亘理沖ヒラメ船 夏の爆釣シーズンは目前!
亘理鳥の海沖のヒラメ釣りの調子が上向いてきた。かつては8月1日解禁だった時代もあるように、夏から秋にかけてが型、数ともに狙える盛期となる。菅野順也さん父子のレポートです。
天然の良根が点在する亘理沖のヒラメ場
数・サイズ共に上昇中の東北のヒラメ釣りは現在中間期。間もなく最盛期の食いに突入する気配が濃厚、天然の根が点在する亘理沖に繰り出した。
「今年も6月よりヒラメ狙いに出船しています。シーズン当初はスローなスタートでしたが、近況では二桁の釣果も連日見られるようになってきました。例年通りの展開ですね」と、菊地憲吾船長がにこやかに舵を握る。午前4時半、亘理港より出船したきくしん丸。航程一時間で天然の根が点在する現場に到着。
菊地船長より餌のマイワシが各自の釣り座に配られて釣りを開始。餌の大きさは15センチほどで、桶の中で元気に泳ぎ回り活きが良い。その動きに期待を込めて針に付け海底に送り届けた。
がま船シーファングのヒラメ竿とマダイ竿を使用
同行した息子の真海(12才中一)が使用した竿はがまかつ「シーファングヒラメMH270」。操作性に優れた長さと食い込みの良さを兼ね揃えた6:4調子で、バランスの良さが特徴だ。
一方、私が使用したのは「シーファングマダイ50-300」5:5調子で違和感なく食わせて、のませる目的でチョイス。3メートルの長さで誘いの上げ下や、聞きアワセの幅も広く取れる。しかし、長尺の5:5調子ゆえに海底の起伏の感覚はどうしても薄れてしまう。ある程度の慣れも必要で、通好みの選択と言えそうだ。
海底の状態を把握する感度と、活きエサの操作性、喰い込み性をバランスよく備えた軽量高感度ヒラメロッド。MH270は食い渋り時も食い込みよく、様々な状況に対応できるオールラウンドモデル
美しい曲がりを特長とするムーチング設計のマダイ竿。活きイワシの釣りでは操作に若干コツが必要ながら、喰い込み性を活かすことができれば、ヒラメ釣りも十二分に楽しむことができる
一流し目は静寂だったが、二流し目で息子の竿に前アタリが伝わってきた。「ツンツン」としばらく本アタリに移行せず、私の顔を見て「どうすればいいの?」と助けを求める表情。今年から中学生になったこともあり「タイミングは自分で決めなさい。それができて釣ったになるんだぞ!」と声を投げた。すると、じわっと聞き合わせの要領で竿を持ち上げ飲み込みを促し、針掛かりに成功。55センチの本命を釣り上げた。
それから直ぐに48センチのクロソイを追加。私にアタリが来ないうちに先行されてしまった…。気が付けば、船上では他のお客さんも次々に竿を曲げている。
三流し目で二人同時にヒットとなったが、息子は当日船中最大の67センチをキャッチ。私は48センチ。朝一番のゴールデンタイムに大差となり、菊地船長から「息子に負けるようではテスター失格ですね」と声が出るありさま…。
ちょっと熱くなって親子対決?状態に
のしかかるプレッシャーをバネに奮起した私は、アタリを出すことを模索(なぜか親子対決モードに突入。中学生相手に負けん気を発揮で大人気ないが、船長も見ていて私にも意地がある!)
水温上昇中の現在では海底よりあまり離れずに補食している状況と判断。仕掛けの捨て糸部分を40センチから30センチに詰め、替え鈎を使用して、90センチにしていたハリスも初期設定の80センチに変更。餌のマイワシを海底付近に集中させて泳がせ、ヒラメの目の前に持っていき、反射的に食わせる目的だ。
すると、明らかにアタリが増えた。一旦バラしてもすぐに戻して再びフッキング。中には15メートル巻き上げて外れたが、ヒラメの視界から消えないようにゆっくり戻して、海底まで5メートルの宙で再び掛かったパターンもあった。
サイズは55センチ止まりで中型だったが、数は伸ばすことができた。息子は3匹、私が7匹の釣果となり数では勝てた(サイズではかなわなかったのだが…)
亘理沖のヒラメ釣りは間もなく大判が舞い踊る最盛期に入る気配が濃厚。突如やってくるXデーに注目だ。
貫通性に優れるナノスムースコートのチヌバリを使用した、チラシバリ3本仕様の船ヒラメ仕掛け。100cmフロロハリス付きの替えバリ仕掛もあり、状況に対応することも可能
がまかつ ヒラメ3本チラシ仕掛 HS-029 針6号-ハリス6号
鳥の海のきくしん釣具店前から出船。複数船体制でヒラメ船のほかカレイ五目などでも連日出船中!
カレイ、ヒラメ、メバル、マダイ、深海などの船釣り中心にワカサギや渓流など多様な釣りをこなすオールラウンダー。がまかつフィールドテスター、山豊テグスフィールドテスター、マルキューフィールドスタッフ、スポニチAPC、日本魚検定(とと検定)2級取得。福島市在住
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※取材・テキスト/菅野 順也
※取材協力/きくしん丸(亘理町・荒浜漁港)