釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

真夏のタフコンに狙う 女川デカシーバス

鹿野 栄健 2020年12月22日 更新

少しずつ秋らしくなってきたとはいっても、海水温はまだまだ高く、シーバス的には相も変わらずのタフコンディションが続いている。そんな中、女川周辺のちょい深場には、酷暑による夏バテを癒すべく、デカシーバス達が集結中。タフコンを逆手に取って、ド級の大物をボートから狙った。

今回、釣行の模様を報告してくれた、石巻シーバスフリークの鹿野栄健さん。この日は同クラブ会長の佐藤雄一さんのボートに同船した

深場のボトムに落ちた夏バテ回避系シーバスがターゲット

朝のうちは潮汐の関係か、しばらく魚の反応は薄かったが、潮が動き始めると1本目からいきなりの93cmをキャッチ!アングラーは、石巻シーバスフリーク会長の佐藤雄一さん

連日、30℃を超す猛暑が続き、体調が優れないのは人間だけではなく魚も同じ(?)。7月下旬まで好調だった牡鹿半島周辺の磯シーバスも、8月下旬位にはぱったりと音沙汰がなくなり、辛い釣りを強いられたアングラーも多かったのではないでしょうか?

陸上の季節からはやや遅れ、一段とタフコン化していく海中の真夏。9月5日に90UPのデカシーバスを求めて女川港へと出船しました。今回、私の所属する石巻シーバスフリークの会長を務め、宮城シーバスのハイパーエキスパートで心強い味方となる、佐藤雄一氏が釣行を共にしてくれました。

今回、私たちが着目したのは、女川港湾口部に存在する水深20~30mに落ちるブレイクラインです。高水温とそれに伴う水質悪化により、シャローエリアから落ちたシーバスが今回のターゲットとなります。通常のシーバスゲームの主流となっている、シャロー系ミノーのリーリングでは太刀打ち出来ないこの水深を、どう攻略するかが大きなキーとなります。

ここで用いるのが、北上川水系で多く用いられるバイブレーションのリフト&フォールメソッドです。キャストした後、着底するまでフォールを入れ、その後、ロッドワークを用いてリフト&フォールを行い、ボトムから3m位の範囲を攻めるイメージでアクションを行います。感じとしては、ロックフィッシュの釣りを思い浮かべて頂ければ間違いないかと思います。

途中から合流した仲間のボートのヒットシーン。佐藤さんがパターンを教え、その通りに実践してみると、すぐに結果が出た
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活性は低いが、ヒットすれば大型が揃うのが猛暑パターン

 
夏バテ回避系はかなりの大物揃い(逆に若い魚は少ない)。佐藤さんは80cm台後半から90cmクラスを2本追加し、3本の釣果を上げた

午前6時に出船した私達。毎週のように同エリアで釣行を重ねる佐藤氏の誘導で、このところの実績エリアをランガンすることとなりました。実釣開始後は干潮潮止まりの影響か、全く反応を得られないまま、ポイント移動を繰り返すこととなりましたが、潮も利き始めた8時過ぎ、待望のバイトが佐藤氏のロッドを大きく曲げました。慎重にやり取りを行いキャッチとなったのは、90UPの見事なシーバスでした。

佐藤氏の話を訊いてみると、キャスト後のフォーリング、着底間際のバイトだったとのこと。私も10カウントのフリーフォールの後、カーブフォールに切り替え、ボトム付近のフォールのバイトに神経を集中させました。すると、程なくして私にも待望のバイトが到来! しかし、カンという弾き飛ばされるようなバイトでフックアップならず…。その後も佐藤氏、私共に同じようなミスバイトが続き、次第にバイトは遠のいていきました。

ディープといえども魚の活性は決して高くはないようです。そこで、ポイントを休ませるため、新境地を探しに再度ランガンを繰り返してみるも、やはり魚からの反応は遠く、辛い時間が続きました。そして潮が利き始めた10時頃。先ほどの場所に戻って再度のトライ。すると、移動後1投目でドン!という押さえ込むようなバイトと共に、私のロッドが弧を描きました(タイトル下写真)。本日初のファイト、バラしてはいけないという焦りを抑えつつキャッチした魚は、やはり90クラスの見事な女川シーバスでした。

その後も、ショートバイトに泣かされながらも、80後半から93cmまでで佐藤氏、私共に3本ずつ。船中6本の女川デカシーバスに加え、この時期ならではの青物(イナワラサイズ)も顔を見せ、厳しい状況ながら充分過ぎる釣果を得ることが出来ました。

 
鹿野さんの最大魚は午前10時前のこの91cm。この日のパターンとしては、リフト時よりもフォール中にバイトが集中。フリーフォールより、カーブフォールが有効だったそうだ

深場でのフッキング率を上げるため、タックルは強い張りのあるヘビータックルを

シーバスを狙っていると、いいサイズのイナワラがヒットすることも。磯のポイントでは、このクラスでもやり取りはかなりテクニカルになる

私の使用タックルは、ヘビーウェイトのバイブレーションを、水圧の大きいディープレンジでもストレスなく思い通りに操作できる、ヘビークラスのスピニングタックルです。タフコン時のディープ攻略には、まさになくてはならない1本。ルアーは、レンジ的に1ozクラスのバイブレーションが必須アイテムです。魚探で水深と底の形状を把握できていれば、メタルジグでも使えます。

決して簡単な釣りではありませんが、高水温が続く10月上旬位まで、このディープのデカシーバスパターンは続きそうです。みなさんも、是非タフな状況下の貴重な1匹を手にしてください。

■釣行データ
・釣行日:2010年9月5日
・天候:晴れ
・潮汐:中潮(干潮:6時22分、満潮:14時10分)
・場所:女川港
・アングラー:佐藤雄一、鹿野栄健

使用タックル=ロッド:LUXXE Deck Stage 斬鱸GT S70MH-RF(がまかつ)、ライン:RaPaLa ラピノヴァXXシーバス1.2号(ラパラジャパン)
オススメルアー=上)Storm サンダーブレード10cm 28g(ラパラジャパン)、下)ザブラバイブ80-25G(ジップベイツ)

取材・テキスト/鹿野栄健

PROFILE:鹿野栄健

ロック&フラットフィッシュを得意とする山形在住のルアーマン。宮城、岩手に頻繁に通い、石巻シーバスフリークでは、若手・中堅のホープ的存在だ。がまかつLuxxeスタッフ、がまかつフックモニター、ラパラジャパンモニター、プロショップオオツカフィールドスタッフ。「釣りブロガー」にも掲載中のブログは→コチラ

 

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