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連載☆ハンター式磯ロック攻略術【第15回】夏!対策

塩津 紀彦 2021年4月27日 更新
※この記事は2014年8月にプレミアムサービスの連載記事として配信されたものです。

第15回☆夏!対策

毎日毎日ほんと驚くほど暑いですね…。

こんなに暑いと海水も煮たってしまいサッパリ釣れない…かと思いきや今年の三陸界隈の海は、上半期さんざん苦しめられた厄介者の冷水塊のおかげで海水温が外洋側ではいまだに18~20℃と磯ロックには最適な水温になっております♪

本来8月に入ると沖に離れるロックフィッシュ達もいまだに結構シャローで釣れているので、意外とまだしばらくは夏磯ロックが楽しめそうな予感です。

さてさて、今回はそんな夏磯ロックの注意点や攻略法について少しお話ししたいと思います。

まず夏の磯場に潜む罠。それはなんと言っても熱射病・熱中症です。

海水温度が20℃クラスですので海側から風が吹いていると冷風になり体感的にはかなり涼しいのが今時期の磯ロック。ただし涼しいからといっても日差しによるダメージは刻一刻と身体を蝕みます。

「知らず知らずのうちに体力をゴッソリ持っていかれ、涼しいので喉もあまり渇かずに水分補給が遅れてしまい脱水症状に…」
ってパターンと
「日差しによるダメージ+海面反射によるダメージ+岩からの照り返しによるダメージのトリプルダメージで一気に体力を消耗してしまう…」
というパターンがあります。

何れにしてもキーになるのは小まめな水分補給と塩分摂取。

塩飴はマストアイテム

そして暑さでバテる前にエネルギーを多めに摂取。

ゼリー状のものだと満腹感があっても摂取出来るので○

過度の暑さにバテるとオニギリやパンなんかですと食欲が湧かずに食べられなかったりするため、ゼリー状のものが摂取しやすいのでオススメです♪

ちなみにオニギリやパンを持っていかれる方は暑さで急速にいたむので食中毒には充分気をつけて下さい…。

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お次はウェアー関係。

暑さや日差しによるダメージは意外とじわりじわりとくるので「気がついた時には手遅れ」なんてことがほとんどです。そうならないためにもウェアーや装備もしっかり熱を逃がし、日差しをかわすシステムにする必要があります。

まず第1に絶対に無駄に肌を焼かないこと。
「夏なんだからガッツリ焼きますよ♪」
って方はビーチでガッツリ焼いて下さい…。

磯ロックでは先程も少しお話ししましたが、日差し+海面反射+岩の照り返しがあるので3倍の速度で一気に焼けてしまいます。

肌が焼けると体内に熱がこもり体力が著しくロストします。体力低下による目眩や立ち眩み、いつもは足が届く場所に足が届かなかったり、手に力が入らなかったりと症状は様々ですが、危険な足場が多い磯ロックではちょっとした体力低下が大事故に繋がりかねません。安全に釣りを楽しむためにも日焼けは最小限に抑える努力をしましょう。

ちなみに装備としてはウェアーはラッシュガードのような通気性のよい速乾性の高いもので長袖のもの。

黒よりは灰色や白がオススメ

ズボンもハーフパンツをはく場合はラッシュガードをはきます。ラッシュガードが無い場合は必ず長ズボンで!

足下は蒸れますがダニやヒルから身を守るためにネオプレーンソックスかガードを装着。

夏は草木が凄いので藪こぎで怪我しないためにもガードが必

首~顔にかけては最近流行りのネックガード。アメリカとか紫外線の強いエリアで釣りをするときの必需品になってきたUVカットのネックガード。首まわりの日焼けが一番体力を消耗させるのでここはしっかりガードしましょう。

通気性がいいので意外と涼しい

あとは仕上げにUVカットの日焼け止めを塗り日差しガード完了です♪

熱射病・熱中症対策はこれで万全。それでは夏の磯攻略についてちょっとお話しします♪

まず、狙うタイミングとしては上げ潮か朝夕のマヅメ時がベスト。気温の低い朝夕のマヅメ時は人間にとっても動きやすい時間帯ですが、魚にとってもやはり1日の中で1番捕食に動きやすい時間帯でもあります。

単に水温が少し低いってことも関係してますが、なんと言っても日差しが弱いというところが好条件を呼び込んでます。なのでガスが濃くかかっているときなんかはマヅメタイムが長く続くためチャンスは長くなりますね。

夏の海霧は好条件

それと水温が絡む条件として「上げ潮」のタイミングが夏は好条件を生んでくれることがあります。

夏の日中、強い日差しで暖められシャローエリアはかなりの高水温になってしまいます。そこで「上げ潮」です。潮が上げると外洋から比較的冷たい水がシャローに注して来るため全体的に少し水温が落ちてくれます。この微々たる変化が意外と大事で、夏のナイーブなロックフィッシュ達には口を使う使わないに関わる活性の良し悪しにつながるキーポイントになったりします。

夏のロックフィッシュの釣りで水温の次に着目して頂きたい点。それはズバリ「潮流」です。

人間も風に当たると涼しく感じる通り魚も潮が流れるエリアの方が涼しくて当然という考え方もありますが、単にそれだけではありません。

潮が流れるエリアは溶存酸素濃度が高いため、高水温になると欠乏する酸素がしっかり確保されるためロックフィッシュ自体にも過ごしやすい場所と言えますし、なんと言ってもプランクトンが多く、ベイトも沢山集まる好条件が揃っています。さらに沖からの冷たい水が供給されるポイントはグッド!

潮が止まるとアワだらけ…
アワが出てもサッと消える場所は潮が効いてます

見極め方は至って簡単。

写真のようにアワだったポイントは潮が効いていないため魚の活性は低め。アワが出てもすぐに消えてしまうようなポイントは潮が流れていて好条件です♪

今年は岸に魚が寄らなかった俗にいう「ハズレ年」だった三陸界隈ですが、単発ながらも魚は夏パターンにシフトし始めてサラシが出来るようなエリアにデカいのが陣取ってます♪

秋冬シーズンに比べると釣りに行く方が少なく、スレを知らないナイスプロポーションな魚に出逢えるのも夏磯の魅力です。今年の夏も例年通り暑いですが、熱い出逢いを求めて是非フィールドに足を運んで下さい♪

PROFILE:塩津 紀彦

磯ロックがブームになる以前から牡鹿の磯に通い、50UPベッコウ&アイナメを狙っていたロックフィッシュハンター。険しい、キツイ、危険の3Kを乗り越えながら、数々のモンスターを仕留めてきた。茨城県在住。チーム・ハンター所属。ピュア・フィッシング・ジャパン、サンライン、パズデザイン、がまかつ、ティクト フィールドテスター

 

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