青物踊る!秋の仙台湾
秋は青物の季節。仙台湾の青物といえばサバジギングが最もポピュラーだが、今季はワラサ、ヒラマサに鯛ラバのマダイなど、大型ターゲットも軒並みキャッチされている。スカっとした秋晴れのもと、オフショアの魅力を満喫!
一発大物を狙って牡鹿半島沖へ
台風接近を控えた8月28日。ちょっぴり秋の到来を予感させる晴天の中、遊漁船アーネストの青物ゲームを取材してきた。折しもジギングのサバが絶好調の頃だったが、サバは鳥山が立ったときのオマケ程度と考え、ワラサ、ヒラマサ等の大物狙いでの出船となった。ジギング、キャスティングで大型青物を追い、あわよくば鯛カブラ、ラバージグでマダイも、というのがこの日のスタンス。
この日の乗船者は、モンスタークロソイや巨大マダイに魅了された一発大物狙いのアングラーが揃った。今夏、アーネストでは80cm超のワラサや70cm台のヒラマサ、マダイなど、例年以上にいい魚がキャッチされている。仙台湾の可能性は年々広がりつつあり、釣り物は状況次第。フットワークのいいルアー船だからこそできる釣りでもあるのだ。
鳥山の下では良型のサバがヒット!
7時に塩釜・釜の渕マリーナを出船し、最初に向かったのは、牡鹿半島周辺の根周り。根にはワラサや良型のヒラマサが着いており、ジギング、キャスティングで狙う。何もない状態からぽっとヒットすることもあるのだが、魚たちが食事時になると周辺に鳥が集まって、にわかにナブラが立つケースが多く、ロッドを振りながらそのタイミングを待つ。もちろん、根周りなのでボトム付近ではマダイの可能性もあり、タイラバでゆっくりと巻き上げてからのフォールを繰り返すだけでOK。魚探とにらめっこしながら、時合いが来るのを待つことにした。
魚探をみるとベイトの反応はあり、その下には本命らしき魚影も見えるのだが、なかなか浮いてこない。釣れてくるワラサはイナワラ級止まり。タイカブラで底を狙っていた人にマダイらしい魚が掛かったが、マダイ特有の引き込みに耐えきれず、あえなくバラシ。9時半頃、ちょうど潮止まりの時間帯にさしかかるということで、沖の鳥山を狙って場所を移動した。
周囲に散発する鳥山の一つに近付き、ナブラを散らさないように、周りから大きくアプローチ。すると、ジギングで狙っていた竿にサバが釣れてきた。サイズは30cmちょっとの中型が多いが、45cmクラスの良型もポツポツ混じった。キャスティングではメーター近いシイラもヒット。希望者はおみやげ分のサバを確保し、上げ潮が入り始めた10時過ぎ、再び最初の根の近くに戻ることに。
中だるみに挫けず最後まで釣り切るべし
キャスティングで狙うような、表層近くでベイトを追っている魚は活性が高く、大型に遭遇する率も高い。では、大型青物を引き出すためのコツは?と訊ねたところ、「ハヤイ、ヤリキル、ヘンタイの3つです」と佐藤さん。「ハヤイ」というのは、基本的なアクションのスピードのこと。ベイトなどにより異なるため一概にはいえないものの大型はルアーを見切ることも多く、ハイピッチショートジャークなど、速めのアクションが効くそうだ。また、「ヤリキル」とはジギング、キャスティングともに、体力消耗の激しい動作をどれだけ続けられるか。そして、たとえ釣れなくてもロッドを振り続ける懸命な情熱をたたえたのが「ヘンタイ」の意。
この日も「もう腕が限界」を連発しながらも、ひたすらロッドを振り続けたが、残念ながらワラサはイナワラ止まり。前半にバラしてしまった後はマダイらしいアタリも無かった。それでも佐藤さんは、「サバをメインに狙えば確実にたくさん釣れるんだけど、数はいいから一発ビッグなのを釣り上げたいってお客さんが多いんですよね」。ポイントとテクニックは大分絞り込めているので、あとはタイミングと運次第。仙台湾の青物のシーズンはまだこれからだ。ちなみに、この日、乗船したグループはライトゲームも大好きで、次回は松島湾内でハゼングバトルも予定しているとのこと。これはこれで全く別の楽しみがあるそうなので、またの機会に…。
ルアー船EARNEST(アーネスト)ガイド。バストーナメントに6年間出場した経歴を持ち、海にフィールドを移した現在も新パターンの研究やターゲットの開拓に力を入れる。サンライン、ピュア・フィッシング・ジャパンフィールドテスター