波静かな歌津でヒラメスキルUP!
南三陸の歌津崎周辺はヒラメの宝庫として知られ、砂地、岩場、etc…、変化のある地形で釣り人を楽しませてくれる。特に、アタリをじっくり見極められる波静かな日は、ヒラメ入門者の練習に最適のフィールドになる。※2010年9月掲載の記事です。
小学3年生が自身2度目のヒラメ釣りに挑戦!
東北各地で、船のヒラメ釣りがシーズン本番を迎えた。今季は例年以上に好調に釣れている地域が多いが、歌津もその例にもれず、条件に恵まれさえすれば1人8~9枚のペースでよく釣れている。
解説の伊藤育男さんは、9月4日、息子の未来哉くんとともに歌津へ釣行。小学3年生の未来哉くんは、カレイの船釣りは数回経験しているが、船のヒラメ釣りはこれが2回目。1回やったことがあるとはいってもそこはまだ小3。イワシのエサ付けやロッド操作などは、(実際に釣行するまで)完全ビギナーレベルだったそうだ。
釣行日は幸運なことに、かなりの好天に恵まれた。潮は少し速めだったが、ウネリはほとんど無い状況。ヒラメ釣りで重要なのは、底の変化に合わせて仕掛け(オモリ)を操作することと、ヒラメのアタリにいかにアワせるかという2点。波静かなときの三陸の湾内は、ヒラメのアタリをじっくり見極めることができるので、初心者がアタリを取る練習をするにはぴったりの環境といえる。
ポイントが砂地主体であれば置き竿でもOK
「実は、今回のヒラメ釣りに備えて、家で少し特訓させたんです。スプールをフリーにしてオモリを落とすやり方とか、アタリがあったときのアワせ方とか、竿とリールの基本的な操作だけですけどね」と伊藤さん。練習の甲斐あってか、未来哉くんはヒラメの前アタリに早アワセするようなこともなく、早い時間帯からバッチリ釣果を上げることができたそうだ。
「それと…未来哉には、とにかくオモリを底から離すなよ、と教えていました。この日は砂地のポイントが多かったので、底を取ったらロッドホルダーに掛けて置き竿にして、糸フケが出たらこまめに取るよう指示しました」。底に大小のアップダウンがある岩礁帯のポイントだと、根掛かりするおそれがあるので置き竿はちょっとできないのだが、湾口や湾内の砂地であれば置き竿も有効。入門者にはちょうどいい条件に恵まれた形となった。
仕掛けは、父子2人とも、がまかつの1本バリ仕様。歌津では2本バリ仕掛けで、ヒラメと根魚を五目釣りで狙うことも多いのだが、この日はほぼ砂地のヒラメ狙いだったのと、エサを節約する目的で、1本バリを選択。ハリスの長さはエダ下の捨て糸部分より10~20cm短くして、エサが底から10cmくらい上を泳ぐように調整した。
ビギナーから玄人まで、間口の広さも歌津の魅力
この日のヒラメの釣果は、未来哉くんが2枚、伊藤さんは未来哉くんに教えながら、その合間に35~50cmを5枚釣り上げた。ヒラメ釣りは底の取り方さえなんとかできれば、仕掛けを上げ下げする回数が少ないので、教える手間はあまりかからなかったそうだ。「最初はエサ付けから一緒にやってましたが、最後の方はほとんど一人でできるようになって、自分の釣りを楽しめましたよ。その日の条件やポイントにもよりますが、歌津のヒラメであれば、初心者でもかなり入門しやすいんじゃないでしょうか」
今年の歌津ヒラメは、40~60cmの良型の数が出ている。ここまでかなり順調に釣れ続いているので、この調子でいけば11月一杯くらいは十分狙える見込み。南三陸のヒラメ釣りは、釣果、釣況とはまた別に、周辺環境や釣り場としての魅力でも人気を集める。三陸道の延長で仙台方面からのアクセスも格段によくなっているし、たまにはいつもと違う釣り場に足を延ばしてみるのも、いいんじゃないでしょうか。
取材・解説/伊藤育男
取材協力/ 清重丸(TEL:0226-36-3257)
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