アブラメ乱舞!いちご煮祭り[階上沖のアイナメ船釣り]
いちご煮はいちごジャムではありません!
昨年も私はいちご煮祭りへ参加。そのときは、「甘い物は苦手なんだよね~。いちごはそのまま食べた方が美味しいです」と、本気で言ってしまった。ウニ&アワビ?ジャムを連想させるネーミングの裏に隠れた中身を知った時にはお祭りは終了していた。
豪華な海の幸がぎっしり入ったお吸い物が「いちご煮」だったとは…。今年は真っ先にいちご煮祭りの会場を目指して、「いちご煮」にありつくことができた。さらに会場で「クジラ煮」を発見!こちらも濃厚な風味を堪能できた◎。
雨、濃霧、うねりの中、熱戦が繰り広げられた
青森県の階上地区では、アイナメを「アブラメ」と呼ぶ。今の時期、たっぷりとエサを補食しているアブラメは脂がノリノリで年間を通して一番美味い季節。そのコンディションにふさわしい呼び名だ。
午前6時、受付を終了した62名の選手を乗せた船が一斉に沖を目指した。私が乗船したのは坂下釣具店協力船の松栄丸。昨年もお世話になった船長に再会。30分ほど走ってポイントに到着。
私も選手の皆さんと一緒に竿を出した。エサはご当地餌の「天然エラコ」を使用。植物のようにも見えるがイソメのような虫エサだ。ポイント到着まで皆さん無言でひたすら剥いていく。
タックルは他の地域のアイナメ釣りと比べるとかなりのヘビー級。使用オモリが100~120号なので専用竿は見当たらない。私が使用したのは「がま船 タイドスターヤリイカ」。昨年使ってみて、この釣りに合うと実感したので今年もチョイスした。
大型片天秤に集魚アイテムを介して2本バリ仕掛けを装着。エラコの付け方はふさふさした毛の付け根にある固い部分をちょん掛けでハリに通すとエサ持ちが良い。
水深は60m前後。釣りのスタイルは流し釣りで、パラシュートアンカーを投入して、船を潮に流した。潮の流れが速く、岩場の海底で根掛かりを防いで釣る手段としてこのタックルを用いるようになったそうだが、事実根掛かりは少なく、私の仕掛けのロスはゼロだった。
海底に仕掛けが届いたら、オモリで海底を小突いて魚にアピールする。開始から間もなくトモでアブラメとマゾイが一荷で釣り上がった。
続いて私にもアブラメがヒット。大きな片天秤にオモリ100号なのでアタリは少し小さく感じたが、アワセを入れると独特の力強い首振りが竿を持つ腕に伝わった。根周りは外道も多彩で、ソイ類やカレイ類も釣り上がった。アブラメとは違う重量感で絞り込まれた私の竿に40cmクラスのマゾイがダブルでヒットする場面もあった。
船長によれば、「アブラメを釣りたければ常に誘い続けることが大切です。置き竿では食い付いてきませんよ」とのこと。私も40号前後のオモリで行う釣りと同じように細かい小突きに反応が良く感じられた。釣れるサイズは25cm程の小型も混じるが、40cmクラスが主体。優勝を狙うなら50cmクラスを含めることが必須と予想された。
優勝者はトータル5㎏超をキャッチ!
12時競技終了の予定だったが、あいにくの強い雨もあり、安全を考慮して11時に全船競技を終えて帰港となった。検量には丸々としたアブラメが次々に持ち込まれた。
優勝は5.18kgを釣った佐々木勝彦さん。平均1kg以上の見事なサイズ揃いは、自然豊かな階上の海を実感する結果だった。
優勝 佐々木勝彦 三戸市 5.18k
二位 大橋俊直 八戸市 4.76k
三位 工藤美登 八戸市 4.66k
※敬称略。
宿泊でお世話になったのは洋望荘。こちらはなんと美味しんぼに2度登場している。オーナーシェフの佐藤一弘さんによれば、「津波にやられたときは、もうやめようと思いましたが、お客さんの励ましがあって復活することができました。後は息子のこれからが楽しみです」とのこと。その息子さん、元重さん(15歳)が握る寿司が絶品!階上の海から採れた鮮度抜群のネタでフルコースをいただいた
カレイ釣りのトーナメンターとして活躍しながら、ヒラメ、メバル、マダイ、深海などの各種船釣りにワカサギ、渓流までなんでもこなすオールラウンダー。がまかつ、山豊テグスフィールドテスター、マルキューフィールドモニター。福島市在住
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※取材・テキスト/菅野 順也
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