[連載]常笑upcoming fishing!☆第8回 サビキにこだわる仙台湾クロメバル!
連載:針生秀一さん 第8回 サビキにこだわる仙台湾クロメバル!
※この記事は2014年1月にプレミアムメルマガで配信したものです。
年明けとなれば仙台湾はクロメバル釣りの盛期に入ります。仙台平野から続く、フラットでなだらかな傾斜の砂泥底のなかに、岩礁、人工漁礁が点在しており、そこには通年メバルの魚影を確認できます。
釣り人のあいだでは、総称してクロメバルと呼ばれていますが、近年にクロ、シロ、アカの3種類に分類されましたね。仙台湾では正式名称シロメバルが多く、その魚影は抜群です。特に冬から春は群れが大きく固まって、よい人で3桁の釣果が普通に出ます。メバルのアタリは強く明確で釣りごたえは抜群。食味も良く、冬から早春の人気ナンバーワン釣り物に躍り出ます。
仙台湾ではサビキ釣りが主流で、ハリ数パーフェクトの満貫達成を狙う多点掛けのテクニック、サビキの選択で差が付きます。必携の定番サビキと、通常はパッとしないが、ある状況になると突然に大アタリを出すサビキなど、どのサビキが釣れるか、そのときの海況を判断しての使い分けが釣果の決め手。サビキの釣法も幾多の段階を経て、今の釣り方に進歩してきたのです。
思い起こせば平成のはじめころ、当時にまとめ買いして使っていたのが、ハヤブサ社の「イサキアジ・SS506」シリーズでした。このサビキによって、私はメバルサビキ選択の基本が掴めてきたのです。
これは当時の、標準ハリス2号15cmのサビキにくらべて、ハリスが20cmで1.5号もあり、この仕様が有効に働くことを第一に知りました。
SS506シリーズにはハモ、サバ、ハゲ皮など各種揃っていましたが、中でも安定して釣れたのが「SS506B・サメ腸皮」だったのです。これの仕様を基本に、水色、潮の流れなどを考えて、皮の判断をつけられるようになってきたのです。
このサメ腸皮に黒毛を入れたものを最初に見たのは、たしか北陸仕様のメバルサビキだったと思います。ハリスが短かったので半信半疑で使ってみたら、これがよく釣れて、のちに東北メバル仕様として、20cmのハリスにクロスビーズ接続となってリリースされてきました。特に冬、春は、この黒毛の適度なアピールが効果的に働く場面が多く、現在もサメ腸黒毛が私のパイロットアイテムで、これから始めて反応を見ます。
ハモ皮、サバ皮、ハゲ皮など白系は、雪代の入る前の澄み潮や、浅場を釣るときに当たる場面が多く、これが捕食しているベイトにマッチするときもあって、これも持っておきたいものです。
最近は取り組む船が少なくなりましたが、松島湾外の大根などでの6~7月の梅雨メバルには、サバ、ハゲ皮のフラッシャーが効きました。そういえば、なかなか見かけないサビキですが、雷魚皮フラッシャーが、このポイントで大当たりしたことがありました。これが岩礁帯の上に沸いていたイカナゴにマッチしたのです。宮城の海で20年以上メバル釣りに打ち込んでいるベテランなら、これを覚えている方は多いと思います。
そして雪代水や親潮の勢力が強くなってくると良くなってくるのが緑サバ皮、緑ハゲ皮です。これは植物性プランクトンが豊富な親潮の潮色によるものでしょう。これは女川方面での定番、土佐カブラがよく知られていますね。
そんな雪代の2~3月に当たったサビキに、まるふじ社の「夜光エサパイプ」がありました。これは夜光のタコベイトに白フラッシャーという仕様。これで当たったときは、隣のハリス1.5号より、エサパイプでハリス3号の私に次々とアタり、選ぶように釣れてきたのです。もう廃番で見かけませんが、ヤマシタ、ヨーヅリなどでメバルベイトなどの商品名で細身のベイトが出されているので、フラッシャーなどと組み合わせて自作できます。コッソリ持っていくと良い思いが出来るでしょう。
ナマズ皮は深場の定番ですが、これにグリーンやピンク、茶金のフラッシャーを組み合わせたものが亘理沖で大当たりすることもあり、そちらに釣行の際はタックルボックスに忍ばせておきたいサビキです。
