釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

石巻周辺 投げカレイパラダイス

編集部 2020年11月19日 更新

石巻~牡鹿半島~女川にかけての一帯は、全国有数の大物実績を誇る、投げカレイの人気釣り場。秋のハイシーズンには、50、60をオーバーするような会心のイチ枚を上げるべく、日本全国から腕自慢のキャスター達が集まってくる。

投げカレイ天国は主都・渡波港を中心に展開

渡波防波堤(渡波港・西防波堤)。上)先端の白灯台から写真のカーブ付近までが最も実績の高いポイント。中)鉄板が敷いてあるテトラ帯の周辺からは流芯を狙えるが、仕掛けを流されやすく、根掛かりもある。下)港内の水路部分は流れが速く、干満に合わせて流しながらの釣りになる(所々根掛かりスポットあり)。港外の長浜側も有望だが、足下にテトラが敷かれているので注意が必要(防波堤付け根付近はテトラが低く、比較的狙いやすい)

石巻、牡鹿、雄勝地域は、岸から大型カレイを狙うのに絶好のポイントが連なり、大物狙いの投げ釣り師なら垂涎のエリアだ。大物登録システムのある全日本サーフキャスティング連盟の記録だと、渡波港のイシガレイ68.2cm、寄磯港のマコガレイ61.2cm、同じく寄磯港のホシガレイ61.8cmなど、いずれの魚種も60オーバーの超大物が上がっている。

これだけの実績ポイント、注目するのは地元の投げ釣り師だけにとどまらず、10月、11月のハイシーズンは他地域から遠征してくるキャスターも多い。取材を行った10月10日は全日本サーフ宮城協会のカレイ釣り大会が行われ、関東、関西の実力派キャスターも多数集結した。

石巻周辺でも人気ナンバー1、抜群の安定感を誇るのが渡波港だ。例年、この時期には50~60cm超のイシガレイが連日のように上がり、マコガレイ、アイナメの50オーバーも期待できる。ただ、万石浦の入り口の水路を利用して造られた港のため、潮の干満に伴う潮流が速く、万石浦から流れ出たアマモなどのゴミも多い、釣り人泣かせの釣り場としても知られる。

渡波防波堤の白灯台付近で釣り上げられた44.7cmのイシガレイ。釣り人は羽衣サーフ(千葉協会)の関さん
白灯台付近に陣取った千葉サーフの坂井さん達は竿掛けをほとんど使わずに、手持ち竿で狙っていた。この日、同ポイント周辺はゴミ(アマモなど)が非常に多く、複数の竿を出しては、とても釣りにならない状況
 
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高水温の影響は大きく、未だシーズン序盤

佐須浜南防波堤。上)赤灯台のある防波堤先端部は渡波防波堤の白灯台のちょうど向かい側にあたり、マコガレイやアイナメの実績ポイント。下)防波堤の周辺は砂地に根が点在し、カレイ、アイナメともに有望

前日までの強い雨は明け方までに止み、日中は時々晴れ間も出る好天に恵まれた。だが、渡波港は雨の影響により、普段からただでさえ多いゴミがいつも以上に大流出。さらに大潮と重なったため、激流&ゴミの厳しい条件となった。石巻周辺地域は渡波以外にも実績ポイントがあるので、投げ釣り大会参加者の中には、女川港や寄磯港など他の釣り場に回避した人が多かったようだ。

そのような状況にもかかわらず、渡波防波堤の白灯台周辺では、優勝した44.7cmと2位39.8cmの上位2枚が釣り上げられた。これら2枚を釣った千葉協会の関さん、坂井さんによると、雨の影響によるゴミ掛かりが凄まじかったので、竿はそれぞれ1本ずつ。カレイは港口の大きなゴミ溜まりの周辺に集まっていて、潮の満ち引きと共に食いが立ったそうだ。

大会結果から一帯の釣果をまとめると、渡波防波堤、佐須浜防波堤、長浜(渡波港と石巻漁港の間)、女川港、寄磯漁港ともに、30~40cmのカレイ、アイナメ中心だった。牡鹿周辺の情報に詳しい津田釣具店でお話を伺ったところ、今季の異常な高水温も影響して、釣期はかなり遅れている模様。「いつもの年だと、10月の上旬には渡波で50オーバーが何枚か出ていてもいいはずなんですが、今年は最大でも48cm前後です。30~40cmの中型の数も少なめなので、まだまだシーズンのハシリという感じがしますよ」。渡波で50~60cmが1枚出るとシーズンインのサインで、その後、11月頃がベストシーズンになるのでは?とのことだった。

佐須浜防波堤の先端で釣っていたレインボーキャスターズ(兵庫)の松尾さんは、37.2cmのマコガレイと38cmのアイナメをキャッチ。この日は35cm級中心だったが、普段は40オーバーを狙える実績ポイント
松尾さんは持ち運びに便利な振り出し竿のタックルを使用。竿:トーナメントサーフT Ⅱ 35号-425 リール:ウインドキャスト5500、ロッドスタンド:サーフスタンド750レッド(いずれもDAIWA)

