最新の鯉釣り カープフィッシングガイド[コイの投げ釣り]
コイ釣りというと、ネリエサを練って野鯉の吸い込み釣りをイメージする方も多いはずだが、近年流行してきているのが欧米で人気のカープフィッシング。ここではカープフィッシング専門店「カープロード」の菅原徹さんに、カープフィッシングの醍醐味を紹介してもらった。
日本人にとってコイは馴染みの深い魚ですが、釣りの対象魚としてはどうでしょうか?東北ではあまりメジャーではないイメージがありますが、西日本から関東にかけて、じわじわと人気が出てきているのが、NEWスタイルのカープフィッシングです。
ヨーロッパで大人気のこの釣りは、従来のコイ釣りのイメージとは違い、スタイリッシュなタックルに「ボイリー」というエサを使用するのが基本スタイル。このスタイルを知らずに私の店に初めて訪れた方は、大抵驚かれます。「コイ釣りってこんなにオシャレになったんですか!?」
もちろん、従来のダンゴのスタイルが消えたわけではありません。何事も好みは人それぞれ。好きなスタイルで楽しめばいいと思いますが、ユーロスタイルについてはまだまだ東北では認知度も低く、取り扱う店も皆無。私はユーロスタイルの釣りをするし、当然私の店ではユーロスタイルを中心に扱っているので、今回は基本的なタックルセットとボイリーについて解説させていただこうと思います。
ユーロスタイルのコイ釣りタックル
私が実際に使用しているタックルの一例を紹介します。「ロッドポッド」と呼ばれるサオ立てにサオをセットしています。リールをフリーにしておき、コイがエサを食ってラインを引き出すと、先端にセットしてあるバイトアラームが軽快なサウンドで知らせてくれる仕組みになっています。
サオは3ポンド~3.5ポンドクラスを使用。リールはドラグをフリーにしてアタリを待つため、ドラグのON、OFFを切り替えられるクイックドラグやBRクラッチ搭載のカープ向けの物が便利ですね。
カープはよく「お金がかかりそう」と言われる事があります。確かに最上級クラスの物で揃えるとなればそれなりの出費が必要です。が、どの海外メーカーも「エントリークラス」を用意しているので、最初は入門用の物を使えばいいし、なんならシーバスロッドなどでも中型クラスのコイであれば代用は可能です。
シーバスロッドに投げ釣り用のリールで始めてみて、面白くなってくると「やっぱりクイックドラグいいなあ」とか「あのロッドかっこいいなあ」とか、自分なりの方向性が見えてくるはず。エントリーモデルならロッドでもクイックドラグ付きのリールでも1万円しない物もあるので、最初から揃えてやりたい人はそういったモデルから選んでもらうと良いでしょう。
ロッドポッドもいい物はやはり高いですが、入門用なら1万円ほどで手に入りますし、最初から大きな出費をしたくない人は「バンクスティック」という選択肢もあります。
このように地面に刺して使うバンクスティックは、持ち運びも楽だし、かつぎ込みのポイントなどで重宝します。手軽さがウリですね。
このような基本的なタックルの他にも、ヨーロッパの各メーカーでは実に理にかなったサブ的アイテムが多数用意されています。
カープケア、撒き餌アイテム、様々なリグパーツなど・・。今後順次紹介させていただこうと思いますが、興味のある方はぜひお店に遊びに来ていただき、様々なアイテムを手に取って見てほしいですね。
最新カープフィッシング専用エサ「ボイリー」とは?
さて、次にボイリーというエサはどんな物なのか解説させていただきます。ボイリーをセットする仕掛けについては、釣るポイントに合わせて様々あるのですが・・あまり長くなってしまうといけないので、今回はボイリーにスポットライトを当てる意味でも、仕掛けの最後の部分、「ヘアリグ」と「ボイリー」について書いていきたいと思います(ミチイトからシンカーまでの部分はまた次回以降に解説させていただきます)
まずボイリーというエサはその名の通り、ボイルしてあるエサの事です。特徴としては、様々なフレーバーやカラー・サイズがあり、ある意味ルアー的な意味合いでローテーションしたりできるのが一つですね。
釣り場によってはコイの好みがあったりしますので、エサをローテーションして攻撃的な釣りをするのが効果的な場合もあります。また、エサ自体がほとんど溶けないので、入れるポイントさえ間違っていなければ、じっくり待てるエサであると言えますね。
そして一番の特徴は鯉が必要とする栄養素がしっかり入っている、鯉がより好む餌という点です。一度ボイリーを覚えたコイは、また食べたくてボイリーを探します。そこをうまく利用して展開を組み立てるのが、まずはとりあえず釣果を出す一番の近道だと思いますので、そういった戦略の部分も、またの機会に解説していければと思います。
ボイリーも、沈むタイプ(ボトム)や浮くタイプ(ポップアップ)など種類豊富です。状況に合わせて、様々な選択肢があります。また、ボイリーだけでなく、撒きエサ用のペレットやグラウンドベイト(粉エサ)、フレーバーを強化するリキッドやディップなどの製品も充実しています。
このボイリーを、ヘアリグと呼ばれるハリスにセットするわけですが、ハリに直接刺すのではありません!
これがノーマルヘアリグです。先端の輪っかにニードルという専用の小道具を使ってボイリーをセットします。
これがノーマルヘアリグにボイリーをセットした状態です。下端にある透明な物体はボイリーストッパーです。これでボイリーの落下を防ぎます。
鯉がボイリーを吸い込むと、一緒にハリも吸い込まれ、鯉の下唇にフッキングするという仕掛けです。この唯一の魚との接点であるフック部分。よりフッキング率を上げて確実に掛ける為に、様々なパーツを使ってカスタムするのも楽しみの一つです。実にたくさんのリグがありますが、今回はちょっとだけご紹介したいと思います。
これはブローバックリグと言って、私のお気に入りの一つです。フックに小さなリングが取り付けられています。ここを一回経由してボイリーに持っていく事で、フックを安定させ、より良い角度で入るのが狙いです。
フック上部についたゴムのパーツはラインアライナ。フックに角度をつけてやってより確実なフッキングを狙っています。コイの唇は分厚く弾力があるので、針先がしっかり尖っているかも毎回確認するといいと思います。
最近の仙台周辺の釣果をご紹介!
これは七北田川での釣果!ブローバックリグでガッチリフッキング!産卵直後で傷があります。ヒットベイトはユーロカープ「KRILL」でした。手軽に近所の川で釣っても、思わぬBIGと出会えるかもしれません。
写真は80クラスですが、ドラグを出してグイグイ引く強烈なファイトを味わえば、病みつきになってしまいます(^ ^)
こちらは5月31日の釣果。月山池です。釣果における詳しい状況などは、オフィシャルブログにて更新していますので、そちらもぜひご覧ください。
今後もカープフィッシングの魅力を様々な角度からお伝えしていければと思います。こちらの連載記事では、次回はカープフィッシングの必需品であるアンフッキングマットとランディングネットについて紹介させて頂ければと思います。
東北初のカープフィッシング専門ショップとして2016年8月にオープン!最新鯉用品を実際に見て、選ぶことができ、これからカープフィッシングを始めたい人にもやさしくガイド
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※取材・テキスト/菅原 徹