ
50には届きませんでしたが、なかなか立派なイワナさん!

2012年度を締め括るのに申し分ない立派なイワナさんに出逢えたのと、今シーズンの集大成的な釣りを展開できたので満足のいくファイナル釣行でした♪

秋も徐々に深まりを見せ、高過ぎた海水温も台風の時化で落ちはじめ、いよいよロックフィッシュシーズンインといった所でしょう。

さぁてっと、次回はいよいよ磯ロックですかね~(笑)。

PROFILE:塩津 紀彦

磯ロックがブームになる以前から牡鹿の磯に通い、50UPベッコウ&アイナメを狙っていたロックフィッシュハンター。険しい、キツイ、危険の3Kを乗り越えながら、数々のモンスターを仕留めてきた。茨城県在住。チーム・ハンター所属。ピュア・フィッシング・ジャパン、サンライン、パズデザイン、がまかつフィールドテスター
※ハンターブログ http://yaplog.jp/jgfahunter/

 

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※取材・テキスト/塩津紀彦

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