釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

今年もノリノリ! 仙台湾スルメイカ

菅野順也 2021年2月4日 更新

仙台湾のスルメイカが好調を維持している。 今年は例年以上にイカの魚影が濃いうえ、 シーズン中盤を過ぎて、型も揃うようになってきた。 釣ってヨシ、食べてヨシの夏限定ターゲットをお見逃しなく!
※こちらは2010年8月掲載の記事です。

イカの群れは続々北上中!サイズもよくなった今がチャンス

イカを寄せる集魚灯は非常に威力が強く、直撃すると肌が焼けるので、 麦わら帽子や首タオルで肌を保護する。 また、服装はイカの墨で汚れてもいいものを

夏に旬を迎えるスルメイカは、イカそうめんに沖漬け、塩辛などなど、 食べる方でも釣り人を楽しませてくれる、言わずと知れた大人気釣種だ。 スルメイカはカタクチイワシなどのエサを追って暖流とともに北上し、 梅雨の頃から初秋にかけて仙台湾を通過する。 今回、菅野順也さんが竿を出した東北丸では 今季は6月15日からスタート。 開始当初は魚影、数ともに日ムラがあったそうだが、 7月過ぎからはイカの魚影が濃くなり、 アベレージサイズも胴長30cmほどで安定してきている。 この取材を行った7月17 日もイカの乗りはすこぶるよく、 菅野さんの釣果はなんと419杯!船中平均でも一人100杯ほど釣れていたそうだ。

[PR]

イカヅノの扱いに慣れてきたら手釣りも楽しい

上)左手にイカヅノをつかみ、下のツノから順番に右手で投入。 オモリの重さで糸を張るようにすると自然に糸絡みがほどける。 下)右手で道糸にブレーキをかけながら底まで落とす。 たまに糸を止めることでツノが踊って誘いになる

スルメイカは竿とリールで狙う方法と手釣りで狙う方法とがあり、 菅野さんは時と場合によって使い分けるそうだが、この日は手釣りを選択。 手釣りの魅力を聞いてみたところ、 「イカ独特の引きを直に感じることができるのがいいですね。 コツを覚えてしまえば手返しがすごくいいので、数も伸びますし」。 一方の竿釣りは、タックルの機能性が助けとなり、トラブル少なく楽しめる。 近年は小型電動リールと操作性の高い専用ロッドが続々リリースされて より戦略的になり、仙台湾でも電動リールの巻き上げ力を利用した 電動直結をする人が増えてきている。

手釣りでスルメイカを狙うときは、仕掛けと道糸をいかに上手にさばけるかが重要となる。 投入、誘い、取り込み、の一連の動作を手返しよく繰り返して初めて手釣りのメリットが 生きてくるので、仕掛けのツノの数は十分に扱える範囲で選びたい。 この日の菅野さんは釣果の限界に挑戦するため、 間隔を1m65cmにして12本ヅノで狙ったが、普通に楽しむ分には5、6本くらいが 釣りやすい。 また、菅野さんはテグスをしっかり操るため、使用するテグスと相性がよく、 糸が滑りにくいゴム手袋を着けているそうだ。

上)糸を送っても仕掛けが落ちていかなくなったら、すでに2、3杯掛かっている可能性が高い。 上げる途中にもさらに乗ってくるので、巻き上げ速度に緩急をつけると誘いになって◎。 下)ツノは順番がごっちゃにならないよう注意して、指の間に2、3本ずつに分けて持つ。 手の大きさや技量に合わせて仕掛けのハリ数は調整するといい

全層を攻めて数を伸ばせ!タナにこだわりすぎるのは×

上)乗船者の大部分は竿釣りのお客さん。東北丸では竿の無い人には貸し竿(¥1,000)もある。 下)こちらは電動直結の釣果。 電動リールの快適性とシャクリのアクティブさを両立した、人気上昇中の釣法だ

この日の菅野さんの釣果は船中トップとなる419杯。 数を伸ばすには、基本を忠実に守り、全層をしっかり探ることが大切だ。 「周りの人に釣れたタナを聞いて、その周辺だけを探る人をよく見かけるんですが、 それだと狭い範囲しか探れないので釣れるイカが限られてしまいます。 イカは上層から底層まで思った以上に広い範囲に散らばっていて、 さらに上下に激しく動いているので、 下から上までこまめに誘うことでイカが乗るチャンスが増えるんです」

近年は小型電動リールが一般に広まり、タナ操作が非常にラクになったが、 タナを簡単に合わせられるようになったことで、 直前に釣れたタナに気を取られすぎてしまうのは問題だという。 「竿釣りも手釣りも基本は一緒です。メーターにあまり頼りすぎず、 自分の感覚を信じてしっかり誘いきることが大切ですね。」 誘いのかけ方は仕掛けを上げ下げする途中に止めを入れて、ツノを躍らせるだけ。 菅野さんは幹糸とイカヅノの間を1.5cmくらいと短めにして、 速いテンポで誘いをかけられるようにしているそうだ。

左)釣果の一部は定番の沖漬けに。 タレが薄くならないよう、タレの量とクーラーの容量に合わせるのがおいしく作るコツ。 右)東北丸では釣果をスチロール箱にきれいに並べてくれる。 菅野さんのこの日の釣果はなんと7箱(プラス沖漬け)

好調の今シーズンはイカ釣りデビューのチャンスかも

この日は第32東北丸に乗船。午後5時半出船だが、 イカ釣りのときはかなり早めの時間帯から乗船者が集まる(釣り座は店舗での受付順に決定)

イカは日々成長しながら次々に新しい群れが北上してくる。 仙台湾の場合、お盆を過ぎる頃から群れが沖寄りに移動するため イカ釣りの出船を打ち切る釣り船も出てくるのだが、 東北丸では9月一杯はイカを追う予定で、 もうしばらく楽しいシーズンが続くそうだ。一度爆釣を味わったら必ずハマる釣りなので、 釣況の安定している今季は初挑戦のチャンス。

これからスルメ釣りを始めるなら、まずは竿釣りからがオススメ。 竿はあまり長いものだと釣りにくいので、 2mよりちょっと短いくらいの操作性に優れたものを。 イカ専用ロッドがベストなのだが、丁度いいロッドが無い場合は貸し竿もあるから、 レンタルから始めてみてもいいだろう。仕掛けは市販の5本仕掛けでも十分釣りになる。 東北丸では釣果をスチロール箱に氷詰めにしてくれるから予想を超える大漁でも安心。 生きたイカをそのまま好みのタレに漬けて作る自家製沖漬けは釣り人だけの味覚。 沖漬けのタレはくれぐれもお忘れなく。

道糸は組テグス40号(山豊テグス)。 水中ライトはイカの闘争心を刺激すると言われる赤点滅を選択。 ツノはいわゆるオッパイバリタイプ。カラーは乗りにそれほど関係しないが、 投入する順番が分かりやすいようにいくつかの色を組み合わせるといい

写真・解説/菅野順也

取材協力/東北丸(TEL:022-364-2653)

◆記事に書けない裏話や質問への回答は無料メルマガ(毎月25日発行)で配信中!

 

PROFILE:菅野順也

ご存知、カレイ釣りのトーナメンターだが、ヒラメ、マダイから深海、ワカサギ、渓流までなんでもこなす。夏場はもっぱらイカ釣り職人となり、週末のたびにイカ影を追う。 がまかつフィールドテスター、山豊テグスフィールドテスター

 
[PR]
Amazon堤防Amazon堤防釣り初心者