下北半島カレイ遠征記
この季節の岩屋沖は未知の領域…
まだまだ夏の暑さの残る9月16日(日)、青森県岩屋沖で「がまかつ東北地区船カレイ グランドチャンピオン大会」が開催された。大震災の影響により、がまかつのカレイ釣り大会も一時的に開催を自粛していたが、本年度からスペシャルイベントを再開し、今回のグランドチャンピオン大会の開催に至った。
ちなみに今回、伊藤育男さんはがまかつの運営スタッフとしてではなく、正式な選手として大会に参戦。実は平成22年度の相馬大会でチャンピオン大会の出場権を掴んでおり、気合いを入れてガチの勝負に臨んだのだ。
岩屋漁港には茨城、栃木の遠方参加者を含む28人が集結、受け付けを済ませて5時出船。9月の青森ということで、いくらか涼しさを期待していたのだが、快晴&無風でかなりの暑さだった。
大型ナメタが好みそうな岩盤質の釣り場
釣り場は、岩屋の港を出て10分ほどの尻屋崎周辺から岩屋漁港前までの間。伊藤さんは岩屋沖での釣りは初めてだったが、すぐ隣の野牛沖では以前に竿を出したことがある。
ポイントの水深は18~30m程で、20m前後の浅場が中心。特筆すべきはその透明度。ほとんどのポイントで、仕掛けが底に落ちるのが肉眼で見えるほどだった。伊藤さんは、「底は硬い砂か岩盤で、上からでも黒っぽい海底が透けて見えるんですよ。さらに転々とツブ根のようなものもあって、これはナメタが居そう!とテンションが上がりましたね」
しかし、この日は水温が26℃ほどもあり、カレイは激シブ…。サメ、フグ、ベラ、イイダコと、外道のオンパレード。選手として自費参加し気合いも入っている伊藤さんは、派手な仕掛けからシンプル系まで色々使いこなし、誘いも色々と変えて攻め続けたが、厳しい戦いとなった。
今回は釣れなかったけど、また来たい釣り場
参加者は集中を持続して誘い続けたが、水温の関係もあってエサ盗りがとにかく多く、結果的にイシガレイを一人0~3枚の釣果だった。そんな中、優勝の栄冠に輝いたのは三方天秤を使い、2枚880gを釣り上げた菊池正規さん。2位には、最高枚数の3枚を釣った鈴木潤さんが入った。鈴木さんは、「私もあまり数を釣ったわけではないので、たまたまかもしれないんですけど、長めの仕掛けを使って、速い動きで誘うことを意識しました。ベラやフグが多く、すぐに寄ってきてしまうので、3本バリの1番目と2番目にエサ盗りを寄せ、下バリに何とかカレイを食わせる作戦です。少しでもエサが残っていれば、何とかなるんじゃないかと思って」
ところで、伊藤さんは大会前日からむつ市のビジネスホテルに前泊。その夜に食べた魚料理と地酒が素晴らしく美味しかったとのこと。ウインドファームを眺めつつ糸を垂らせる、下北の雄大な景観にもすっかり感動し、「栗原から2人で車を運転して行きましたが、思っていたより近く感じました。今回は釣れませんでしたけど、今度はハイシーズンにリベンジにやって来たいなと思っていますよ」
【協力販売店】
つり具のモトオ、フィッシングハウスキヤ、上州屋盛岡店(順不同)
【主催】
がまかつ
優勝/菊池正規 880g(2枚)
準優勝/鈴木潤 780g(3枚)
3位/相澤敏正 400g(1枚)
4位/小原一重 260g(1枚)
5位/佐野斉180g(1枚)
※敬称略
10代にしてカレイ釣り大会に優勝した経歴を持つ、東北屈指のカレイ釣り職人。ここ数年は、船釣りをメインに、もっぱら楽しい釣りを追求中。がまかつフィールドテスター、サンラインフィールドテスター
※取材・解説/伊藤育男
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