2016庄内アオリイカエギング好季到来
悪天候続きで真水を嫌うイカが沈みっぱなしに
東北の秋イカがハイシーズンとなり、鶴岡周辺の地磯、防波堤は多くのアングラーで賑わっている。ただ、今季はサイトフィッシングで新仔が釣れ盛るというような状況は少なく、活性が低く沈み気味なイカをランガンで拾い釣るような展開が多い。
「今年は夏から秋にかけて雨が多く、ずっと水が濁った状態が続いています。アオリイカは真水を嫌うので、水潮が入った時はイカは沈んだ状態になり、いつもの年のように浮いている新仔を見かけることはほとんどありませんでしたね」と佐藤竜一さん。
藻場周りなど、サイトで追うイカはいないが、2015年のようにイカが少ないわけではなく、ボトム付近を狙うとしっかり釣れてくるのが今年の傾向。場所の選択と乗せるテクニックで釣果に差がつきやすいシーズンになっている。
ちょっと水深があり、潮が効いているポイントを探す
庄内周辺の岸壁ではアジのサビキ釣りが好調で、アオリイカもアジをよく食っている。アオリイカは足下や手前側では釣れず、やや潮が効いて水深のある沖寄りのポイントに着いている傾向。イカを探すのがちょっと難しいが、釣れればアベレージサイズはまずまずの型が揃う。
真水を嫌い深場に落ちているのもあるが、水深のあるポイントでは、縦の動きを使ってエギをしっかり見せられる点も大きい。イカの活性が低いためか、鋭いシャクリなど速いアクションには反応が悪いことが多かった。
なかなか抱かないイカに抱かせる技
今シーズンよかったパターンについて竜一さんに教えてもらった。
「最初はいつも通り、シャクってからのテンションフォールで誘ってみました。いつもならこれでイカを手前まで誘い出せるのですが、今シーズンはそれがありませんでした。足で触ったような感覚があっても、エギをなかなか抱かないんです」
いろいろ試した結果、良かったのがスラックジャークからのフリーフォールパターン。ここでいうスラックジャークは糸を緩め気味にした状態でシャクって、エギの位置をほとんど変えずに上方向に移動させ、そこからフリー気味にエギを沈める方法。普通にシャクるとエギが手前に移動してしまい、イカが追いきれないようなのだ。
フリーフォール気味に沈んでいる途中でエギを抱くことが多いので、フォール時はラインを張らず、緩めずのギリギリのテンションで落とすのがキモ。この方法だとティップをちょっと上に向けてラインをまっすぐにして、ラインの動きでアタリを取る必要があり、風が吹くととたんにアタリを取りにくくなるのが難点。
イカの反応が渋いと、ラインが出てからしばらく待ってじっくりエギを抱かせないと乗らないケースもあった。とにかく2段、3段シャクリなど鋭いシャクリは逆効果。ゆっくり大きくシャクって、上記のフォールを駆使することで数を伸ばした。
このテクニックは万能ではないが、イカがボトムに沈み気味で乗りが悪いような時には効果があるので試してみるといいだろう。
使用したエギはハヤブサの「超動餌木 乱舞V3 RATTLE」。水色が悪い条件下でもフラッシングとラトル音でアピールできる。
「自分は早い時季から3.5号を使うのですが、今回の釣行では3号の方がよく釣れました。状況によって3.5号で見せる作戦が効く場合も多いですよ」
乱舞V3の特長であるフラッシングとラトル音でローライト時、深場のイカにもアピール大!アクション的にもキレのいいダートからフォール姿勢が安定して低活性なイカでも乗せやすい
竿抜けを探せばまだまだチャンスあり
庄内各地でアオリの実績が上がっているが、釣行時は南の温海方面の調子がよかった。釣果は胴長15~16cmをアベレージに20cmほどに成長したものも混じった。今頃はもう少し大きく成長したものも釣れてくるはず。
10月12日現在、天候は回復傾向で、このまま好天が続けば水色も良くなり好条件に期待できる。条件がよくなれば漁港内などでも手軽に狙えるチャンス。ただ、イカ人口も増えているので、これからシーズン後半はちょっとした深場や他の人が狙わない竿抜け場など、意外なポイントでイカのいるところを見つけられると好釣果につながる季節になる。
■ロッド:バリアスV88L(ヤマガブランクス)
■ライン:ガリスウルトラWX8 GESO-X(YGKよつあみ)0.6号
■リーダー:ナスリー エヌウォーカー フロロ(YGKよつあみ)6Lb 約1.5ヒロ
■エギ:超動餌木 乱舞V3 RATTLE(ハヤブサ)3号、3.5号
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ロックフィッシュを中心にシーバスやフラット、ワカサギなどもマルチに楽しむ。フィッシングクラブSearch所属。佐藤兄弟の兄ということでクラブ内ではアニキなどとも呼ばれている。サポートメーカー:フィッシュアロー、ヤマガブランクス、ハヤブサ
※写真・解説/佐藤 竜一
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