釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

歌津沖でスロージギングのスキルUP![アイナメなど根魚にマダラもヒット!]

牧野 隆明 2021年4月4日 更新

仙台湾、三陸など各地で人気急上昇中のスロージギング。歌津(南三陸町)の大隆丸では去年の6月頃からテスト釣行を繰り返してきた。この春はアイナメとタラが絶好調!ビギナーが練習するのには、もってこいの状況となっている。※2013年4月掲載の記事です

3月22日、歌津沖へ出船!船を立てて直下の根を攻める釣りなので、ラインの細さとウエイトにさえ気を付ければエサ釣りとの同時進行も可能
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スロージギング 今が始めドキ!

「スロージギングは去年の6月半ば頃、ヒラメ釣りが始まったあたりからやっています。アイナメはエサ釣りより食いがいいときも多いですし、もちろんヒラメも釣れてきます。青物シーズンは青物も反応するので、ほぼ年中いろいろな魚種を狙えますね」と話すのは、大隆丸の牧野船長。

カレイ船やロックフィッシュ船などで経験豊かな牧野船長。スロージギング(スローピッチジャーク)の魅力については、「長時間釣っても疲れにくいこと」、「色々な魚種が釣れて面白いこと」の2点を挙げる。

また、今年はタラの魚影が非常に濃く、簡単に釣れてくるので、初めての人がスロージギングの練習をするのにも最高の状況。アイナメとタラとでは食わせ方も全く異なるのだが、色んなアクションを試しながら、様々な魚を釣って楽しむことができる。

メインターゲットはアイナメ。スローピッチジャークへの反応がよく、中層までジグを追ってくることも多い
クロソイなどのソイ類も重要なターゲット
今年の三陸沿岸はタラが非常に多く、春以降もしばらく狙えそう

タックル一式揃えれば ほぼ年中狙える!

春先のメインターゲットになるのはアイナメ。食い気の上がる季節にあたり魚のコンディションもよく、50UPもコンスタントにヒットする。ポイントの水深は50~90mで、まとまって釣れるのは50m前後。90mくらいの深場になると魚影は薄くなるが、型のいいのが出るというのが、今時季の傾向。

タモ枠50cmをギリギリオーバーする52cmのアイナメ。50UPも十分に期待できる

メタルジグは水深、潮流に合わせて100~150gを使用する。数あるスロージギング用の中では、あまり幅が広く無く、スライド幅が大きくないタイプがこの季節のアイナメには適。初夏になれば幅広タイプの派手なスライドにもガンガン食ってくるそうだが、春先のアイナメは高速スライドには反応しきれないらしく、アタリがあっても乗らないことが多くなるとのこと。

フックはフロント、リアともにダブルフックを装着。このとき、リア側はアイに直接付ければOKだが、フロント側のフックはローリングスイベルのリングの部分にフックを結んでいる。これならフロントのフックは着けたまま、簡単にジグをチェンジできる。

実績の高いジグは、フラッシュ(シャウト!)、激投ジグ レベル(オーナーばり)、バックドロップ(ダミキジャパン)、スローブラッドS(アングラーズリパブリック)など。重さは100~150g
前後のダブルフックはジグの動きの妨げにならないように装着。リア側はジグのアイに着けるが、フロント側はローリングスイベルにセットするのが牧野船長おすすめ

お次はタックルだが、スロージギングのアクションをきっちり出したいなら、スロー用に専用ロッドを用意したい。手持ちの青物ジギング用で流用することも可能だが、タラを狙うなら問題なくても、根魚にしっかり食わせようとすると釣果に差が出てしまう。

リールは小さめのジギング用。パワーハンドルを装着しているものがベター。あまりサイズが大きすぎるとタックルバランスが悪くなるので注意しよう。ラインはPE2~2.5号、リーダー40~50Lb。根掛かりもあるので、あまり細くしすぎるのは×。

ロッドはメジャークラフトのジャイアントキリング・スローピッチシリーズやパームスのメタルウイッチシリーズなどから負荷の合うものを選択。リールはシマノのオシアジガー1000番やDAIWAのリョウガ2020番クラスが適
スロージギングのタックルは軽くて繊細だが、ただ軟らかいわけではなく、ブランクスの弾性でアクションをつけられるようになっている

フォールを多用するとタラやソイが食ってくる

スローピッチジャークは、着底したジグにロッドの弾性でアクションを付けながら巻き上げる、タテ方向の釣り。「アイナメの場合は10~15mくらい上まで食ってくるので、気を抜かずにアクションを続けることが大切です。あと最近は、途中にポーズを入れてみるのも効果的ですね。巻き上げ途中にちょっとだけ操作を止めると、追ってきたアイナメがその瞬間に食ってくるってことがよくありますよ」

冒頭にも述べた通り、今年はタラの魚影が非常に濃く、タラ中心の釣果になることも多いのだが、タラとソイはボトム付近に反応が集中する傾向がある。タラはそのほとんどがフォーリング中にバイトし、好調の今季は、反応のある所に落としさえすれば何でも食ってくるような感じだとか。また、ソイにもフォールが有効で、ソイはジグが着底する寸前に食ってくるようなケースが多いそうだ。

タラはエサをたっぷり食って、ふっくらとした魚体のものが多かった。今の季節のメインベイトはメロウド(イカナゴ)
タラが吐き出したカレイ(おそらくマコガレイ)。この他に、カレイをもう1枚とさらにタコも食っていたそうだ

大隆丸のスロージギング船は、カレイ、アイナメ狙いの根周り五目と同船して狙う。反応のある根の上に着けて、タテに狙う釣りなので特に問題は無いそうだ。さすがに、エサ釣りとスロージギングを両方やる人はあまりいないが、青物ジギング用のスピニングタックルを持ち込んで、エサ釣りに飽きたらタラを狙うという人は多いそうだ。

今のところ、乗船者はスロージギングを始めたばかりの人がほとんど。釣況の安定している最近は、予想以上の釣果に驚く人が多いそうだ。船中みんな初級者だから、分からないことがあっても気兼ねなく船長に訊けるはず。これからはヒラメも狙えるし、ほぼ年中使えるテクニックになるはずなので、今のうちに先取りしてマスターしておくのも良いのではないでしょうか。

これからさらに食いのよくなるアイナメとともに、タラも格好のターゲットになる
エサ釣りの人には根魚のほか、ムシガレイ、マコガレイも釣れていた
最近、仙台市から通っているという保田さんも良型のアイナメをキャッチ!
十分な釣りスペースのある大隆丸。このほかに、湾内のカレイ釣りなどに使う和船タイプもある(カレイも4月から本格シーズンイン!)。牧野船長は復興商店街の隣でショップも営むなど、テクニックにもかなり詳しいのでいろいろ質問してみると勉強になるはず。スロージギングの乗り合い料金は7,000円。南三陸町の歌津から5時出港。詳細な出船場所、駐車場所については予約時に確認を。
■予約TEL:0226-36-3732


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【伊里前漁港】
国道45号線沿い、伊里前復興商店街(隣接地)に大隆丸の店舗がある

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※取材・解説/牧野 隆明(大隆丸船長)
※取材協力/大隆丸(宮城・伊里前漁港)TEL0226-36-3732

PROFILE:牧野隆明

大隆丸代表。オリジナルカレイ仕掛け「爆笑君」を考案するなど、船長業のかたわらで釣技の探究にも力を入れている。ロックフィッシュやジギングなどのルアー系釣種も経験豊富

 
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