釣行記

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連載☆ハンター式磯ロック攻略術【第16回】スポーニングパターンを再確認!

塩津 紀彦 2022年2月9日 更新
※この記事は2014年11月にプレミアムサービスの連載記事として配信されたものです。

第16回☆スポーニングパターンを再確認!

三陸界隈の山々も色づきはじめ海水温もじわ~りじわりと下がり出し、いよいよ我らがアイドル ロックフィッシュちゃんのハイシーズンがやってまいりました♪

とは言っても広い三陸エリア全域で一斉にハイシーズンがスタートし一気にスポーニングに入る訳ではございません。同じ湾内であってもシーズンの進行速度が違ったりして実際釣りに行ったら「あれ?まだ魚入って来てないや?」ってことになったり、スポーニングのタイミングにドンピシャで当たってしまい魚が口を使わないタイミングになってしまったりと不安定な釣果に陥りやすいのもこの季節の特徴です。

なので、今回はそんなニアミスを起こさない為にも今一度、シーズナルパターンを見直し、釣りのエリアを選択するプロセスを再確認したいと思います♪

まずはこちらの図をご覧下さい。

 

典型的なスポーニングに絡んだエリアと魚の動きです。

まず、スポーニングは基本的には潮が効きすぎない湾内で、幼魚が育つ海藻エリアと隣接するエリアで行う個体が多いです。

図のように島や根などで荒れた時にウネリが入っても比較的波を打ち消し拡散してくれて、尚且つ身を隠しやすい場所にネストを張ります。

動きとしてはディープエリアで夏を過ごしたアイナメ達はまずシャローへ上がる前にミドルエリアの大きな障害物やブレイクラインなどでベイトを捕食し、産卵に向けての体力を蓄えて身体をシャローの水に慣らすように居座ります。

コンタクトポイントは潮が少し効くようなディープが隣接したエリアになり、この時期の魚はかなり貪欲なので俗に言う「荒食い」って状態。しかも群れで動いているのでコンタクトポイントの魚が見つけられたら同じ位の魚がボコボコ連発したりするので少し粘ってみてもいいでしょう。

シーズンが進むとコンタクトポイントの内側に入ったり、岬の先端部に入りスポーニングのタイミングを見計らいます。そしていよいよ大潮が来るとスポーニングエリアに入り産卵。

産卵になるとしばらく口を使わない時期がきます。猛烈に釣れていたのに10日間くらいパッタリ反応が無くなる現象が毎年あるんですがそれがこのタイミングです。ちなみに10日くらい経つとまた体力を回復させたメスから順に口を使い出します。

オスとメスで若干産卵の動きは違うのですが、まずはメスがシャローに入りネストを作り、オスが最後までシャローに残るのでメスが釣れたらオスは一歩手前のステージにまだいると考えて魚を探してみて下さい。

ちなみに魚の捜し方としては
「スポーニングエリアでメスが釣れたとしたらオスはまだコンタクトポイントに居る」
とか
「コンタクトポイント内側でメスが釣れたからオスはまだコンタクトポイントの外側かディープに居る」
といった感じで考えていただければ比較的簡単に魚は捜せます。

ただし全ての魚が一気にスポーニングするのではなく1陣が産卵→2陣が産卵→3陣が産卵…って感じに産卵してゆくので、どの魚がどのタイミングで動いているのかをうまくアジャストさせて探る必要があります。

一般的には1陣が大型メインで徐々に小さな個体がスポーニングに入る傾向があるので、釣れたサイズから1陣の魚か?どうか?ってのを考えるのも1つの手になるでしょう。

さてさて、ポイント内での小さな動きはご理解頂けたところで今度は釣りをするエリア選びで大切なコツをご紹介します。

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スポーニングに絡む魚の動きが秋~冬の釣りと切っても切れない関係になっているのは皆さんご存じの通りです。

まずスポーニングに適したエリアは図1のようなポイントですが、湾内で見ますとざっくり分けて南と北の斜面ではスポーニングの時期や数、型などに違いがあります。

まずは図2のAポイント。北側斜面で南側を向いたワンドのスポーニングエリア。

このエリアの特徴はシーズン中盤~後半にかけて魚が多く入って来るエリアです。日照時間が多く、海藻の育生もよいスポーニングのメインエリアと言っても過言ではありません。

ただし、シーズン前半は水温が下がらないためあまり魚が入らないのと、シーズン前半に見られる気圧配置で南東寄りの風が多い時も濁りが入るうえ、ウネリで活性が著しく悪い時が多々あります。

お次は図2のBポイント。南側斜面で北を向いたスポーニングエリア。

シーズン前半~中盤に良いエリアです。日照時間が少ない上に北からの冷水の影響を受けやすいので水温の下がりが早くシーズンが始まるのが早い。

ただし、スポーニングにはあまり適していないエリア(日照時間が足りない)が多々あるので魚のサイズや数は他のエリアに比べると少し落ちる感じです。また、シーズン後半になり北西の風が強く吹き荒れる季節になると、やはり濁りやウネリの影響で活性が下がる傾向にあります。

最後に図2のCポイント。湾内奥エリア。

シーズン前半~後半にかけて安定してスポーニングの魚が入って来るエリア。

湾内は秋になるとシャローエリアが一気に冷やされるため水温の下がりは比較的早く、そのためスポーニングも早く始まります。意外と風やウネリの影響も受けないため安定した釣果が見込めるのですが、魚のサイズはワンランク小さいのが多いのが特徴です。

これを踏まえますと
「シーズン前半はBでスポーニングの魚を狙う」
「荒れたあとなどならばCで数釣りする」
「シーズン後半はAポイントでスポーニングの魚を狙い撃つ」
このように考えてエリア選択をするといいでしょう♪

これからがまさにハイシーズンな三陸のロックフィッシュ。今シーズンは比較的魚の接岸数が多いようですから、ポイント選びをしっかりパターンにハメてガッツリいい魚達に出逢いに行って下さいね♪

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PROFILE:塩津 紀彦

磯ロックがブームになる以前から牡鹿の磯に通い、50UPベッコウ&アイナメを狙っていたロックフィッシュハンター。険しい、キツイ、危険の3Kを乗り越えながら、数々のモンスターを仕留めてきた。茨城県在住。チーム・ハンター所属。ピュア・フィッシング・ジャパン、サンライン、パズデザイン、がまかつ、ティクト フィールドテスター

 
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