釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

難条件にも熱中!盛期の塩竈沖ボートロック

編集部 2021年3月25日 更新

七ヶ浜~松島湾一帯のボートロックは今がまさに盛期!条件がよければ簡単に爆釣を楽しめる季節だが、難しい条件のもと、引き出しを駆使して釣果を上げるのもまたゲームフィッシングの醍醐味。低気圧通過後でマッディな条件となったこの日、渋~い中でいかにしてナットクサイズを獲るか?アーネスト・佐藤尚行さんのプライベート釣行を取材してきた。
※2013年11月の取材記事です。

アイナメのっこみ最盛期!だが…
コンディションは最悪の激ニゴリ!

秋ののっこみシーズンのアイナメは、水温が18~17.5℃に下がったあたりから浅場のポイントに入り始める。もちろん個体差はあり、それより早くから産卵行動に入る気の早い魚もいるが、全体が動き始める目安が18℃前後で、水深2mほどのシャローに釣果が集中するようになる。

取材を行った11月14日の水温は16℃。前週に出船した際もばっちり浅い所に魚が入っており、まさにハイシーズンといった雰囲気。ただ、11月9日に出船した後は、10日から11日にかけて強い低気圧が居座り、12日、13日も低気圧の影響から釣行できずにいた。この日は天候が回復した初日で、良い凪に恵まれたものの、かなり白濁りの残る条件となった。

この日、佐藤さんは単独で釣行。底荒れによる低活性が懸念されたため、週末の営業に備えて状況を把握することも目的だった。「条件はかなり厳しいと思うけど、プライベートで釣りに集中できるのは久しぶりだから楽しみですね。のっこみのハイシーズンですので小中型の数が釣れる場所もあるんですが、今日のところは釣れればデカい!一発狙いでいってみたいと思います」

ノッコミに入るのが比較的遅めという、七ヶ浜エリアの沖根を中心に実釣した
かなり気持ちのいい凪に恵まれたが、濁りがキツすぎ。高性能なタレックス偏光グラスでも高根がやっと見えるかどうかという感じ
 
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沖根の裏側をピンスポットで攻略!

海上に出ると低気圧明けの濁りは予想以上にひどく、「これは2~3日は影響が残るんじゃないか」という状況。前回までの釣行では、奥松島周辺など島周りの浅場に乗っ込みの個体が入っていることは確認していたので、この日は島周りより産卵行動が遅めの個体を狙い、沖のスーパーシャローを攻めてみることにした。島周りは周年浅場に棲む魚が多いのに対し、沖根は深場を含む広範囲の魚が集まる傾向がある。

実釣を始めるとやはり魚の活性は低く、アタリがあってもかなりのショートバイト。場所によってはエサ盗りのフグにも悩まされた。それでも、陽が差し始めると同時にファーストヒット!その後も反応は渋いものの40クラスまでの中型を追加。

太陽が昇ってきた7時半過ぎに1本目をキャッチ!終日、アタリは少なかったが、ここから釣れるパターンに絞り込んで釣果を上げていった
佐藤さんのロッド、「ロックスイーパー・ボートスペシャル NRC-702EXH-TKR-BS(アブ・ガルシア)」は張りのあるブランクスでしっかり底の状況をキャッチ。小さめサイズの魚はティップの弾性で自然に弾き、大きめサイズのバイトであれば竿先がグッと入ってアワせるタイミングを教えてくれる、絶妙な調子に仕上がっている
ルアーは水つかみがよく、波動でアピールする「パワーベイト・ダブルホッグ」からスタート。人気アイテムではないが佐藤さんお気に入りの1個。これで様子を見て、食いが渋いようなら「ガルプ!パルスクロー」にチェンジ。ガルプ!の方が反応自体は良かったが、フグにも襲われやすく、これら2種を中心にローテーしながら攻めた(いずれもバークレイ)

「こういう濁り潮の日は、濁りのせいで魚がルアーに気付かないことが多いので、太陽が出てきて明るくなった途端に状況が好転することがあるんですよ。(真鍮の反射が目立つ)ボトムコップのようなシンカーのアピール力も大切ですよ」

