釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

[連載]常笑upcoming fishing!☆第23回 三陸のマスジギング[越喜来湾のサクラマス]

針生 秀一 2023年4月10日 更新

プレミアム連載:針生秀一さん 第23回 三陸のマスジギング
※この記事は2015年3月にプレミアムメルマガで配信したものです。

長かった冬も終わって、いよいよ春です。まだ海は水温が最も低い時期ですが、ここから口開け、スタートとなる釣り物が多いですね。

本来なら定番の釣り物からガイドしていくところですが、今回はマスジギングとのミッション。それはワシの守備範囲外ではないか?とりあえずジギングは20年以上やっていますが、実を言えば好んで取り組んでいるわけではなく年に数回やるくらい。もっと詳しく説明できる人が居るでしょうと拒否したのですが、エサ釣り師的な観点と取り組みから説明して欲しいとのこと。まぁ、そんな視点からのガイドというか私の経験と考えを、少々カタカナの用語が多くなりますが、三陸マスジギングを中心に記してみます。ジギング経験豊富な方々からはクレームが入りそうですが、笑って読み流してください。

ジギングに関してはカタカナの意味不明な用語が多く、高級タックルで、といった敷居の高いイメージを持つ釣り人も多いですね。まずはブランド、ハイスペックから、という方はタックルからそろえていく楽しみもありますが、最近は仙台湾ワラサジギングの広まりなどもあって、より気軽に取り組めるようになってきました。私はエサ釣りで使っているロッド、リールをジギングにも流用しています。何でも使えるものでやってみましょうというスタイルです。

年末に釣り道具を整理していたとき、懐かしきシェイクスピアとジャクソン・ケイロンホットスタッフのジギングロッドが出てきました。20年くらい前、仙台湾でもオフショアジギングが始まってきて、レッドのEVAグリップにホワイトのブランクスの「ケイロン」に、シェイクスピアの「アグリースティック」なんかが素敵で憧れて購入、ずっと使っていました。そう!コレを持って下北半島のマスジギングにいったのですよ。あれはシマノ探見丸ニューリリース当時ですから10年位前ですか。サクラマスが釣れたジグは「P・BOY」と「ブランカ」だった。どうやってサクラマスがヒットしたかよりも、マイナス4℃で寒かったのと帰路のアイスバーンの運転が怖かったことを思い出しました…。

下北周辺は本州随一のサクラマスポイント。小型のものはカラフトマスも多い
[PR]

岩手沿岸でマスジギング浸透中!

それから何度か下北釣行を計画しましたが、海況悪く出船できず。それでマスジギングの感触を忘れかけていたのですが、近年は重茂や越喜来、吉浜などの三陸沿岸でもマスジギングに取り組む船が出て、注目されています。春の三陸ではサクラマスメインにオオメマス(いわゆるトキシラズ)やスケマス(キングサーモン)といったプレミアムなマスがヒットすることも。

基本的に使えるロッドはライトジギングのスピニングとベイトロッド。仙台湾のサバ、イナダや青森、山形でのマダイジギングのロッドでも良いでしょう。120gまでのジグならこれでなんとかなります。

昨年は万能竿として愛用しているライトゲームロッドでも三陸マスジギングをやりました。シマノの「ライトゲームBB190H」です。それとタイラバで使っているベイトロッドも流用しています。180gなんてジグでもこれで操作できます。

リールはドラグ性能の良いスピニング、両軸リール。PE1~1.5号を200m巻けるサイズです。シーバス、ひとつテンヤ、タイラバ、そしてサバ、イナダのライトジギングで使っているものを流用できます。フォールのバイトにはベイトタイプのほうが対応しやすいですね。リーダーはフロロカーボン5号前後を5mというのが標準でしょうか。

使うジグのウエイトは60~100gをメインに、越喜来湾首崎沖の100mダチでは180gまで使いました。下北ではバーティカルジグの定番、ダイワ「ファントム」に「P・BOYバーティカル」、デュエル「ブランカ」など長年の実績があるジグに釣れていたので、三陸でもこれを基本に選びました。昨シーズンはスローピッチ用のジグにもヒットしていましたね。

