釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

遅く起きた休日にゆっくり午後船で!男鹿沖カサゴ五目

田村 努 2021年3月4日 更新

春先の天候は読みが難しいです。スマホで週間気圧配置図を見て週末の出船は難しそう。それならばとお酒を飲んでゆっくり起きると翌朝は風もなく快晴…って、こんな日は無性に釣りに行きたくなります。今回はそんな時でもお手軽に足を運べる船釣りを紹介したいと思います。※2016年5月掲載の記事です。

「週末天気悪そうだね。一緒に飲みに行かないかい?」と秋田在住の沖釣り先輩、浅野さんからお誘い。気軽に飲みに行くには仙台からだと遠すぎ…しかし秋田のお酒の魅力にはどうにも勝てません。釣り道具を持たずに通い慣れた秋田へGO!って本当に釣行記か!?

秋田の日本酒でカンパ〜イ

美味しいお酒のお陰で翌る日はゆっくり起床。すると天気は予想に反して快晴!程なくして着信が、
「こんな天気良い日に釣りしないでどうするの?午後船予約するね」と浅野さん。

「見事なまでに手ブラなんです…」と言う私に、道具一式とウェア全部あるからと有無を言わさず向かった先は男鹿半島の南磯海岸線、椿地区の道路沿いにある椿釣具店さん。店主の腰山さんに乗船代をお支払いして、最近釣れている仕掛けのアドバイスをして頂き、おすすめサビキを2組購入しました。

男鹿半島の南磯海岸線、椿地区の道路沿いにある椿釣具店さん

お世話になった船は第七つばき丸の午後船で釣り物はサビキ釣りです。店舗からも歩いて行ける距離の椿漁港に12:30集合13:00出船なので早めに荷物を降ろしに行くと午前船が戻って来ました。

降りてきた釣り客の方に釣果をお聞きすると、まずまずサイズのアジ、良型の黒ソイ、ウスメバルが数匹。でも食い渋いよ〜とのお話。今日釣りが出来るだけでも幸せです。

オレンジ色のステッカーが素敵!海底制圧

「右舷側5人で片舷流しでやります。お二人様なら後部が丁度良いですね、それとロッドキーパも付いてますよ。電源も船から取れるから不要な物は車に置いて来ても大丈夫です」と泉田船長。

ちょっとしたドタバタも有りましたが何とか乗合5名で出船。美しい風景を眺めながら約20分位走ると潮瀬沖のポイントに到着です。

ロッドはグラス系の2.5~2.7m、電動リールは旧シマノ3000クラスにPE3〜4号が300〜400m位。サビキは最初は黒毛サメ腸、幹糸5号、ハリス2号の6本ハリ仕掛け。錘は100号を使用します。

泉田船長からやって下さい!の合図で空かさず投入。まずは水深50mラインを何度か流しますが、全員竿先に異常無し。午前船の皆さんの「食い渋いよ〜」とのお話しが頭を過ぎります。

少しポイントを移動して再投入し、着底すると水深75mの岩礁帯。錘の根ががり防止のため底立ちを50cm〜1m位とると程なくして小さなアタリが3回。上げると20cm位の塩焼きサイズのウスメバルが3匹。すると、右舷ミヨシの方の竿先が海面に突き刺さっています!上がってきたのは45cm位のクロソイです。仕掛けはサビキ3本バリの下に鯛カブラを付けてカブラにヒットしていました。

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サビキ仕掛けに冷凍ワカサギ?

右舷側の片側に5人並んで釣っていましたが、船長が今日の潮なら左舷側の艫に移動しても大丈夫とのことで浅野さん釣り座を移動。直後に良いアタリがあり、上がってきたのはマゾイとムシガレイのダブル!

ワカサギ餌でマゾイとムシガレイ良型ダブルの浅野さん

口元をよく見てみるとサビキバリに餌のワカサギを装着!? 仕掛けを見せてもらうと上州屋特製喰わせサビキ仕掛け。「秋田の電気釣りで威力を発揮する定番のサビキ仕掛けだよ」と浅野さん。

椿釣具店の腰山さんオススメ「実戦サビキフラッシャー6本鈎(ハヤブサ)」と「上州屋特製喰わせサビキ仕掛けミックスフラッシャー(ハヤブサ)」
ハヤブサ(Hayabusa)
潮乗り性能を追求し小魚の動きを再現。

私も冷凍ワカサギを少し分けて頂き、エサを付けるハリサイズも考慮して、仕掛けを椿釣具店の腰山さんにお勧め頂いたハヤブサの6本針サビキ仕掛けにチェンジ!下バリ2本にワカサギ、上バリ4本にホタルイカを付けて投入します。

するとゴツゴツ…ゴツゴツ…根魚系のアタリあり。下バリのワカサギに来たなら食い込ませが必要。根掛りしない程度に錘の棚をキープして一定のテンションを保ち、ゆっくり聞き上げて魚の重みを感じたら巻き上げ開始!

