釣行記

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[連載]常笑upcoming fishing!☆第7回 冬のカレイ釣りの思いで

針生 秀一 2023年4月6日 更新

連載:針生秀一さん 第7回 冬のカレイ釣りの思いで
※この記事は2013年12月にプレミアムメルマガで配信したものです。

以前はカレイのオフシーズンであった冬場ですが、現在は冬ならではの釣り方が確立されてきて、寒さを忘れて集中できる面白い時期でもあります。

かつてはオフシーズンといわれた冬場。カレイマニアの釣り人は、そのなかでも少ない情報を頼りに、カレイを追い求めて釣り歩きました。そんな経験から現在に至って、次の釣行計画を練るときには、そのポイント、釣り方を思い出し、今の状況と照らし合わせて釣行を考えてみることもあります。今回は私が経験したなかから、印象深く忘れられない釣り、ポイントについて記してみます。

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カレイ五目並べが達成できるのが三陸沿岸。左からヒガレイ、ナメタガレイ、イシガレイ、ミギガレイ、マコガレイ


2月後半からは志津川湾のカレイ釣りがスタート。深場で誘い、微妙なアタリを取って掛ける釣趣は抜群!

ポイントが点在する仙台湾

まずは初冬に衝撃的だった釣りが、仙台空港前から閖上にかけてのイシガレイ。仙台湾のマガレイが冷水塊の影響で不調だった平成のはじめころでした。水深10~20mで掛かる40~60cmの大型イシガレイの引き込みは強烈で、これが一人50枚なんて釣れたときもあって、貝掘りのマンガン引きの後を狙って塩釜、七ヶ浜、閖上から釣り船が並びました。この大釣りは平成4年ころまで続いた記憶があります。

これが徐々にというより急に下降したのです。平成10年くらいまでは、かつての大釣りを忘れられない釣り人からのリクエストや、強風で沖に行けないときなどに狙う船もポツポツあったのですが、沖合のマガレイが復活してくるにつれて、釣り人の話題にも上がらなくなりました。私も何度か友人のボートなどで狙ってみたのですが、型を見る程度でした。しかし仙台湾の海岸線のどこかで、産卵前後に浅場に集結している場所はあると思われます。

冬の大型イシガレイといえば金華山瀬戸。電線下の水深10m前後の浅場でくる50~60cm級の引き込みは衝撃でした。まず11~12月から出始めて、これが産卵行動か何かでパッタリと釣れなくなり、2月ころから突然に大型ラッシュになるのです。これが5月のゴールデンウィーク前後まで続き、また走り去るように釣れなくなるのです。

大釣りしたときに、釣れたイシガレイの胃袋からメロウドがたくさん出てくるので、産卵前後に瀬戸の砂地に沸くメロウドを捕食しに集まってくるのでしょう。これがマダイ釣りのように潮に左右され、船中スコンクの翌日に40cm以上のイシガレイが一艘4人で40枚ということがあったりするのです。

これを船長から聞いて勇んで出船。しかし10時ころまで全くアタリなし…エサのホタテの稚貝を船長が用意してくれた七輪で焼いて食って、半ばあきらめモードでした。これが突然に当たり出してきて、友人には69cmのランカーサイズのイシガレイが釣れてきて放心状態。これで殺気が消えたのか、次は40cm級イシガレイのトリプルまで達成しました。

40cm以上のトリプルというのは、このとき以来、見たことがないです。私も53cm、59cmを連続で釣りましたが、もう圧倒されましたね。これが昼前にピッタリ食いが止まって沖揚がり。釣れた時間は2時間ほどで、4人で40cm以上のイシガレイを46枚という釣果でした。こんな釣りが忘れられず、冬の早朝の凍て付いた道を鮫ノ浦港まで通ったものです。

仕掛けは潮通しがよいところなので、全長100cmくらいの3本バリ。ハリは丸セイゴ15号にハリス5号。オモリは25~30号という仕様。エサはアサリ、ホッキにホタテの稚貝が抜群。つまり、これらの貝類が市場に出回り始めるころがベストシーズンなのです。

そして4月頃になると、大型のハダガレイ(ホシガレイ)が釣れてくることも多くなります。最高級のカレイを釣る絶好のチャンスが訪れます。イシ不調のときに新山、黒崎のマコガレイを釣ることも考えるなら、アオイソメに通常のカレイ流し釣り仕掛けも用意しておきましょう。

これを狙うようになったのは、かつて女川からのヒラメ釣りといえば金華山瀬戸がポピュラーなポイントで、イワシの泳がせに大物イシガレイが釣れてくることがきっかけになったという話を船長から聞きました。鮫ノ浦、新山港の釣り船が復旧再開していれば、また出かけてみたいですね。

冬にもっとも釣りたいカレイといえばナメタガレイですね。仙台湾でもポイント開拓が進んで、大型乗合船で手軽に狙えるようになりました。ナメタの本場、三陸沿岸に青森三沢沖、下北半島周辺もロマン溢れる好ポイントです。


冬のカレイ人気ナンバーワンはナメタガレイ

南三陸志津川湾は釣り船の再開が進んで、12月はマコガレイとともに年越しナメタを釣るチャンスです。そして大船渡越喜来湾も冬のナメタ狙いが盛んなところ、以前に首崎で釣れた70cmという大ナメタの現物を見たことがあります。

越喜来の各港出船で狙う代表的なポイントが、首崎沖の吉浜側の定置網周辺です。ここは、かかり釣りでじっくり釣ることもできます。60~80mの深場なので小型電動リールの使用もよいでしょう。ここの冬カレイ釣りの楽しみは、ヒガレイ(ムシガレイ)の数釣りもありますが、各種のカレイが釣れてくること。マコガレイ、マガレイ、ナメタガレイ、ヒガレイ、ソウハチガレイ、ミギガレイ、ホンダガレイ、アカガレイに、北里大学前の40mダチや吉浜の根白前などではイシガレイ、マツカワガレイも釣れてきます。こんな多種のカレイが釣れるポイントが岩手三陸なのです。カレイの五目並べ達成がかないますよ。

冬のカレイ釣りで面白い越喜来湾、首崎沖。この岸寄りで水深80mあります
ヒガレイ(ムシガレイ)の数釣りができるところです
首崎沖で釣れた40cmの大型ヒガレイ

そういえば気仙沼本吉、蔵内港からの小泉湾も面白い釣り場だったなぁ~。あの50cmマコガレイ連発は凄かった!これを記していたら、次々と思い出してきましたよ、これはキリなくなるのでまた次回に。印象深い冬のカレイ釣り、みなさんも出かけてみましょう!

気仙沼本吉、小泉湾で大型マコガレイ揃いの大釣り!


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PROFILE:針生 秀一

船釣りを中心に、防波堤や河川の小物釣りなど、なんでもこなすオールラウンダー釣り師。全国各地の釣りと釣り具の知識が豊富で、釣りの生き字引的存在。泉区のロックバーラグ(Rag)オーナー。シマノフィールドモニター

 

※取材テキスト・写真提供/針生秀一

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