GWビギナー&ファミリー乗合船事情
今回は東京湾の横浜・金沢八景に向かいビギナーやファミリーにも人気の「イシモチ(シログチ)」釣りを友人と楽しむ事にしました。「レジャーとして」どれ位確立出来ているかを祝日に伺って、釣り人口拡大のための勉強も兼ねての釣行です。※2015年5月掲載の記事です。
この金沢八景エリア、日本でもトップクラスの釣り物、乗合船のシステムがあり、割引なども充実しているのが特徴です。野島公園、海の公園での潮干狩りや八景島シーパラダイスが控えており、まさにマリンレジャーのための地域。
釣行したのはGWの真っただ中。東京湾・金沢八景の黒川釣船店さんに2日間にわたり伺いました。イシモチ釣りの老舗でもあるのでビギナーにも安心。食べ方や捌き方なども丁寧に教えてくれます。
船宿に着き、船長の黒川欣也さんとご挨拶。通常なら当日、気軽に行っても釣りが楽しめますが、この日は釣り物によっては予約していないと乗れなかった人も出ていた様で、八景の船宿さん全体で同じような状況。「凄いな」と本当にビックリ。
その大多数はファミリーで「釣り船に乗って気軽に釣りをすること」が認知されて来たのは嬉しい限りです。自分が支部長を務める公益財団法人日本釣振興会神奈川支部でも「親子釣り教室」を年に数回行っています。初心者の方々に手軽にできる半日船、午前船や午後船のシステムを活用し、3時間位の短い時間で「船釣り」体験をしていただいていました。
その時にも驚くことがあり、昨年4回の釣り教室では「船酔い」者が出なかった事。酔い止めなどの対策をご案内していた訳ですが、「見事」でした。こうなるとお子様の活性がアップして「もっと釣りたいっ!」となるわけです。
子供でも簡単!イシモチ釣り
午前7時50分、満員のお客様を乗せて出船。ポイントまでは約20分。イシモチ船の他に、ライトタックルで狙うマアジ船やシロギス船もポイントが近くて大賑わい。
水深は約20メートル。基本的には胴突き仕掛けの2本バリ。イソメの一本掛けで底を狙うシンプルな釣りです。オモリは30号。マルキューさんの「投げ釣りパウダー」などでイソメが滑らないようにする事でエサを確実に早く付けられるのもビギナーにとっては大切。無用な船酔いを防ぐ事も出来ます。
オモリが底に着いたら、糸ふけを取って竿に掛かるテンションをやや抜きがちに待つと、開始直後からイシモチ独特の「ガタガタ」と竿を叩く様な大きなアタリ。
この魚、ここからが重要。このアタリで動いてしまうとまず掛からない。「えっ‥あんなに当たってたのに」と同行した友人の中澤さん。吸い込ませ方と掛け方がカンドコロ。口の周りの皮が薄く「ハリ穴」が大きくなりバレることを防ぐためにネムリの丸セイゴ系のハリを使う事が多いので、確りと掛かるのを待つのが正解。
2番目、3番目の大きいアタリで巻き合わせ。「乗せる」という感覚で巻き上げ開始。「いい引きだね」と25センチクラスのイシモチをゲット。自分も良型イシモチがヒット。時折り魚信が無くなり「あれっ」と思うと突然ビッグファイトになったりします。
暫くするとお子様達にもイシモチがヒット。さらにマアジ、シロギスも顔を見せ、船上は大盛り上がり。時折30センチクラスの良型イシモチも上がり始めて楽しそうなファミリー。よく見るとイベントでも無いのに乗合船の半分がお子様。記念撮影したりお魚を触って楽しんだり。普段の釣りで難しい事をやっていると「これが一番」と思ってしまいます。
もう一つ子供達が口のするのが「どうやって食べようか」という言葉。自分の釣った魚が食卓に並ぶ訳ですから、「褒められる事」は確実。
そこで「イシモチ」の血抜きの仕方をレクチャー。実はこのイシモチ、血抜きをして直ぐに海水氷の効いたクーラーに入れて鮮度保持をすると驚くほど美味。まして気温の上がる季節なので、必ず行いたい所です。実は、他の魚の様に鰓にナイフを入れてもこの魚、血抜きが出来ないのです。心臓が鰓の下の部分にありそこをカットする方法が一般的です。
そうしている内に自分がビッグファイト。「間違いなくあの魚‥勝負にならない」。サメらしい見事な引き。「凄い」と言う子供さん達の声にブレイクさせる訳にも行かず。「みんな見たいよね」と頑張ってみたものの、時間がかかり過ぎて船長と相談。「切りましようか」と残念ながら正体は見せてあげられなかったのですが「東京湾にはそんな凄い引きの魚が居るんだ」と見せてあげられたので良しとしました。
潮が緩むとアタリは散発になりましたが、後半は上げ潮が効き再びイシモチがヒット。お子様達も大満足で帰港。この日のトップはイシモチ25匹にマアジ、シロギス。大喜びで皆さん帰路に着かれました。
イシモチ船は連日好調!大入り状態!!
そして翌日もイシモチ釣り。この日もファミリーや女性で満員。昨日に続いて中澤さん、そしてバーを経営している女性アングラー吉田安奈さんと楽しみました。
実は休日中も営業していて、市場がお休みで魚が買えないので「調達」しに来たとの事。中澤さんは前日とタックルを変えてチャレンジ。1.8~2.1メートルの長さの竿で、ライトタックルでも東北カレイの柔らかい食わせ仕様でも大丈夫。専門の竿が無いのも、様々なトライが出来て楽しい部分。
竿と使うハリのマッチングも重要で、バランスを勉強できます。この日は少し風がある状態でしたが、前日よりも活性がアップ。初挑戦の吉田さんにレクチャー。カワハギやライトタックルの釣りをこなす女性なので直ぐに釣り方に対応。最近は本当に女性が上手。
この日もトップがイシモチ30匹前後と好調。14時30分、沖上がりの時間となりました。船宿にはBBQスペース(仕立て貸切プランにて。HP参照)や魚を捌く所もあり、楽しみ方は様々。たまには自分も息を抜いて休日に釣りを楽しんでみたい、そんな事を考えてしまうようなファミリービギナーとの釣りでした。イシモチは一旦終了で、これからの一日船は「カサゴ」こちらも高級魚。ここ数年絶好調なので期待したい所です。
また、公益財団法人日本釣振興会(http://www.jsafishing.or.jp/)では、各エリアで釣り教室が行われています。是非気軽にご参加ください。
■〒236-0028 横浜市金沢区洲崎町23-18
■TEL: 045-781-8720
http://homepage2.nifty.com/kurokawamaru/
■船長・・・黒川欣也
■現在の乗合船
・一日カサゴ7時50分出船 15時頃帰港
・午前ライトアジ7時30分出船 11時30分帰港
・午前シロギス7時30分出船 11時30分帰港
・午後ライトアジ12時30分出船 16時30分頃帰港
・午後シロギス12時30分出船 16時30分頃帰港
※イシモチは一旦終了。9月位から再開。
※屋根、流し台付きバーベキュー場あり!
貸切船+バーベキュープランでバーベキューセット貸出無料。
※女性、子供割引充実!親子ペア、男女ペア、男性3名様以上で特別割引あり。
※貸し竿無料、手ぶらで釣りが楽しめます!
横浜市在住のライター&フォトグラファー。元2輪レーサーで、「宮城ササニシキレーシングチーム」を結成するなど、宮城や東北にも縁がある。現在は大好きな釣りと魚を求めて各地を旅するのが楽しみ。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長。ブログShisen
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※取材・テキスト/山口 充