越喜来湾 初夏の船カレイ好季
今シーズンは水温の上昇が遅れ、春から厳しい状態が続いていた三陸沿岸の船カレイだが、ここにきて絶好のシーズンを迎えている。菅原正さんは岩手南部の大船渡市・越喜来湾へと釣行。高活性な初夏のカレイは型、数ともに期待できる!
※2014年6月掲載の記事です。
食い気はMAX!船カレイに最高のシーズン
みなさんご存じの通り、越喜来湾は岩手県下では随一の遊漁船基地。湾内に養殖棚が多く、カレイ、ヒラメなどの好釣り場を形成している。近年は三陸道が部分開通し、交通アクセスも良くなったことで、遠方から訪れる釣り人がますます多くなってきた。
今回、菅原さんが訪れたのは小石浜のやまきゅう龍神丸。ホタテやホヤの養殖が盛んな地区で、今回もホタテの養殖棚周りで掛かり釣りを楽しんだ。
ホタテ棚周りの水深は40mにいくかいかないか。カレイの食いはすこぶるよく、4、5か所のポイント移動だけで一人13枚から42枚と満足のいく釣果を上げた。船中トップとなる42枚を上げた菅原さんは、「ちょど調子が上向いてきたところで、35cm以上の良型ばかりとサイズもよかったです。アタリが止まったら移動したんですが、移動するタイミングになっても食い気はほとんどないものの、カレイはかなり残っている感触があったので、まだまだ魚は沢山残っていると思います」
菅原さんは得意の2本竿釣法で手返しよく釣果を積み上げた。「泥っぽい棚周りということで、オモリを寝起きさせる感じの小さな誘いを中心にしました。間に中バリが浮くか浮かないかくらいの、オモリが『ポンポン』という呼びの誘いを入れながら、オモリを『ペタペタ』と寝かせる誘いで上バリに食わせるように意識しました」
ポイントに船を固定してじっくり釣るカカリ釣りでは、カレイを寄せながら食わせるのがセオリー。置き竿にしていてもそれなりに釣れるのだが、アタリをどれだけ取れるかで釣果に差が付き、そこがカレイ釣りの面白みでもある。菅原さんはあやしい感触には全てアワせるスタイルで、微妙なアタリもしっかりモノにして釣果を伸ばした。
「実は本格的な掛かり釣りは震災後初めてだったのですが、この独特の感覚はやっぱりいいですね。久々にカレイの楽しさを満喫しました」と菅原さん。湾内の浅場でかかり釣りを最高に楽しめるシーズンは限られ、今の初夏の頃を逃すとあとは晩秋の産卵期まで間が空くだけに、水温が上がりきる前の好季にぜひとも船カレイの魅力を実感していただきたい。
志津川湾を中心に、三陸各地に釣行する船カレイ釣りの名手。最近は一つテンヤのマダイ釣りやジギングも楽しむ。岩手県一関市千厩町在住。サンラインフィールドテスター
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※取材・解説/菅原 正
※取材協力/やまきゅう龍神丸(岩手・小石浜漁港)