大物対応&潮流・ゴミ対策をして挑むべし

上)渡波防波堤のカーブ付近で一般の方が釣った43cmのマコガレイ。下左)1匹掛けにしたユムシ。大型カレイ、アイナメ狙いの定番エサだ。下右)佐須浜防波堤で釣れた45cm級の良型マゴチ。渡波防波堤、佐須浜防波堤ともに50cmオーバーが多数上がっている
大型カレイを狙う場合、仕掛けも当然太糸仕様になる。通常は2本バリで狙うが、ユムシをエサに使う場合はトラブルの少ない1本バリ。ハリサイズはユムシの大きさに合った、丸セイゴや流線型の18号以上を使用する

渡波で大型のカレイを狙うにあたって、それなりの道具立ては必要になる。特に渡波の場合は、潮が速く、遠投が必要なポイントも多いので、オモリ負荷30号以上のパワフルなロッドと大物釣り用の投げ専用リールはマスト。

万石浦の水路方向を攻める場合は、ときに激流化する潮流への対応に追われることになる(逆に長浜側や佐須の根周りを狙うのであれば、それほどの心配は不要)。といっても作業は簡単なもので、潮の流れる向きに合わせて、潮流の上流側に仕掛けを投げ込み、下流まで流しきったら回収、の繰り返し。釣り人が多いときは、周囲の人の仕掛けに絡まないように、かなり気を遣う必要がある。干満に合わせて流れの向きや速さが変わるので、ぼーっとしている暇はないのだ。

渡波の大イシを狙う場合は、仕掛けもエサも魚の大きさに合った大型サイズを使用する。ハリスは5号以上、ハリは流線や丸セイゴなどの15号以上。大物狙いでユムシをエサにするときは、ハリのサイズを18号に上げ、さらに仕掛け絡みを防ぐために1本バリにする。当たりエサは日によって異なるので、ユムシ、アオイソメ、イワゴカイを用意し、それぞれケチらずタップリと使うのが好釣果を引き出すコツ。ユムシ&アオイソメ、イワ&アオなどのミックスもかなり有効だ。

これからのハイシーズンは、良型のカレイが各漁港の船道から港内へと入ってくる絶好のチャンス。最奥に万石浦という大きなエサ場を擁する渡波はもちろん、牡鹿や三陸などで港内のカキの養殖作業が本格化すると、作業場の排水周辺に良型のカレイが集まってくる。そうなれば、遠投しなくても良型を望めるようになり、岸からでも座布団カレイを狙える好季の到来だ。

周辺のエサや情報なら、渡波防波堤近くの津田釣具店へ。石巻~牡鹿地域の投げ、磯、ルアーのことなら何でもお任せ。万石浦周辺の船釣り(ハゼ、カレイ等)もめっぽう詳しい

大会はイシの44.7cmを釣った関さんが優勝!

上左)表彰の前に挨拶をする全日本サーフ宮城協会の木村会長。上右)最も大きいカレイの全長を計測。同サイズの場合は釣果枚数の多い方を上位とした。下)左から5位伊藤さん、1位関さん、2位坂井さん、6位村田さん、4位三塚さん、3位田村さん
上中位入賞者には、全日本サーフ連盟の岩田会長より多数の豪華副賞が手渡された。表彰の後はお楽しみの景品が当たるジャンケン大会!

■全日本サーフ宮城協会 第4回オープンカレイ
 投げ釣り大会結果/参加者101名
優勝/関光成(千葉・羽衣サーフ)
 イシガレイ44.7cm(渡波)
第2位/坂井勇二郎(千葉・千葉サーフ)
 イシガレイ39.8cm(渡波)
第3位/田村貴生(青森・FC投人)
 マコガレイ39.3cm(寄磯)
第4位/三塚誠(宮城・東北サーフ)
 ホシガレイ39.0cm(女川)
第5位/伊藤公胤(東京・フロンティアサーフ)
 マコガレイ39.0cm (佐須)
第6位/村田敏浩(石巻市・一般)
 マコガレイ39.0cm(佐須)
第7位/真山実(宮城・東北サーフ)
 イシガレイ38.1cm(渡波)
第8位/末永隆(宮城・東北サーフ)
 マコガレイ38.1cm(渡波)
※詳細は大会結果ページをご覧ください。

大会と同時進行で釣り場の清掃活動も行われた。今後のためにも、釣り場のゴミは(できれば自分が出したモノ以外も)持ち帰り、駐車スペースなどの基本マナーを守って、気持よく釣りを楽しみませう

取材協力/津田釣具店(TEL:0225-24-0020)

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