釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

[連載]常笑upcoming fishing!☆第1回 東北の春マダイ事情

針生 秀一 2023年3月26日 更新

連載:針生秀一さん 第1回
※この記事は2013年5月にプレミアムメルマガで配信したものです。

マダイは全国の沖釣り人気No.1の釣魚。東北でも先駆けて釣られていた青森、秋田、山形、そしてひとつテンヤ釣法によって、仙台湾、さらには三陸沿岸まで対象として釣られるようになってきました。

今季もいよいよ乗っ込みシーズンイン!東北マダイ開幕の先鋒は日本海側で、山形の酒田、由良沖に青森の津軽、小泊沖といったエリアがポイントです。

春の時期は、イワシなどの群れに着いて捕食しているマダイを狙う展開になるので、広いレンジを探れてマッチザベイトにもなるメタルジグやタイラバ、インチク、ひとつテンヤで狙い、エビエサなら巻きテンヤといった釣り方が有効です。

タックルは、ジギング、タイラバなら6フィートくらいで2~3ozウエイト程度のジギングロッドやマダイラバージグロッドの他、意外に使えるのが、アンダー20号負荷程度で7:3調子のライトゲームロッドです。これに小型両軸リールという組み合わせ。

ひとつテンヤのタックルは、230cm前後でMH、Hという重めのテンヤ対応のロッドに、シマノで3000番、ダイワなら2500番サイズのスピニングリール。広いレンジを探り、入れ替えを頻繁に行うので、ハイギアタイプであれば、さらに良いでしょう。

ラインはPE0.8号前後を150mほど巻いておけば安心です。リーダーはフロロカーボンで5mくらい。道糸1号で3号、0.8号なら2.5号、0.6号には2号という設定。このバランスで、根掛かりしたときの道糸の高切れをある程度防げます。

リーダーの結束は摩擦系ノットで、FG、PR、MDなどが強度に優れて、よく知られているノットです。船上で短時間に結び直せるように習得するのがベスト。そのために使いやすい結束器もあります。これが風吹き揺れる船上で大きな助けになります。

私が使っているノットは、クリップや五円玉を使った長栄丸ノットと呼ばれる手法と、PEラインをダブルにしてクロスさせていく、MDノットと電車結びを組み合わせたような結びの二通りが主です。ネットで検索すると色々な方法がヒットするので、結びやすい方法を見つけてマスターしましょう。

メタルジグのセレクトは、タダ巻きでのスイミングアクションが良いもの。青森で定番となっているムーチョルチア(ヤマリア)など、ショアジギング向けのメタルジグに意外にマッチするものがあります。ムーチョルチアにはマダイカラーが数色あるほどで、実績の高さが証明されていますね。手ごろな価格も良いです。春の竜飛のヒットカラーはグリーンゴールド!これは必携でしょう。

基本の釣り方は、簡単にいえば、アクションをつけずに見切られないスピードのタダ巻きに要約されます。まぁ、ジギング、タイラバ、インチクなどのメソッドについては私のスキルが乏しいので、もっとタイムリーに詳細にガイドしてくれる方にお任せして、私はエビエサのひとつテンヤでの春先の攻略を解説します。

秋は底中心に狙うのに対して、春先は宙層全体を広く探ります。イワシなどの群れを追って、時として水深の半分以上まで浮いていることもあります。釣りの感覚としては、秋のタイは底で誘って食いつかせるという組み立てですが、春は追わせて食わせるイメージです。このようにベイトの群れに当てていく宙層釣りメインの状況では、巻きテンヤ釣法でラバースカートなどを組み合わせたハイブリットなテンヤも効果的です。

エビの刺し方は、まず尻尾を取って、孫バリを頭の付け根に刺してから、親バリの長さ分をまっすぐに押し刺して腹側に抜きます。春先のポイントは潮通しのよいところが主体になるので、投入したら潮、船の流れと道糸の出具合に注意します。そしてアナウンスされた水深と着底したときの道糸が出た長さに、どのぐらいの差があるかを把握しておきます。落とし込み途中で食ってくることもあり、そんな変化を感じたら、すかさず大きくアワせましょう。

底を取ったところから、ゆっくり一定速で巻き始めます。水深の半分、または指示ダナがあるときはその5m程度上までを目安に巻きながら誘います。このときに、把握していた道糸の差を計算に入れてタナを探れば、的確な食いダナを掴めるでしょう。

潮通しが良いので、すぐに道糸が斜めになります。ここでアタリに注意しながら巻き上げて回収。エサをチェックして投入し直します。このようなマメな入れ替えが重要で、潮の流れる場所で頻繁に入れ直すことで、横に広く、かつ上下にも探れるわけです。

このような釣り方が基本になるので、テンヤは重めでOK。底中心の釣りであれば、軽いテンヤでゆっくり落とし、タイに長く見せることが有効になるわけですが、宙層での巻き上げの誘いでは、タナを正確につかめる重さを優先したほうが良いです。

