ド遠投で狙う青森西海岸のアオリイカ
アオモリ産アオリは生育◎状態!
アオリというと東北では山形の庄内、秋田の男鹿ばかりに目がいきがちだが、今年は青森西海岸もかなり調子がいい。例年に増してイカの生育が順調で、20cm前後に成長した現在でもアベレージは20~30匹。磯場でいいポイントに当たれば40匹くらい釣れているという。
鈴木潤さんはこの季節、暇さえあれば西海岸に通い詰めるそうで、「今年はとにかくデカいのが多くて、いつもの年より2回りくらい大きいんじゃないかなぁ。今までは最終盤でも600~700gくらいが最大サイズだったんですが、すでに今それくらいありますから。これから11月末までやればキロオーバーも出るでしょうね」
西海岸が未開のアオリパラダイスなのかといえば、それは庄内や男鹿に比べれば少ないのかもしれないけど、それなりに激戦状態ではある。釣りやすい防波堤周りはやはり人が多く、イカも若干スレ気味。それでも、丁寧に攻めていけば10杯程度は狙えるので、手軽に楽しみたいなら防波堤がおすすめ。
地磯に降りればかなりの好釣りも期待できるが、最近の新たな問題がマグロ。なぜマグロ?かというと、マグロ漁のエサにアオリが使われるため、磯周りに網が張りめぐらされているのだ。今年はアオリの数が多いため、網の面積もハンパではなく、竿を出せるポイントは限られる。それでも、人があまり入っていない竿抜けポイントに入れば40杯ほどの数を稼げることも。
他の人には届かないポイントをド遠投で狙う
「私の場合、4号前後のエギを遠投して沖目を狙うようにしてるんですが、こちらの地域では、今のところロングロッドで遠投している人はあまり見かけませんね。他の人が狙わないぶん、ド遠投の一発狙いが効くんですよ。遠浅のポイントも結構多いので、そんな場所では広く探れますしね」
沖に着くイカはスレもほとんどなく、フォールで一発食いするようなケースもしばしば。ただ、そのまま沖で墨を吐かせてしまってはポイントを潰してしまうだけなので、速巻きで手前に寄せてから乗せるようにする。ベイトはアジやサヨリ。特に今はサヨリをメインに食っていることが多く、シルエットの長い大型エギの速巻きに反応がいいようだ。
また、数を伸ばすなら夜釣りという選択もある。夜の磯は危険なので防波堤からの釣りになるが、30~40杯と日中より数が伸びる。夕マヅメ~夜はヤリイカも釣れており、これからの季節、アオリイカの一発大物を狙いつつ、保険にヤリイカというスタイルが成り立つようになる。
10月31日の台風通過後の釣況はまだ分からないが、常連さんは10月29日にも好釣果を上げており、あと2週間ほどは好シーズンを満喫できる見込み。大型アオリはまだまだいるはずなので、超激戦区を避けてちょい激戦区の青森に足を伸ばしてみるのもいいかもしれない。あと最後に、磯やテトラなど、足場の不安定な場所に降りるときはソールにスパイクの付いたブーツやシューズと救命道具など、最低限の安全装備はマストですよ!
取材・解説/鈴木潤