春の気仙川 トラウトの季節[ルアーのイワナとヤマメ]
雨は降ったが気温は低く、魚の反応は渋め
岩手県の解禁から1ヶ月が過ぎた4月3日、冷たい雨が落ちる中、釣具オヤマの小山哲平さんは住田町内の気仙川上流域を訪れた。
「春先の魚の活性が低い時季は下流の方にいけば釣れると考えがちですが、実際は上流域のほうがいくぶん良いことの方が多いんです。もともと冷たい水に慣れているからですかね?」
この日の雨は渇水続きの川には恵みの雨となったが、外気温は最高7℃までしか上がらず、トラウトの動きもかなり鈍い状況。盛期には釣れるはずの流れのあるポイントには魚は全く着いておらず、流れが緩く、ある程度水深のあるポイントに絞ってルアーを投げ込んでいった。
魚が一気に動き出すこれからが最高のシーズン!
この日の小山さんは、ポイントとして絞り込んだ緩い流れを、シンキングミノーでじっくりと攻めた。激しいアクションなどはつけず、小刻みかつやさしい誘いで、ゆっくりとリトリーブ。
「例年の解禁当初のパターンに近い感じで、ちょっとでも押しの強いところはダメでなんですが、流れが緩くなっているポイントには魚が溜まっていていて、ここぞという場所では粘って結果を出しました。ただ、大淵のようにあまり水深がありすぎるポイントは水温が低すぎるみたいで、ほとんど魚は着いていませんでしたね」
まだ魚の動きが鈍いシーズン初期は、チェイスがあっても一発で食ってこないことが多く、よりじっくり長くトレースすることでキャッチ率が高まる。また、チェイスがあったり魚の気配があったポイントは、いったん間を置くなどして何度か狙ってみるのもアリ。
「時間的なものでトラウトの反応も大分変わりますからね。特に春先は水温の関係なのか、午前より午後の方が釣れやすい傾向があります。実際、この日も午前中に鈍いチェイスがあったポイントを15時頃にもう一度狙ってみたのですが、午後になったらパタパタ釣れてきたということがありましたよ」
小山さんはこの日、ヤマメ10尾、イワナ3尾の計13尾をキャッチ。ヤマメ、イワナともに27~28cmクラスも混じって、この季節にしては十分に満足できる釣果となった。「解禁からずっと不調続きで、目立った釣果も無かったのですが、ようやく魚が動き出したな、という感じです。雨も降りましたし、これから4月下旬からゴールデンウィークにかけて、岩手沿岸の各河川は一気に釣りやすいシーズンになります。ぜひとも最高の季節に遊びにきてください」
■ロッド:5フィート前後のトラウトロッド
■ライン:5Lb
■ルアー・4~5cmシンキングミノー
【気仙川の入漁料について】
気仙川の入漁料は雑魚1日800円。漁券は釣具オヤマで取り扱っているほか、流域沿いのコンビニや商店でも買い求められる。
※営業時間=平日8~19時、土日祝日は5~19時、水曜定休。
店舗は、国道283号線添いの釜石市内にある。釜石線・松倉駅を目印にすると分かりやすい
甲子川中流域にほど近い釣具オヤマの若旦那。ロックフィッシュやヤリイカなど、陸っぱりから船釣り、渓流まで釜石周辺のあらゆる釣り物に詳しく、旬の釣りは自ら実釣テスト!東北各地への遠征経験も豊富だ
◆記事に書けない裏話や質問への回答はweb版 無料メルマガ(毎月25日発行)で配信中!
取材・解説/小山哲平
取材協力/釣具オヤマ(釜石市)TEL:0193-23-7754