今年もノリノリ! 仙台湾スルメイカ
イカの群れは続々北上中!サイズもよくなった今がチャンス
夏に旬を迎えるスルメイカは、イカそうめんに沖漬け、塩辛などなど、 食べる方でも釣り人を楽しませてくれる、言わずと知れた大人気釣種だ。 スルメイカはカタクチイワシなどのエサを追って暖流とともに北上し、 梅雨の頃から初秋にかけて仙台湾を通過する。 今回、菅野順也さんが竿を出した東北丸では 今季は6月15日からスタート。 開始当初は魚影、数ともに日ムラがあったそうだが、 7月過ぎからはイカの魚影が濃くなり、 アベレージサイズも胴長30cmほどで安定してきている。 この取材を行った7月17 日もイカの乗りはすこぶるよく、 菅野さんの釣果はなんと419杯!船中平均でも一人100杯ほど釣れていたそうだ。
イカヅノの扱いに慣れてきたら手釣りも楽しい
スルメイカは竿とリールで狙う方法と手釣りで狙う方法とがあり、 菅野さんは時と場合によって使い分けるそうだが、この日は手釣りを選択。 手釣りの魅力を聞いてみたところ、 「イカ独特の引きを直に感じることができるのがいいですね。 コツを覚えてしまえば手返しがすごくいいので、数も伸びますし」。 一方の竿釣りは、タックルの機能性が助けとなり、トラブル少なく楽しめる。 近年は小型電動リールと操作性の高い専用ロッドが続々リリースされて より戦略的になり、仙台湾でも電動リールの巻き上げ力を利用した 電動直結をする人が増えてきている。
手釣りでスルメイカを狙うときは、仕掛けと道糸をいかに上手にさばけるかが重要となる。 投入、誘い、取り込み、の一連の動作を手返しよく繰り返して初めて手釣りのメリットが 生きてくるので、仕掛けのツノの数は十分に扱える範囲で選びたい。 この日の菅野さんは釣果の限界に挑戦するため、 間隔を1m65cmにして12本ヅノで狙ったが、普通に楽しむ分には5、6本くらいが 釣りやすい。 また、菅野さんはテグスをしっかり操るため、使用するテグスと相性がよく、 糸が滑りにくいゴム手袋を着けているそうだ。
全層を攻めて数を伸ばせ!タナにこだわりすぎるのは×
この日の菅野さんの釣果は船中トップとなる419杯。 数を伸ばすには、基本を忠実に守り、全層をしっかり探ることが大切だ。 「周りの人に釣れたタナを聞いて、その周辺だけを探る人をよく見かけるんですが、 それだと狭い範囲しか探れないので釣れるイカが限られてしまいます。 イカは上層から底層まで思った以上に広い範囲に散らばっていて、 さらに上下に激しく動いているので、 下から上までこまめに誘うことでイカが乗るチャンスが増えるんです」
近年は小型電動リールが一般に広まり、タナ操作が非常にラクになったが、 タナを簡単に合わせられるようになったことで、 直前に釣れたタナに気を取られすぎてしまうのは問題だという。 「竿釣りも手釣りも基本は一緒です。メーターにあまり頼りすぎず、 自分の感覚を信じてしっかり誘いきることが大切ですね。」 誘いのかけ方は仕掛けを上げ下げする途中に止めを入れて、ツノを躍らせるだけ。 菅野さんは幹糸とイカヅノの間を1.5cmくらいと短めにして、 速いテンポで誘いをかけられるようにしているそうだ。
好調の今シーズンはイカ釣りデビューのチャンスかも
イカは日々成長しながら次々に新しい群れが北上してくる。 仙台湾の場合、お盆を過ぎる頃から群れが沖寄りに移動するため イカ釣りの出船を打ち切る釣り船も出てくるのだが、 東北丸では9月一杯はイカを追う予定で、 もうしばらく楽しいシーズンが続くそうだ。一度爆釣を味わったら必ずハマる釣りなので、 釣況の安定している今季は初挑戦のチャンス。
これからスルメ釣りを始めるなら、まずは竿釣りからがオススメ。 竿はあまり長いものだと釣りにくいので、 2mよりちょっと短いくらいの操作性に優れたものを。 イカ専用ロッドがベストなのだが、丁度いいロッドが無い場合は貸し竿もあるから、 レンタルから始めてみてもいいだろう。仕掛けは市販の5本仕掛けでも十分釣りになる。 東北丸では釣果をスチロール箱に氷詰めにしてくれるから予想を超える大漁でも安心。 生きたイカをそのまま好みのタレに漬けて作る自家製沖漬けは釣り人だけの味覚。 沖漬けのタレはくれぐれもお忘れなく。
写真・解説/菅野順也
取材協力/東北丸(TEL:022-364-2653)
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