釣行記

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[連載]常笑upcoming fishing!☆第21回 防波堤チカ釣りガイド(1)サビキ編

針生 秀一 2023年4月10日 更新

プレミアム連載:針生秀一さん 第21回 防波堤チカ釣りガイド(1)サビキ編
※この記事は2015年1月にプレミアムメルマガで配信したものです。

東北の冬の堤防、岸壁では釣り物が極端に少なくなりますね。チカ釣りは、そんな冬がピークとなり、足場の良い港内がポイントで、ファミリー、ビギナーからマニアまで手軽なタックルで楽しむことができます。

震災被害で竿を出せる釣り場が少なかったのですが、復旧が進んできて入れる港が増えてきました。北西の季節風が弱まる穏やかな休日には、三陸海岸の港へチカ釣りを楽しみにいきましょう。

釣り方はサビキ釣り、ウキ釣り、ミャク釣りなどがあります。まずはサビキ釣りからガイドします。

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竿下に寄せつつ満腹にさせないコマセワークがキモ!

竿は2~3mほどの万能竿といわれるノベ竿を使います。9尺2.7mが扱いやすい長さでベストです。グラス製が適度なクッションが効いてハリ掛かりもよく、値段も手頃です。道糸はナイロンの1.5号前後を用意しましょう。それにコマセバケツ3~5Lにコマセシャクミニ、水汲みバケツ、魚を入れるクーラー、あとは防寒対策をお忘れなく。

まず現場で竿を伸ばして道糸を竿先に結びます。次にサビキ仕掛けを出して、サビキのオモリ位置が竿尻から20cm上になるように道糸の長さを決めてサビキに繋ぎます。接続は直結、もしくはスナップサルカンを使ってもOKです。この位置にセットすることで振り込み、取り込みが楽になり手返しが良くなります。

サビキは定番のピンクのスキンサビキを始め、ウィリーにサバ皮、ハゲ皮などの魚皮系まで各種あります。  ピンクスキンはコマセにマッチして安定して釣れる実績のサビキ。メーカーによってハリが金と赤がありますが、朝夕や曇りのときは金バリ、明るい日中は赤バリが良く、これを使い分けの目安にすると良いでしょう。ハリの号数は3号が標準です。

魚皮サビキがマッチするのはシーズン後半や初期の秋口など、水色、水温の変わり目で捕食行動に変化が見られるときに多いようです。ウィリーサビキも同じくで、これを使うときは特にアクションを入れることが肝です。撒いたコマセに同調させるように投入して、サビキを泳がすように引く、またはフワッと上下に動かすという誘いをすると良いでしょう。

パニック仕掛けというハリ間が短く、沢山のフラッシャー付き枝バリが結ばれている仕掛けがあります(オーナーばりの「ハイパーパニック」など)。プランクトンイーターの小魚をターゲットにしているのでコマセなしで釣ることもできます。これは細糸仕様でハリ数が多いので絡み、仕掛け切れに注意して扱いましょう。オプションとして裏技的に面白く使えますよ。

スキン、皮のないトリック仕掛けも良いアイテムです。まるふじ社のトリック仕掛けにはハリがV型の「トリックエース」とハリが孫親仕様の「改良トリック」があります。チカには改良トリックのほうがオススメで2.5~3号を使います。チモトが夜光と朱塗りがあります。チカはタナが浅いので朱が定番ですが、強風時などの船影、船下の狙いでは夜光が効くことも。

トリックはスピードエサ付け器を併用してアミエビをハリに刺して釣ります。コマセに同調させるタナ取りが基本ですが、エサが付いているので多少ズレてもエサによってカバーされる、サビキに食い渋るときの打開策になるのです。

チカは波静かな港内を回遊しています。釣るポイントは船だまりや漁港のコーナーです。風が強いときは船影の岸壁際を泳いでいることもあります。これをコマセで寄せて釣ります。

コマセは冷凍アミ、いわゆるイサダブロックです。まずバケツに海水を汲んでブロックを入れて溶かします。溶けた部分をコマセ杓で落とし、これをかき混ぜます。ブロックをバケツから出してこのアミエキスを使うのです。これだけでチカを寄せることができます。粉末のアミコマセなどを溶かして使うのも良いでしょう、これなら保存も簡単です。アミエビのドカ撒きはチカが飽食してしまう原因になるのでオススメしません。

はじめにチカを呼び込むように広く散らして撒きます。キラリとチカの魚影が見えたら、自分の前に集中して撒きます。チカは表層を泳いでいるので見釣りができます。チカの進行方向を見てコマセを撒き、そのコマセが流れる先にサビキを入れてコマセの中にサビキを同調させます。

潮上にサビキを振り込んで、竿下に真っ直ぐ戻る間に食いつかせるのが効率よい釣り方です。これで食いつかないときは進行方向の沖目に入れ直してサビキをスライドフォールさせるのが良いです。コマセを切らさず群れを離さないようにしましょう。

アワセはアタリを感じたら軽く竿を立てる感じで、向こうアワセで掛かったチカを追いアワセするようにスーッと竿に乗せるのが良いです。強いアワセは必要ありません。群れる魚なのでバラシが多いと群れが散りやすく、サビキが見切られる原因にもなるので、確実に掛けて取り込むことが大事です。

気軽にチカのサビキ釣りを楽しみに行きましょう。次回はミャク釣り、ウキ釣りについて説明してみます。

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PROFILE:針生 秀一

船釣りを中心に、防波堤や河川の小物釣りなど、なんでもこなすオールラウンダー釣り師。全国各地の釣りと釣り具の知識が豊富で、釣りの生き字引的存在。泉区のロックバーラグ(Rag)オーナー。シマノフィールドモニター

※取材テキスト・写真提供/針生秀一

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