釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

下北半島カレイ遠征記

伊藤 育男 2021年1月11日 更新

本州の最も北に位置する下北半島。尻屋崎に近い岩屋沖は春先に良型のナメタガレイ、マコガレイが数多く釣れることで有名な船カレイの人気釣り場だ。この地で行われた、がまかつ船カレイ・グランドチャンピオン大会に伊藤育男さんが参戦。まだまだ残暑の厳しい中、型狙いのカレイ勝負に挑んだ。

この季節の岩屋沖は未知の領域…

風力発電所の風車群を眺めながら、雄大な自然の中でカレイ釣りを楽しめる

まだまだ夏の暑さの残る9月16日(日)、青森県岩屋沖で「がまかつ東北地区船カレイ グランドチャンピオン大会」が開催された。大震災の影響により、がまかつのカレイ釣り大会も一時的に開催を自粛していたが、本年度からスペシャルイベントを再開し、今回のグランドチャンピオン大会の開催に至った。

ちなみに今回、伊藤育男さんはがまかつの運営スタッフとしてではなく、正式な選手として大会に参戦。実は平成22年度の相馬大会でチャンピオン大会の出場権を掴んでおり、気合いを入れてガチの勝負に臨んだのだ。

岩屋漁港には茨城、栃木の遠方参加者を含む28人が集結、受け付けを済ませて5時出船。9月の青森ということで、いくらか涼しさを期待していたのだが、快晴&無風でかなりの暑さだった。

大間の南東側に位置する岩屋漁港に28人の参加者が集まった
参加者を乗せた5艘の遊漁船は朝5時に出船。尻屋崎方面へと向かった
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大型ナメタが好みそうな岩盤質の釣り場

ここは尻屋岬港に近いポイント。陸に見えるのは三菱マテリアルのセメント工場

釣り場は、岩屋の港を出て10分ほどの尻屋崎周辺から岩屋漁港前までの間。伊藤さんは岩屋沖での釣りは初めてだったが、すぐ隣の野牛沖では以前に竿を出したことがある。

ポイントの水深は18~30m程で、20m前後の浅場が中心。特筆すべきはその透明度。ほとんどのポイントで、仕掛けが底に落ちるのが肉眼で見えるほどだった。伊藤さんは、「底は硬い砂か岩盤で、上からでも黒っぽい海底が透けて見えるんですよ。さらに転々とツブ根のようなものもあって、これはナメタが居そう!とテンションが上がりましたね」

しかし、この日は水温が26℃ほどもあり、カレイは激シブ…。サメ、フグ、ベラ、イイダコと、外道のオンパレード。選手として自費参加し気合いも入っている伊藤さんは、派手な仕掛けからシンプル系まで色々使いこなし、誘いも色々と変えて攻め続けたが、厳しい戦いとなった。

ベタ凪、快晴で快適なカレイ釣りかと思いきや、9月も中旬だというのに厳しい暑さに悩まされた
この日の伊藤さんの使用タックルは、高感度9:1調子のがま船 鰈幻1.6m(がまかつ)
釣れてきたのはイシガレイ。その他は、フグ、ベラ、イイダコの外道のオンパレード

今回は釣れなかったけど、また来たい釣り場

参加者は集中を持続して誘い続けたが、水温の関係もあってエサ盗りがとにかく多く、結果的にイシガレイを一人0~3枚の釣果だった。そんな中、優勝の栄冠に輝いたのは三方天秤を使い、2枚880gを釣り上げた菊池正規さん。2位には、最高枚数の3枚を釣った鈴木潤さんが入った。鈴木さんは、「私もあまり数を釣ったわけではないので、たまたまかもしれないんですけど、長めの仕掛けを使って、速い動きで誘うことを意識しました。ベラやフグが多く、すぐに寄ってきてしまうので、3本バリの1番目と2番目にエサ盗りを寄せ、下バリに何とかカレイを食わせる作戦です。少しでもエサが残っていれば、何とかなるんじゃないかと思って」

ところで、伊藤さんは大会前日からむつ市のビジネスホテルに前泊。その夜に食べた魚料理と地酒が素晴らしく美味しかったとのこと。ウインドファームを眺めつつ糸を垂らせる、下北の雄大な景観にもすっかり感動し、「栗原から2人で車を運転して行きましたが、思っていたより近く感じました。今回は釣れませんでしたけど、今度はハイシーズンにリベンジにやって来たいなと思っていますよ」

【協力販売店】
つり具のモトオ、フィッシングハウスキヤ、上州屋盛岡店(順不同)
【主催】
がまかつ

水深20m前後を中心に、深くても30mほどの浅場での釣り
競技は重量を競う形式。2枚を揃えて計880gを釣り上げた菊池正規さん(中央)が見事優勝!5月の岩屋大会で優勝している地元青森の鈴木潤さん(向かって右)は2位。仙台市から参加の相澤敏正さん(同左)は1枚の重量で3位に食い込んだ
【大会結果】
優勝/菊池正規 880g(2枚)
準優勝/鈴木潤 780g(3枚)
3位/相澤敏正 400g(1枚)
4位/小原一重 260g(1枚)
5位/佐野斉180g(1枚)
※敬称略

PROFILE:伊藤育男

10代にしてカレイ釣り大会に優勝した経歴を持つ、東北屈指のカレイ釣り職人。ここ数年は、船釣りをメインに、もっぱら楽しい釣りを追求中。がまかつフィールドテスター、サンラインフィールドテスター

 

※取材・解説/伊藤育男

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