初夏の男鹿の風物詩 船アイナメ
秋田の男鹿周辺では春から初夏にかけてアイナメの船釣りが人気。男鹿周辺はもともと潮流が速い上にドテラ流しで狙うので対策が重要になるが、この季節は良型のアイナメに期待できる。
>太平洋側のアイナメ船とは趣が大きく異なる。
男鹿沖の春から初夏にかけての風物詩といえば、アイナメだろう。秋田では『しんじょう』とも呼ばれるこの魚、特にこの時期は身に寄生虫もついてないので、刺身で最高の美味な魚である。
ほぼ、全国どこでも釣れる魚ではあるが、秋田では、これを、いわゆる「どてら流し」で釣り上げる。
どてら流しの激流の中で根周りを攻略
さて、今回は毎年恒例の秋田県全県アイナメ釣り大会(参加者160人)で場荒れする前に釣り上げようと、釣具の館・秋田店の釣りクラブ「釣具の館 海遊会」の面々と遊漁船4艘を仕立てて、男鹿半島北側の湯の尻漁港を午前10時に出港した。
船が走り始めて、10分ほどで釣り場に到着。船長のゴーサインでラインを落とし始める。「どてら流し」では、全員片舷に乗り、風を船の真横に受け、風任せで船を動かしポイントを探りながら釣る、流し釣りで行う。
ポイントは水深20m超程度の岩礁帯で、最初は30号程度のおもりで釣り始めた。しかし、なかなかアタリがない。
すると、「今日は風も強めで船もよく動くので、ラインをあまり出さずに、重めのオモリでアタリを取れ」との、宝吉丸の船長の指示。オモリを50~60号程度にチェンジして狙う。
釣り始めて30分ほどで、船中初めてのアタリがあった。ハリ掛かりすると、首を左右に振る動きがラインを通して伝わってくる。これが、アイナメ釣りの醍醐味ともいえる。慎重に釣り上げると、大きさは大瓶クラス。
アイナメは、エサを飲み込むのでハリ外しにはコツが必要。30cm程度の木の棒を差し込み、ラインを持ちながら魚をクルクル回すとスーとハリが外れる。これを初めて見たときは不思議な思いだった。
一匹目を見て、周りに釣果の期待が上がる。しかし、当日はまだまだ水温も低いせいか、なかなか活性が上がらない。
アイナメは底に張り付いている魚なので、船の揺れに合わせて、底を慎重に探りつつ、ラインを出しながらアタリを待つ。ちょっと油断をするとすぐに根掛りしてしまう。常に手持ちで竿先を注視していなければならいのだ。
なんとかポツポツとは上がっているが、それ以上に時間がどんどん過ぎ、竿あげ予定の4時に近づいていく。しかし‥本日アイナメ初釣行のOさんの竿にアタリが…デカい!
釣り上げてみると本日最大48cmの大型がつれた。ビギナーズラックか、釣具の館オリジナル仕掛けがいいのか。釣りは最後まで諦めない人に魚が来るものだ。
結局釣れた人でも5匹程度といまひとつの釣果で終わったものの、秋田の釣りシーズンは始まったばかり。これからのリベンジを誓いあう面々でした。
【男鹿沖アイナメのタックル、仕掛け】
■ロッド
30~80号負荷の先調子(7:3)
長さ2~3m程度
■リール
ダイワ 100~300番
シマノ 600~1000番程度
手巻きもしくは電動
■PEライン
潮受けを考慮に入れることと、根掛りも考えて少し太めの3~5号程度を使用
■仕掛け
・小型天秤(昨年の全県大会上位3名は全員棒天秤を使用)
・ハリス4~6号(根ズレによる糸切れがあるので)1~2ヒロ
・ハリはアイナメ専用赤針(もりげん)や、丸せいごの13~15号の1~2本バリ
・仕掛け装飾は、スプーン(ブレード)やまるふじのアイカレEBやヤマシタのマシュマロボールなどのエッグボール類。とにかく目立つ小物をつけるのが一般論ではあるが、一部の人は何もつけない方が良いという意見もある。
余談ですが、その後の全県大会では、優勝者で9匹5kg程の釣果だった。坊主も多く、40cm程のアイナメ1匹を釣った釣具の館秋田店店長は88位だったとか‥。
TEL:018-874-9262
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※取材・テキスト/釣具の館 海遊会事務局
※取材協力/釣具の館 秋田店(秋田・秋田市)
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