また、その途中でアタリを感じて掛けられなかった場合。次はちょっと軽いテンヤに替えて、ゆっくりの落とし込みに巻き上げを組み合わせて重点的にタナを狙い撃つというのも良策です。

巻き上げながらアタリを感じたら、そこで止めずに巻き続けまず。どんどん増幅してきてググッと持ち込まれたところで竿を立て、追いアワセで硬いマダイの口に深くハリを掛けます。大ダイの確率高い春、落ち着いてヤリトリしましょう。

やりとりではドラグの設定が重要で、リーダーが2.5号なら1kgが目安です。これは1リットルのペットボトルを袋に入れて、ひとつテンヤタックルで持ち上げてドラグが滑り始めるあたりの設定です。私も根掛かりした際にドラグを締めたことを忘れていて大ダイがヒット。あわてて緩めてバラしたことがあります。ドラグの設定には常時注意を配りましょう。

この緩めの設定であれば、竿を水平より上に構えてリールを巻き続ければよく、3kg以上の大ダイでは一気に10m以上糸が出されることもありますが、あわてずに竿を立ててリールを巻き続けることが取り込みのコツです。

新潟方面で好釣果も出始めて、いよいよ春ダイのシーズンイン。春の海に出かけましょう!

春は大ダイゲットのチャンス!これは今年2月、千葉県勝浦興津沖にて。イワシの群れを狙い撃ち、ひとつテンヤで獲った84cm、6.9kgの大ダイ。
【千葉・勝浦興津港 庄之助丸(047-076-0510)】
ここは民宿併営で、丁寧な対応、美味な海鮮料理、秋葉庄之助船長のピンポイントを狙い撃つ流しで、遠征にオススメです
GW前には青森津軽半島もシーズンイン。昨シーズンは平舘周辺で好釣果が続きました。これはマダイラバージグで67cm、3.6kg。
【青森・浜名漁港 HANAMARUⅡ(090-8786-7959)】
竜飛周辺の旬なポイントに山崎船長が導いてくれます
メタルジグ、マダイラバージグとインチクに、ひとつテンヤとスプーン、ブラーなどが東北の春マダイの選択肢。初夏になれば、これにコマセ釣り、アオイソメエサの横流し、夜の電気釣りが加わります。そしてスロージギングもマダイには実績あり。さて、どれで釣りましょうか!?
エビエサは真っ直ぐに刺しましょう
高根の上に湧くイワシの群れ。春はこんなところがマダイのポイント。この根をかわした落ち込みで大ダイが掛かってきました。ボトムから10mくらい上でした
巻きテンヤ釣法は重めの選択でOK。竜飛、由良沖なら水深50mで12~20号くらいを主体に使います。これより軽いテンヤも持参して、食いダナを落とし込みで狙い撃つというのも良策です。ラバースカートなどを組み合わせたテンヤも効果抜群です。タックルボックスに忍ばせておきましょう

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簡単にできるリーダーの結び方!

覚えやすいリーダーの結び方を紹介します。電車結びを応用した摩擦系ノットです。使用ラインはPE0.8号にフロロカーボン2.5号
ノット手順1:フロロラインに2度回しで輪を作り、PEをふたつ折りにして通します
ノット手順2:フロロラインにPE側を10回ほど巻きつけます
ノット手順3:PEを巻きつけた端を指でしっかり押さえて折り返し、重ねるように10回巻きつけて、フロロラインの輪に通します
ノット手順4:電車結びの要領で、ゆっくり互いに引きながら締め込みます。このときにPE側の結びが均一に重なるように指で均して締めるのがコツ。PEの色が変わるくらい締め込み、フロロカーボンラインの結び目から4回ほど編みつけて結び、余りの糸をカットして終了です
マダイに加えて、多彩なゲストも東北マダイの魅力。これは6月の津軽竜飛・HANAMARUⅡにて、良型オニカサゴも交じって楽しい釣行でした
東北太平洋側でもポイント開拓が進み、春にも狙いを定めて出船です。新しい釣りの開拓に力を入れる「東北丸」寺島翔平船長。昨年はGWから出船開始。開幕当初はアイナメ、ソイの根魚が楽しませてくれます。
岩手三陸でもマダイを狙ってポイント開拓、様々な釣法が試されています。定置網にはマダイが入り、ジギングでマダイがヒットしています。昨年6月に越喜来湾「荒神丸」にて試釣したときもタイラバでマダイらしきバラシが一回ありました。ここは根魚の宝庫。一緒に釣行した亘理「拓洋丸」箕笹船長のテンヤに50cmのアイナメ。今年もマダイ試し釣り、行きますよぉ!

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PROFILE:針生 秀一

船釣りを中心に、防波堤や河川の小物釣りなど、なんでもこなすオールラウンダー釣り師。全国各地の釣りと釣り具の知識が豊富で、釣りの生き字引的存在。泉区のロックバーラグ(Rag)オーナー。シマノフィールドモニター

※取材テキスト・写真提供/針生秀一

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