サビキ釣りの裏本命はカサゴ!?

浮いてきた魚はオレンジ色、もしかしてカサゴ?初めて釣りました。普段は深場メインの釣りで鬼の外道でウッカリカサゴは釣った経験があるのですが、ノーマルカサゴは釣ったことが無く素直に嬉しいです。太平洋側ではマダラの南限がいわきや平潟沖辺りとしたらカサゴの北限もその辺りと言われており、仙台っ子の私にはあまり縁の無いお魚でした。

初めてカサゴ釣りました!かわいいけど煮付け確定

すると左舷艫の浅野さんにもゴツゴツとアタリがあり。巻き上げが終わるとやはりオレンジ色が見え、タモで掬うと良型のカサゴです。やはり下バリのワカサギにヒット!もしかしてこの場所はカサゴのポイントかもしれません。「コイツは煮付けにしたら最高に旨いぞ〜」と浅野さん良型のカサゴを手にご満悦な表情です。

煮付けにしたら最高に旨いぞ〜とご満悦な表情の浅野さん

仕掛けやエサが適合した後はアタリや追食いを楽しみながら丁寧に釣っていきます!その後、メバルらしき元気なアタリ。竿先の動きが落ち着いてくるまで状態をキープしてから手巻きで2回転位巻き上げて追い食いを狙います。3回アタリがあった上でバラシのリスク軽減の為、巻き上げ開始!上がってきたのは塩焼きサイズのウスメバルが2匹とマゾイ1匹をGETです。

追い食い狙ってウスメバル&マゾイの3点掛け成功です!

東北ではキツネメバルやタヌキメバルはどちらもマゾイと言われて流通する美味しいお魚です。外見上かなりよく似ているこの2種。尾ビレや第2背ビレに白縁があり体高が低いのがタヌキメバルだそうなので、この個体はタヌキかな?まぁ旨ければどっちでもいいです(笑)

尾ビレの縁が白く、タヌキメバルらしいマゾイをGET

後半はポイント変更もあり魚食性のムシガレイが混じり、お刺身や一夜干しの楽しみが増えます。中にはソウハチガレイも1匹混ざって五目釣り達成!浮袋が飛び出てしまったメバルやマゾイは浮袋に穴を開けて指先で口の中に押し戻し、船の生簀の中に入れていたので帰りまで元気に泳いでいます。

「遊漁船はサービス業だからね」と釣り人を楽しませてくれる泉田船長

美味しく食べたいので血抜きは大切!

船長さんに港に帰船したら生簀のお魚達を血抜きするお時間下さいとお願いすると、港よりも沖合の方が水質が良いからと船を減速して頂き、その間、生簀からタモで魚達を掬い、バケツに海水を汲み、両方の鰓をハサミでパチリと切って血抜きをさせてもらいました。

船の生簀から掬い上げた釣果。何とか五目釣り達成しました!

夕陽が落ちて日が沈む頃が納竿の合図。船上の片付けやお魚をクーラに入れる作業が終わり、一段落して外の景色を眺めると男鹿三山が薄っすらと夕陽に染まります。

男鹿三山の夕景

これからの季節は水温も上がってくるので、アジ用サビキで釣ったアジを泳がせて大物のヒラメ狙うのもあり。男鹿のサビキ釣りは色々な魚が釣れます。アタリや引きで魚種を予想しながら巻き上げる魅力的な釣りです。それと午後船って本当に楽しいです♪季節にもよりますが、日本海に沈む夕陽が間近に感じられますよ。

根魚の煮付け祭
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PROFILE:田村 努

東北の沖釣りをメインに赤い魚を狙う船釣り師。最も得意とする釣りは中深場のアカムツ、オニカサゴ、アラを中心とした根魚。目標は東北の超深海釣りの開拓。仙台市泉区在住、職業はロケットエンジン用ターボポンプ計測担当

 

※取材・テキスト/田村 努

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