新潟沖佐渡周辺のオキメバル釣り

菅野順也 2022年2月24日更新

佐渡周りの中深場は、沖釣りファンなら垂涎モノの良型オキメバルを狙える好釣り場。新潟港は東北道沿いからのアクセスもよく、福島、山形といった南東北から訪れる釣り人も多いのだ。
※2011年6月掲載の記事です。

新潟西港を出港し、佐渡沖のオキメ場へ

日本海側の海が穏やかになって本格的にシーズンインした。新潟市の西北方向約45kmに浮かぶ離島・佐渡島。佐渡島周辺ではオキメバル釣りが盛んで、浅場のマダイ釣りと共に新潟の沖釣り人気を二分する釣目だ。

午前3時半、新潟西港より出船した魁明丸。船のキャビンは休憩室といった感じで広々。早朝の出船だが、ポイントまで足を伸ばしてゆっくりと休める。船は約1時間半走って、佐渡航路付近、水深98mに到着。仕掛けは胴突き式でハリ数は8～12本。ハリスの長さは30cm、枝間は50cm前後が標準的。

船縁には前から後ろまで一本つながりでマグネットが装着してあるので、エサを付けたハリを順番に置いて準備。投入は一斉投入なので、タイミングを外さないように船長の合図を待つ。もし投入に遅れた場合、無理に後出しをするとお祭りを招いて、結果的には大きなトラブルになってしまう。仕掛けの上げ下げのテンポは速く、次の回はすぐやってくるので、一回休んででも次の投入を待とう。

仕掛けは必ず一斉投入。タイミングを逃さないよう気を付けよう

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佐渡沖ではオキメバルにも誘いが有効

1投目は様子見となったが、2投目から早速数名の竿にアタリがきた。私の手にも「きたきた！」。私の仕掛けには赤い影が4つ。そこから食いはどんどん良くなり、7点、8点のゾロゾロも。終始船上は盛り上がった。

東北太平洋側でのオキメバル釣りは仕掛けをできるだけ動かさずにアタリを待つのが一般的。だが、日本海側の佐渡沖では、根の高さや追っているエサの違い、そしてこれからの時期は海が穏やかなことなどから、誘いをかけた方が有効のようだ。

実際、私が数年前に初めて佐渡沖のオキメバル釣りに釣行した時、皆さんが積極的に誘いを掛けるのに戸惑った。仕掛けを固定する釣りを続けていた私は1人取り残されてしまい、周囲の方をお手本に誘いを掛けてみたら、食いが一気に向上。ご当地式の効き目を実感した。

誘い方は、ロッドキーパーからクランプ部を外し、グリップの先端あたりを軸にして竿を上下。穂先が柔らかい竿だと穂先自体が上下して分かりづらいので、道糸のマーキング位置を目安に20～30cm程動かしてやると元気に食い付いてくる。

同時巻き上げで多点掛けを狙う

1匹掛かっても誘いは継続しよう。動かすと魚の重みで外れてしまいそうに思えるが、オモリを海底にぶつけて糸をふかさなければ大丈夫。1匹目をユラユラと泳ぐように操ればさらに追い食いしてくる。

そして数匹掛かったことを確信しても自分だけ巻き上げるのは×。群れの中から魚が浮上していくと周りの魚も一緒に浮上して散ってしまうので、船長の合図で巻き上げを開始する。テンションはあまり抜かないようにし、電動リールは中速より若干速めがベスト。

大型連発で高級ゲストも期待大!!

「ゴツンゴツン」という激しいアタリがあり、38cmも浮上。佐渡沖はとにかく型が半端じゃない。ずっしりとした手応えで、取り込みには嬉しい悲鳴が出る。当日は20～50匹ほどの釣果だったが、100匹ほど釣れる日もあるのでクーラーは50L以上を準備しよう。

そして、オキメバルを上回る高級魚も登場。幻の魚と言われるアラを釣り上げたお客さんも。この日、私には40cmクラスのクロソイが2匹、5月に魁明丸さんで出船したときには43cmのアカムツもヒットしている。

後半は佐渡島のかなり近くまで移動。佐渡汽船と行き交いちょっぴり旅気分も満喫。離島の釣りを存分に楽しめて、釣果もバッチリ。野崎明船長によれば、「オキメバルは一年中釣れますが、春から夏が一番いい時期です。今年は水温の上昇が少し遅れていますので、これから魚の反応がさらに良くなって数釣りが楽しめます。また週末の晩はアジ釣りにも出船します」とのこと。