自作するなら白、黄色のウィリーや、シャミ皮なども良いアイテム。シャミ皮をよく見れば、最近流行のケイムラですね。昨年はマムシ皮で良く釣っていた方とも同船しましたよ。メバル皮にアイナメ皮も釣れました。あとは荷造りのビニールロープや薄茶、白のコンビニのビニール袋も実績が高いです。自作サビキで釣れたときの喜びは格別ですね。
選択の目安として、メバルは薄茶系の皮を好むので、サメ腸皮系はどの時期にも安定した釣果で外せない物です。近年の定番、サバ皮醤油漬けも、サバ皮の光沢を生かして薄茶色に染めたもので、その効果は抜群ですね。これにも赤や金フラッシャーなど各種あります。あとはコーヒー漬け、ニンニク漬けなど同様な狙いのサビキがリリースされています。これを自分の判断で使い分けてみるのが面白いところです。これで釣りの引き出しが増やせますよ。
ハリスの号数は1.5号標準で1.2号も持っておきましょう。メバルは警戒心の強い魚で細いハリスが良いとされていますが、根ズレや絡みなどでトラブルも多くなります。かつての標準2号のハリスでも変わらず釣れることもあり、むしろトラブルなく釣果がのびることも。
ハリスの長さは20cm標準で、サビキのみで釣っているときにはこの長さが適当です。接続はクロスビーズがトラブル減らし、ハリスの交換も容易で使いやすいですが、潮が止まったようなときは、直結で食いが復活することもあります。両方持参するのがベストですね。
サビキ+エサの組み合わせで良型が揃う時は2~3号のハリスで25~30cmくらいの設定が良いです。接続はクロスビーズを選びましょう。
釣り方を順に説明していくと、まずキーパーにセットしてサビキを取り付け、上バリから順に船べりの外へ伸ばしていきます。エサを付けるときも上バリから付け外に出していき、最後にオモリを掴み投入の合図を待ちます。
合図と同時にオモリを投入。軽くサミングしてバックラッシュを防ぎます。この時期は特に漁礁などの起伏の大きいポイントを釣ることが多いので、着底したら即座にクラッチを返し、竿先を水平よりやや上に向けて底を切ります。この時カウンターや糸の色で底を確かめておき、次からはそれより下げないように注意します。
着底と同時にアタリが出ることも多いので、ビックリあわせなどしませんように。アタリが無い時は竿をゆっくり上げ、リールを巻いて底から上に探ります。この時うねりを計算して竿を操作して、サビキが急な上下をしないようにします。船の流し方と呼吸を合わせるようにタナを取り直し、このリフト&フォールの操作で反射食いを誘うのです。
アタリが出ないのを不安になって、オモリを底まで落とすことは勧めません。メバルは受け口なので、目線より上のエサを注目しています。根掛かり覚悟でベタ底を狙うのは、ハイリスクローリターンで良くはないですよ。
アタリが出たら竿を水平に保ち追い食いさせます。メバル釣りはこの強信が釣り人を夢中にさせるのです。群れているのでハリ数分掛けるようイメージして、アタリが収まったら少しリールを巻き、タナを少し上げる感じで待ちます。効率よく追い食いさせるには、掛かったメバルを微妙なたるませで泳がせ、サビキを動かすのが効果的です。慣れてくればアタリの匹数も数えられるようになります。あとはゆっくり巻き上げ、船上に重ならないように取り込みます。
キーパーにセットして魚を上バリから外し、エサを付けたハリなら付け直して船べりから出して行き、最後にオモリを持って投入します。これが一連の基本の釣り方で、これがスムーズにこなせるように落ち着いてやれれば良いのです。
特に難しくはないので、あせらず確実にこなしていくようにしましょう。経験を積めば、根の起伏、船の流し方の感じも掴めるようになり、追い食いのテクニック、反射食いの誘い、下バリから食った時の送り込みなど、サビキメバル釣りの面白さと奥深さを知ってくるでしょう。
この冬もクロメバル釣りを楽しみに行きましょう!
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※取材テキスト・写真提供/針生秀一