美味アジ求めて…仙台湾でビシアジ五目
仙台湾のビシアジ釣りはライトなタックルで楽しむ
「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通りに、ようやく秋の訪れを実感するようなってきた9月22日。東北のビシアジ釣りの先駆けである、塩釜まがき港、第一海友丸に乗船してきました。
取材日は私を含めて6名の乗船。瀬戸慎也船長に前日の状況を聞くと、「全体の数は最近の平均くらいでしたが、30匹台の人が3人で、船中ムラなくアジが釣れましたよ」との話で、秋に入り、例年通りに上向いてきたようです。
私は右舷のミヨシに席を取り、タックルをセット。竿は50号負荷の1.8m、リールは電動丸の400番。比較的ライトな組み合わせで尺上の大アジを狙えるのが、仙台湾のビシアジ釣りの魅力です。
アミコマセ、バケツが配られ、午前5時に出船。天候は曇りで、北東の風波を切って走り抜け、航程1時間ほどでポイントに到着。釣り座にコマセバケツをセットして、80号のビシにアミコマセを8分目ほど詰めてスタンバイ。仕掛けは、サバ避けに効果のある銀バリのムツ10号で、ナイロンハリス2号の2本バリ仕掛けで始めます。
慎重に潮まわりして、「水深は40m、底から5mまでを狙ってください」のアナウンスで投入。サミングを入れて、糸フケを抑えながら落とし込みます。着底して手早く巻いて底を切り、道糸が真っ直ぐに戻るのを待って再度、底ダチを取り直します。ビシ釣りは、なんといってもコマセワークと正確なタナ取りが決め手。2m巻いてコマセを振り出して3mで待ち、5mまで50cm刻みで探っていきます。振り出したコマセの中に、仕掛けを入れるイメージです。これを往復したら回収、コマセを詰めて投入を繰り返します。
コマセを効かせて食い気をあおり、数を伸ばす
開始から10分ほどで、トモ側からアジが上がり始めました。私も底から2mにタナを合わせて誘うと、ググッと底に持ち込むアジの魚信。リールを数回巻き、巻きアワセでしっかりハリ掛けして、電動丸の楽速モード15で巻き上げます。残り3mでキーパーに置き、ビシが海面に出たところでストップ。竿を立て、ビシをバケツに入れて海面を見ると、良型のアジが2匹。タイミングを計って、一気に両手で抜き上げます。
「底ギワの反応が濃くなってきましたよ」のアナウンス。コマセが効いてアジが寄り始めて、船中次々とアジが上がります。私も早々にツ抜けしますが、潮が速くなると同時に、食いが渋くなってきました。ここから小移動を繰り返し、コマセを丹念に振り出して狙うも食いは立たず、時合いを待つような状況が10時過ぎまで続きました。
ここで粘っても得策ではないと、瀬戸船長は20分の大移動。50mダチで再開します。タナは底から3m以内のアナウンス。風も強まり、短いピッチで揺れて釣りづらい状況。しかし移動の判断が当たり、一投目からアジが順調に上がります。2mで振り出して3mで待つと、30cmクラスの良型アジが連発。船中活発にアジが取り込まれます。風波で揺れが大きく、巻き上げ、取り込みでのバラシも多いが、アジの釣れ具合は復活です。
おいしい金アジには巨大ヒラメも味を占める?
この日は珍しくサバの妨害が少なかったので、赤、緑のムツバリで、比重のあるフロロカーボンハリスの仕掛けに変更。赤バリにアカタン、緑バリにはアオイソメで釣ります。アカタンはアジの定番エサですが、濁りや曇天時にはアオイソメが特効エサになります。イソメは2cmほどに切って通し刺しにします。
底ギワでアジが掛かり、一荷を狙って待っていると、突然ググッと強い魚信。次の魚信で竿を立てると、重く突っ込む強力な引き込み。ドラグを調整し、ゆっくり手巻きで巻き上げ開始。時折、強烈な引きが襲ってきます。しかし揺れと引きに耐え切れず、残り10mでバラシ。回収するとハリは伸びていて、30cmほどのアジが無残な姿で上がってきました。
その歯形と感触から推測すると、大型のヒラメだったようです。あとで船長に聞くと、8月にビシアジ釣りで上がった98cmのヒラメも、このポイントとのことでした。最後に食いが立ち、午後1時に沖上がり。私は28~35cmのアジを26匹。竿頭は的確なコマセワークで34匹を上げた釣友の助川くん。船中12~34匹のアジで、風波の厳しいコンディションの中、まずまずの釣果でした。
仙台湾のビシアジ釣りは、これから12月くらいが一番面白い時期。金色で体高のある、美味なアジが釣れます。多彩なゲストも入って、内容濃く楽しい釣りを味わえますヨ!
写真・テキスト/針生秀一
取材協力/第一海友丸(TEL:022-365-7589)
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