釣行記

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連載☆ハンター式磯ロック攻略術☆【第21回】初夏のベイトフィッシュ対応テク

塩津 紀彦 2021年4月30日 更新
※この記事は2015年6月にプレミアムサービスの連載記事として配信されたものです。

【第21回】初夏のベイトフィッシュ対応テク

今年は序盤戦の低かった海水温の影響か、なかなか調子が上がらなかった三陸界隈ロックフィッシュ。それでも6月も半ばに差し掛かりようやく海水温も安定してきたので、いよいよ「梅雨&初夏ロックフィッシュシーズンイン」の声があちこちから聞こえてまいりました♪

さて、今回はそんなハイシーズンにバシッとハマれば強いパターン「ベイトフィッシュパターン」についてお話ししたいと思います。

シーズンオフやシーズン初期、磯場や堤防周りにはベイトがかな~りプアな状況になっているため「甲殻パターン」や「虫エサパターン」にすこぶるいい反応を示すロックフィッシュ。

しかしながら、初夏に絡んだシーズンになりますと磯にはイワシやウミタナゴなどのベイトフィッシュがチラホラ回遊してきたり、そのベイトフィッシュが磯周りに居着いたりするようになります。そうなってくると力を発揮するのが「ベイトフィッシュパターン」

読んで字のごとくベイトフィッシュに意識がいっているロックフィッシュを狙い撃つパターンなのですが、「甲殻パターン」、「虫エサパターン」と違う点としてはその破壊力!

高活性のロックフィッシュに多いパターンなため、ハマれば爆裂に数が釣れたりデカいのがイージーに釣れたりするのはもちろん、ベイトフィッシュをたんまり捕食しているコンディションも最高な引きの強い素晴らしい個体に出会う事も出来るのが魅力です。

ではどの様にやればよいのか?ってことですが、基本アクションは至って簡単♪

シャッド系のワームやストレート系のビッグワームなど、ただ巻きやカーブフォールがメイン。ボトムを意識しながら、横の動き(甲殻パターンが点の釣りでベイトフィッシュパターンは線の釣り)でアップテンポに広く探るだけです♪

さて、まずはアクションです。

アクション例

(1)基本的なアクションはハイリフトからのカーブフォール。
ポーンとリフトさせてフリーフォールさせずにゆっくりカーブフォール。で、ボトムに着いたらまた同じ動作の繰り返し。これが基本的な型になります。

(2)は俗に言います「巻きの釣り」というやつです。
ボトムを1回取ったらリールでグリグリ巻くだけ♪ 簡単そうに感じますが、ボトムから離れすぎてもダメですし、ボトムにコンタクトさせ過ぎても引っ掛かってしまうのでダメ…。

コツはたまにボトムを取りながら、ボトムとの距離を離しすぎないように気を付けるとこですね。ただ巻き時にはロッドは少し立て気味で構えた方が完全にロッドを寝かせるよりは根掛かりする確率を軽減させる事が出来るのがキモになります。

(3)これは応用パターンのリアクションスイミングってやつです♪
ボトムを1回取ったら、強めのリフトを入れてグリグリグリ~っと5~6回リールをはや巻き。イメージとしては上方向にベイトが逃げるように動かす感じです。

捕食のスイッチが入っていないときや、逆にベイトがたくさん居過ぎてルアーを見つけてもらいづらい時に有効的なアクションです。

ベイトの群れを散らしてパニック状態にするとロックフィッシュの捕食スイッチが入ったりすることもあるので、10キャストに1回くらい混ぜてあげるのもいいかもしれませんね♪

さてお次は狙うポイントです。

狙いのポイントはズバリ当たり前ですがベイトフィッシュが居るところ(笑)

例えば、シーズンはじめは少し潮が緩めの場所でホンダワラと昆布が共生するエリア。シーズンが夏に近付くにつれて潮通しのよい昆布が生えるエリアがオススメ。初夏のハイシーズンですとサラシが出来るようなエリアが有望なポイントになってきます。

シーズン初期はシャローの水温に体が慣れていないため、少し潮が緩めの場所に身を置くためと、ベイトもそういったエリアを好んで回遊するのと関係しています。ハイシーズンはベイト自体も潮が速く動くエリアを回遊するため、狙いの場所が変化して行きます。

あくまでもコレは基本的なパターンですので、シーズンに合わせたポイント選択でベイトが見当たらない場合は、ベイトが多いエリアをチェックしながらポイントを頻繁に変えていくマメな移動が釣果へ繋がる第一歩になるでしょう。

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甲殻類パターンの準備もしておくと◎

それではこのベイトフィッシュパターンに上手く当たった先日の釣行を絡めてお話ししたいと思います♪

5月末の南三陸 牡鹿の磯場

今年の三陸界隈は全体的に水温の上昇が遅く、例年ならば仙台湾の内側から徐々に釣れ始めハイシーズンに入って行くのですが、今年は5月末の時点では「シーズンが始まりそう?」って気配はあるものの、まだまだシャローには魚が少ない状況…。

