釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

新緑の渓流トラウト釣行[上流域のルアー山女魚、岩魚]

色摩 陽 2021年3月30日 更新

解禁当初はルアーへの反応が鈍かったトラウトも、5月頃になると一気に活性が上がり、渓流ルアーマンにとって絶好のシーズンの到来。いざ、雰囲気抜群の新緑の渓へ!※2013年5月掲載の記事です。

宮城の渓流はこれからが好シーズン

確認しておくと、宮城の渓流解禁は3月1日です。近年は冬季ニジマス釣り場など、特別解禁河川の恩恵もあって、そのありがたみも薄れてきたかもしれませんが、やはり解禁は特別です。とは言え、その釣果までも特別素晴らしいことは珍しいかも…。釣果ナシも覚悟の上、魚の姿が確認できれば上出来ですかね?やはり寒くて雪の多い東北地方ならでは、、、です。言ってみれば、解禁こそしたものの本格シーズンはまだまだ先。そんな状況も、ゴールデンウィーク頃から変わってきます。山も緑が増え始め、ザッブザブの雪代も落ち着いて、トラウトも流れの中に顔を出すからです。

私も3月1日からポツポツと沢通いしてました。この冬は久しぶりにバルサミノーのハンドメイド熱が復活中だったので、そのスイムテスト釣行ですけどね。で、4月末辺りから「最近、魚のチェイスが目立ってきたかも」と思っていたところに、5月12日の釣行のお誘い。「渓相ばっちりのあのポイントに行かないか?」ということでした。私はトラウトハーツというルアーフィッシングクラブに入っているのですが、その宮城支部長さまからの電話では断れません(笑)。すぐに家族から日曜釣行のお許しが頂けました(ニヤリ)。

今回入渓したのは宮城のとある本流の上流域。程々に開けた渓相で、河底は岩盤、玉石、砂と変化が多く、じっくり各ポイントを釣って行けば半日は楽しめるコースです。前夜、それなりに雨も降ったし、ある程度水温が上がってから釣り始めたかったこともあって、スタートは10時前。小島さん、釣友で、あえてランディングネット不携帯の佐藤さん、私の3人で釣り上がります。まずは岩盤底のポイント、スリット状になった深みから魚が飛び出してきます。

こんなスリットが入った岩盤のポイントが多い。スリットの下がエグれていたり、中に大きめの石が転がっていたりすればグッドなんです。もちろん深い方が釣りやすい

今回のゆっくりスタートでの唯一の心配、「朝一に他のアングラーが釣った後」は避けられたようです。で、小島さんが早速釣ります。飛び出してきた魚の正体は15cm位のイワナ。ということは「今日はイワナの日かな?」。というのも、このポイントはヤマメとイワナが混在していて、その日の状況次第でどちらかの魚種に偏って釣れてくることが多いのです。案の定、目ぼしいポイント毎にポツポツ釣れるのは全部イワナ。それはそれで構わないのですが、サイズも全部手のひらまで、、、4月の沢なら納得ですが、5月の本流です。これでは困ります。

まあ、困っても仕方ないので先頭を代わりながら、そのまま釣り上がります。と、佐藤さんが先で呼んでいます。「すくってくれ」だそうです。だから入渓する前、2人で「ネットは?」って聞いたのに(笑)。小島さんが自分のネットに入れた魚は33cmのイワナでした。岩盤の落ち込みから玉石底のヒラキにかかるポイントでレンジを下げ加減にしたら釣れたそうですが、、、きっと、釣れたのはネットを車に置いてきたからに違いありません(笑)。カメラ持ってなかったり、足場の悪い所で釣っている時に限ってデカイのが掛かったりってないですか?まあ、妬むのはこの位にしときます。自作ハンドメイドミノー縛りで釣っていた私も、この後サイズアップに成功できたしね。玉石と砂が混じったザラ瀬のポイントでチビヤマメも釣れ始めていましたが、ここで切りの良い退渓点。相談の結果は「とりあえず車移動で遅い昼飯」となりました。

佐藤さん、イワナ33cm。小島さんが苦笑いしながらすくってました(笑)。いつも釣ってるのかもしれませんが、私と釣行だと更になのか???昨年の6月1日も隣で2本サクラマス釣られたし。。。
自作バルサミノーにヒットしたイワナ。それほど大きくはありませんが、自作で釣ると嬉しさ倍増。水玉大きめ、腹のオレンジも薄めのイワナが多かった
釣行日にはイワナだらけの上流部でポツっと混じったヤマメ。ザラっと流れるいかにもな瀬の中で釣れてました。思い出すと昨シーズン来た時はヤマメが多かったような???
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中流域に降って高活性なヤマメと遊ぶ

渓は季節変わりの真っ最中。葦原の河原は冬っぽくても山桜は丁度見頃。渓流アングラー的にはこの風景まで全部まとめて釣りの楽しみだと思います

昼飯タイムに「やっぱりヤマメでしょ」ってことで、そのまま中流部の区間まで下って2ヶ所目。田植えをしている場所よりも下流。当然、水色は茶色気味です。もともとクリアな区間ではないので大丈夫なハズという訳で気にしないで釣り上がります。

実は数日前に佐藤さんが今回の入渓区間よりほんのちょっと上流の区間でバンバン釣ったって話も聞いてました。果たして、、、なかなか好調でした。川幅も三人同時にキャスト出来る位に広がっていたこともあって、ポイントによってはダブルヒット、トリプルヒットも!それも極端なチビは混じらず20cm以上で今時期なら十分満足できるサイズばかりでした。

移動後のヤマメポイントにて。ランディングしながら撮影してみました。このサイズがポンポンとヒットします。写真でも上流と全然水色が違うなあ、田植えの時期ならでは、、、です

元々ヤマメが着きやすいポイントの多い区間なのですが、午後の遅めの時間で魚が釣りやすい流れに出てきてくれていたのかも知れません。釣り飛ばせば30分の区間を2時間かけて釣り上がって終了。午前からの区間とこの区間を合わせれば、一人10尾以上は楽に釣ったはず、、、一日の釣果なら十分すぎる結果だと思います。個人的には、アワセが原因と思われる「フッキング後即フックアウト」を2回程ヤってしまい、フッキング練習を決意しました。数が釣れる時期にやっとかないとヤバいんですよ。毎年、夏を過ぎてから後悔してますから。

『トラウトハーツ』の県外メンバーからも宮城遠征を打診されていますが、宮城県内の渓流トラウトはいよいよ釣りやすい時期になってきたと思われます。現実としては、原発事故の影響で入渓自粛やキープ不可の渓もあります。ホームリバーで入渓出来ない場所があるのは残念ですが、元々キープはしないし、まあ、ダメなものはダメなんだから仕方ないと思ってます(個人的には)。

しかし、それでも今時期、宮城の渓流、楽しいです。山の緑はきれいだし、風も気持ち良いし、何より、意外にイージーに釣果が出ちゃう!アッチやコッチの渓流に節操なく通って結構になりますが、今時期から梅雨明け位まではどこの渓もチャンスですよ!!

スピナー好きでヤマメ好きの小島さん。楽しそうです。本人に言わせると趣味だそうですが、ランディングネットやフィッシングプライヤーのビルダーだったりします。腰の新作プライヤーは全スタッグ仕様でした。ちょっと欲しいかも

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取材・テキスト/しかま陽(鱒心~トラウトハーツ~)

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