また、シャローだと潮周りの影響もある程度はあるようで、日によって、上げ潮がいいとき、下げ潮がいいときがある。毎日のように出船していると、連日の傾向からだいたいの釣れるパターンは分かるそうで、「そろそろ釣れる頃だよ」と言うとそのタイミングでヒットすることが多い。ただ、5日も間隔が空いてしまうとその限りではなく、当然ながら釣れる時間帯ではないときに予想外の一発が来ることも多々ある。その時々の状況に合わせた戦略、読みで釣ることがロックフィッシュゲームの面白さでもある。

沖の根周りは、根の裏側にスポーニング個体が入り、逆に沖側にはスポーニング前の魚が捕食モードで待機している状況
沖根とはいえ、入っている根や藻の状況を見ながらの釣りになるので、性能のいい偏光グラスはマスト
シンカーはティクトより新たに発売された、「ボトムコップ・ステイタイプ」。硬いブラス素材は感度、使用感が良好なうえ、面を取ることで底を取りやすく、フラッシング効果も期待できる。仕掛けパイプを内蔵するためラインを痛めにくく、機能性もUP!また、タングステンに比べてコストパフォーマンスが高く、それでいて十分な性能を発揮する

のっこみシーズンを楽しみつくす!

この日は半日たっぷり沖根を攻めて、根の裏側(内側)で産卵直前から産卵行動中と思われる個体(アイナメは数回に分けて産卵を行う)が釣れてきた。産卵エリアのスーパーシャローの沖側には産卵前の捕食モードの魚が溜まっているのも確認。これらの魚はこれから産卵に入る予備軍となる。

また、これからののっこみシーズン最盛期は産卵に参加する魚が多くなるため、捕食のために口を使うというより、威嚇行動でルアーに反応するケースも多くなる。「コツン」という単発でフッキングしないアタリは、威嚇のための体当たりであることも。4インチくらいのヒラヒラと目立つルアーを選んだり、挑発効果があるとされる赤色系統を多用してみるのも効果的だ。

塩釜周辺でもエリア、水深によってのっこみシーズンの幅が広く、シーズンが早めの奥松島エリアはすでにスポーニング中盤以降だが、シーズンが遅めの七ヶ浜エリアは12月中旬頃までシャローの釣りを楽しめる見込み。

ボートロックの利点について佐藤ガイドは、「陸っぱりロックだと1日に回れる場所はせいぜい3か所くらいに限られると思うのですが、ボートだと色々な水深、エリアを一度に回ることができます。シーズンナルパターンやエリア、状況による釣り方など、経験値を一気に高められるので、初中級者の方にこそ挑戦してみてほしい。ただ釣れる場所に行くだけでは無いんです。今後の磯ロックや防波堤ロックにもきっとためになりますよ!」

1mほどの高根の真裏にパルスクローのナチュラル系カラー(カモ)をフォールさせ、「ポンッ」と一発バイトした45UP!プリか1回くらい産卵したかというお腹の膨らんだメスだった。食い気のある魚が少ない中、ピンポイントで狙い続けて手にした貴重な1本
佐藤さんのタレックス偏光グラスは和真メガネでオーダーしたオリジナルアイテム。「タレックスは1年くらい使っていますが、それまで使っていた偏光とは見え方が全然違うんですよ。今日みたいな濁り潮でも、他の偏光を使っている人とは見え方が断然違ったりします。例えば、手前に根が入っているのを分かって奥の根を狙うのと、知らないで狙うのでは、根掛かりする確率が全く異なりますから。偏光の性能はとても重要なんですよ」
【フレーム】VERO 2nd(ジール・オプティクス)
【フレームカラー】ガンメタル/オレンジ
【レンズ】TALEXトゥルービューシルバーミラー
アーネスト備え付けの水中カメラで底の状態を見ると‥これではなかなか食わないはず
遊漁船アーネストは、これからしばらくはシャローのスポーニングパターンで、冬場はディープのクロソイなども人気。これから始めたい人向けのレンタルタックルも充実。スピニングとベイト両方選べるが、ベイトを使ったことの無い人に挑戦してほしいとのこと(無料、要予約)。
「ベイトといっても意外に簡単です。ベイトタックルを持っていない、触ったことのないビギナーさんでも、ちゃんとやれば1日で自信が持てるようになりますよ。バックラしてもOK。ロックフィッシュのパターンや釣り方などももちろんしっかりガイドします。敷居が高いと思っているそこのアナタ!一度来てみてくださいね」
■問い合わせTEL:090-3641-4621

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※取材協力/アーネスト(宮城・塩釜港)TEL:090-3641-4621
※解説/佐藤尚行

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