それでも体力のある大型の個体は単発ながら可能性あり。とくに今年はベイトのイワシが大量に接岸しているエリアもあるので上手くポイントに当たればコンディションのいい魚に出逢える確率が高いとの情報をGET♪

狙いのポイントはシーズンがまだ始まったばかりなので、イワシが接岸している磯場のホンダワラと昆布が共生する、潮がやや当たるエリア。

ホンダワラ&昆布

ポイントに到着して早々に鳥山が目の前に発生!イワシが大量に接岸しているのを確認♪

慌てて準備を済ませてスタートフィッシング!そしてファーストキャストの着水と同時に黒い影が下から突き上げるようにバイト♪

ガッツリアワせてファイトすると走りがおかしい?って言うより掛かった瞬間に根魚らしからぬ派手なジャンプ(汗)。とりあえず一気に距離を詰めてハンドランディング♪

外道のシーバス91cm(笑)

外道のシーバスが回遊しているということは間違いなくベイトも回遊している証拠。必然的に期待感は上がります♪

が、次に釣れたのもその次に釣れたのも外道のシーバス(汗)

80クラスでこのコンディション!ベイトをたらふく食べてますね♪

さて、こうなると流石に厄介です…。

ベイトはいるものの大型のフィッシュイーターがあまりにも多く回遊していると肝心なロックフィッシュは警戒して動き回らず物影でジッと身を隠してしまいます。

まぁ、魚の手ごたえも充分に堪能したのでここはさっさと移動。お次は少し大きく移動してまたホンダワラと昆布が共生するワンドへ。

ワームはベイトフィッシュパターンを意識してバークレイのバブルシャイナー♪ 今年の新作でボリュームもあり水を掻き回す系の強めのシャッドです。

キャストしボトムを取り高めのリフト&長めなフォールを繰り返していると、沖のブレイクラインのショルダーで「かん!」と弾くような明確な当たり♪

ベイトフィッシュパターンの場合、ヤル気のある魚からのコンタクトが多いのでこのような明確なバイトが多いのが特徴。

40センチクラスのヤル気満々なアイナメちゃん♪

バイトの割にはサイズはそれほどではなかったもののナイスコンディションのアイナメ♪

ベイトフィッシュパターンにハマる魚が釣れた場合、何本かは同じポイントで釣れる可能性が高いのでここから集中モード!次なるバイトを探し、フルキャストで沖のブレイクを攻め続けます。

リフト&ロングカーブフォールで丹念にトレースしていると…
「ずん!」
と押さえ込む吸引系のバイト♪

ベッコウバイトと確信!硬いベッコウの口を貫通させるためフルパワーフッキング!フッキングと同時になかなかの重量感が手元にきます。ここで並みのロッドでしたら力負けしてしまう場面ですが、モンスター用のロックスイーパーアニバーサリーモデルの992を使用していたので難なく海藻のジャングルを抜けてランディング~♪

見事なコンディションの50オーバーベッコウ
ベイトフィッシュパターン炸裂!

ベイトフィッシュをしっかり捕食しているためコンディションバッチリのビッグサイズ♪ベイトフィッシュパターンと強気のタックルセレクトが導き出した至高の1本です。

さて、その後は潮が下げてしまいすっかり周りは海藻のジャングル(汗)

こうなると逆にベイトフィッシュパターンは通用しなくなります。なので、今度は甲殻パターンで海藻のポケットを丹念に探る点の釣り。

海草のポケットにキャストしてボトムまで落とし込み、短めのリフト&フォールで探り、反応がなかったら次のポケットへ~

そしてポツポツと40クラスを拾い釣り。

甲殻パターンにはパルスクロー
今年発売のバブルクリーチャーもいい仕事してくれました♪

今回のようにベイトフィッシュパターンだけで押しきるのではなく、ケース バイ ケースでベイトフィッシュパターンと甲殻パターンを織り混ぜながら1日の釣りを組み立てていくといろんなシチュエーションに対応出来るようになるので、是非ベイトフィッシュパターンをマスターして今年の初夏のハイシーズンを楽しんで下さい♪

PROFILE:塩津 紀彦

磯ロックがブームになる以前から牡鹿の磯に通い、50UPベッコウ&アイナメを狙っていたロックフィッシュハンター。険しい、キツイ、危険の3Kを乗り越えながら、数々のモンスターを仕留めてきた。茨城県在住。チーム・ハンター所属。ピュア・フィッシング・ジャパン、サンライン、パズデザイン、がまかつ、ティクト フィールドテスター

 
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