鯛ラバで狙う竜飛沖のっこみマダイ【真鯛の乗っ込み】
乗っ込み盛期 津軽海峡の潮速さえクリアできれば期待大
青森マダイのノッコミが好シーズン。6月の下旬頃より陸奥湾内でも釣れ始めているが、日本海と陸奥湾を結ぶ竜飛沖はそれより早くシーズンに入り、産卵を控えた乗っ込みの良型が回遊中だ。ただ、竜飛周辺の津軽海峡は潮が速いことで有名な場所。潮を考慮して時合いを読むことと、潮流に合わせた釣り方がとても重要になる。
千葉さんが竜飛に釣行した6月25日は長潮前の小潮ということで、緩い潮を期待したのだが、朝のうちは潮が速く苦戦。マダイの回遊ルート付近は潮流が渦を巻く程で、底にマダイらしき反応はあるのだが、思うように底が取れない。それでも、フォールからリーリングしてアクションをかけると40cmほどありそうな良型のムシガレイがヒットしてきた。
あまりに潮がキツすぎるということで、少し潮が効きにくいポイントに移動。こちらでもムシガレイ中心に釣っていたのだが、8時頃からマダイがポツポツと上がり始めた。そのまま潮の流れは丁度いいくらいに緩まり、10時半頃に最初のポイントに戻ると、今度は底が取れて本命のアタリが連発。12時過ぎに少しアタリが止まったものの、14時頃には再び時合いに入り、終わってみれば、64~80cm超を二人それぞれ4匹、5匹と、まずまずの結果で納竿となった。
乗っ込みは遅れ気味?タイラバのリーリング中にマダイのバイトが集中
「マダイの反応があっても潮が速すぎて攻められなかったり、食い気が全然なかったりすることも多いんですよね。でも、この日は船長との連携も上手くいって、タイミングがばっちりハマりましたね」と千葉さん。この日釣れたマダイは、イワシなどのベイトに付いており、鯛カブラを上下させると、それを追うのが魚探でもしっかり確認できるほど反応がよかったそうだ。可能であれば、仕掛けを落としたときの魚探反応をチェックさせてもらい、マダイの食い気を確認しておくのがベター。
マダイは潮上の方を向いているので、船から潮上の方にタイラバを投入し、上から下へと流すのが基本。いったん着底させてから、リーリング~カーブフォールで中層までを探る。フォールで食うこともあったが、リーリング中にバイトが集中したそうだ。食い方は、細かいアタリから徐々に竿を絞られるパターンやリーリング中に一気に竿を曲げるパターンなど色々で、常にラインの動きに注目することが重要。
この日はたまたま良型ばかりの群れに当たったが、乗っ込みに向けて陸奥湾に入る魚が多い今は、群れ次第で大小様々なマダイがヒットする。今年はどうも乗っ込みが遅れ気味のようなので、もうしばらく産卵前のパターンが続きそうだ。乗っ込み後のマダイは7~11月にかけて産卵後の荒食いに入り、陸奥湾一帯、ロングランでマダイ釣りを楽しめるようになる。今回はタイラバがよかったが、ポイントやベイトにより効果的な釣法も変わってくるので、そのへんの多彩さもマダイ釣りの魅力のうちだろう。
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取材・解説/千葉宏一
カレイ釣り大会で多数の入賞経験を持つカレイ競技のエキスパート。自宅のある一関市千厩町からすぐの三陸をメインフィールドに、仙台湾や青森周辺にも足を延ばす。マダイ、青物ジギング、ワカサギなども得意。ささめ針フィールドモニター