マダイ用のジグも良いでしょう。マダイは高比重でシルエットが小さいジグ(タングステン素材など)に高実績ですが、マスにはシルエットが大きめのほうがアピールでバイトを多く呼び込めるようです。メロウドを捕食していることもあり、それで人気のロングジグ、スミスの「CBマサムネ」なんかも面白そうです。まずはセミロングぐらいのセンターウェイトなんかが、特にマッチすると思います。カラーはシルバーベースのレッド、ブルー系、ゴールドベースのレッド、グリーンなどを基本に選んでみてください。

使うジグはセミロング系、ロング系にスローピッチ系までいろいろ
シマノ(SHIMANO)
年々広がりを見せるライトゲームの世界へと、より多くの釣り師をいざなうベーシックモデル
ダイワ
メタルジグの代名詞とも言えるダイワSWルアー史上屈指のベストセラー
スミス(SMITH LTD)
スロージギング対応、センターバランスメタルジグ
ジャクソン
ベイエリアのスレたシーバスを高確率に獲る為のロッド。

フックセッティングはフロント、リアともにツインアシストが良いでしょうね。フロントにツインだけでも良いですが、マス類は捕食パターンが色々でバラシが多く、リアフックに救われることもあるのです。東京湾のシーバスジギングでも、フロントアシストがシングルでリアにダブルというセッティングが見られます。

フックのPEハリスをフロント、リアでジグ全体をカバーする長さにするとフッキング率は上がるようです。しかしテーリングなどのトラブルを無くしたい、フックセットによってジグのバランスを崩したくないという方は、フロントフックのみでどうぞ。

釣り方はスローなワンピッチジャーク、タダ巻き、そしてフワーとジグを横にするようなハーフピッチジャークなど。つまりひとシャクリ一回転、または半回転ハンドル巻き。ジグを止めると見切られるので、ゆるくでも動かし続けることが大切でしょうか。スロー専用ジグで、船の流し、潮流れにまかせるように泳がせるだけの、ほっとけメソッドにもヒットしていました。ただ、青物のときのように速く動かし続けるのは良くないみたいですね。落とし込みのスライドフォールも有効なので、マメに入れ替えましょう。

ヒットレンジ、つまりタナは広く、けっこう長くジグを追ってきて、回収のときに水面まで追ってきて反転していく場面も見ました。こんなとき即座に八の字メソッドなんかを繰り出せれば、ジグにアタックしてくるかも知れません。

アタリはコツコツときてガツンと持っていくものから、フォールが止められリール巻いて竿を立てたらドン!とか、巻いていて一発でズン!など様々ですね。

竿を立てて追いアワセ、しっかりフッキングさせます。巻き上げてくるとき、マスは泳ぎ上がってきたりもするので、竿とリール操作でテンションを保ちましょう。結構フックアウト、ハリ外れのバラシが多いです。特にタモ取りは慎重に、マスの頭を水面から出さないようにタモに導きましょう。

ジギング経験豊富な釣り人をマスジギングに連れて行くと、意外に釣果を呼び込めないことがあります。手馴れたショートピッチなどの青物のメソッドではバイトを呼び込めず、それでジギング経験が少ない釣り人のほうにマスがヒットすることも多い。私なんかはマダイジギング、ひとつテンヤのキャスト全層巻き感覚でゆるくやっています。渓流釣りの石化けのように、殺気を消すとマスを呼び込めるのかもしれないですね。これから5月までマスジギングが面白くなります。ゆる~く、レイドバックして取り組んでみませんか。

越喜来湾の荒神丸の釣果
三陸のサクラマスシーズンはこれから

◆記事に書けない裏話や質問への回答は無料メルマガ(毎月25日発行)で配信中!

PROFILE:針生 秀一

船釣りを中心に、防波堤や河川の小物釣りなど、なんでもこなすオールラウンダー釣り師。全国各地の釣りと釣り具の知識が豊富で、釣りの生き字引的存在。泉区のロックバーラグ(Rag)オーナー。シマノフィールドモニター

※テキスト・写真提供/針生秀一

[PR]
Amazon堤防Amazon堤防釣り初心者

関連カテゴリ