釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

志津川湾のヒラメとカレイ

針生 秀一 2021年4月9日 更新

南三陸の志津川湾で、ヒラメ船が開幕から好調を維持している。そのかたわらで春からずっと釣れているカレイ船。志津川のカレイ船といえばマコガレイだが、今季は夏のナメタガレイも好釣中!ヒラメもカレイも釣れ盛る、最高の夏シーズンを迎えているのです!※2012年8月掲載の記事です。

ヒラメ船とカレイ船の両方を満喫!

今年も厳しい残暑が続いていますが、そんなときにハイシーズンを迎えるのが東北のヒラメ釣り。スタートから好調に釣れているのが、県内屈指の好フィールドとして知られる南三陸志津川湾です。

甚大な震災被害から立ち上がり、今春から営業再開した志津川戸倉港の三浦屋も、新船を稼働して連日の好釣果を出しています。

横浜在住の釣友、アルファタックルフィールドテスターの伊井泰洋さんは、釣り河北・釣果速報をチェックして、夏休みの東北釣行を計画。その一番の希望は志津川湾で、「ぜひ三浦屋の船で釣ってみたい」とのこと。さっそく8月21日にヒラメ五目、23日に仕立船のカレイの予約を入れました。

8月21日、早めに出発して夜明け前の志津川湾に到着すると、プラネタリウムのような満天の星空です。午前4時すぎには店舗に明かりが灯り、釣り人が集まってきました。見過ごして通り過ぎ、震災前の三浦屋まで行ってしまった人もいて、連絡を受けて戻ってきます。

当日のヒラメ船の予約は6名。じゃんけんで席順を決めてから港に向かいます。出船時間は潮が高く、船外機船で港外の「明丸」に渡って乗り込みます。伊井さんと私は右ミヨシに入り、5時前に出船しました。

イケスには充分と思われるイワシが入っていますが、定置網からさらにイワシを買い足して沖に走ります。神割崎を回った沖合でスローダウン。各自、イケスからバケツにイワシを移して準備します。当日のイワシはヒラッコと呼ばれる12cmくらいのマイワシが多く、これならエサ持ちが良く、エサ付けもイージー。手早く上バリから順に上顎にハリを刺し、投入のホーンと同時に投入します。

静かな朝の志津川湾。湾口に昇る朝日
イケスには十分な量のイワシが入っています
定置網からイワシを直接買い付けます
私のタックル。シマノのフォースマスター800MKに海攻ヒラメタイプⅡの270。道糸はPE4号です

水深は40mほど。砂地に根が点在するところを、ゆっくりと流していきます。すると左大ドモで40cmほどのヒラメが上がり、続いて左ミヨシでも同サイズと連続します。これを見て、少し高めにタナを取り、サミングを入れて落とし込んだところでククッというアタリ。船の上下を竿の操作でかわし、食い込みのアタリを待つと、グッと竿先が持ち込まれました。すかさず竿を立てるとズシンと心地よい手応え。これは最初から決まった!とリールを巻き始めたら、10mほど巻いたところでハリ外れのバラシ。アリャ~、ファーストフィッシュのバラシはゲンが悪い…。

隣の伊井さんは40cmほどのヒラメに続き、2kgのイナダと3.6kgのワラサを連発。「アタリが多くて面白い」と楽しそう。三浦明船長から「イワシが弱っていると食わないよ。まめに付け替えてくださいね」とのアナウンス。「こんなに沢山のイワシを使えるというのは、関東のヒラメ釣りでは考えられないね(笑)」と伊井さん。

当日の仕掛けは三浦屋特製2本バリ。この仕掛けは、上の短いハリスでイワシを激しく泳がせてアピールを狙い、下のロングハリスに食わせるという組み立て。高ダナが効く大型ヒラメ狙いにも向き、ヒラメがベイトに着いているような高活性時には、上バリに食いつくことも多いのです。

イワシが小さいときでも、2本バリでアピールを高める効力があります。私は、この効果を狙って、より大き目のイワシや、イケスに混じる小サバなどを上バリに刺しています。三陸のヒラメ釣りに合わせて考えられた仕掛けで、高低差のある岩礁帯を釣るときにも適切です。

スタートから次々と竿が曲がる!
早アワセで惜しいことしたなぁ~
三浦屋特製ヒラメ2本バリ仕掛け。オモリは50号です
続々とヒラメが取り込まれます

マメに流し替えて神割崎沖を攻めていきます。左舷側は特に好調で、トモで2本バリの上バリに50cmのヒラメが釣れたのに続き、ミヨシでも当日最大の59cmが取り込まれます。伊井さんも40cmクラスを連続キャッチで4枚目。私にもアタリは多いのですが、外しまくって38cmのソゲ級がやっと一枚。船中スソですわ…。

左トモでワラサが掛かり、みんなが注目していたところ、私にグッグッという明瞭なアタリ。これは外せないとタイミングを計り、少し聞き上げて食い込みを促すと、大きく竿先が引き込まれました。これを無事に取り込んで2枚目です。

大型は出なかったものの、肉厚で食べ頃サイズの1~2㎏主体に釣れてきました
当日最大の59cmのヒラメ
伊井さんに強力な引き込み!3.6kgの立派なワラサでした!
私にもやっと1kgのヒラメ

9時過ぎに「岩場に行きますよ」のアナウンス。5分ほど走って60mダチで投入のホーン。すぐに伊井さんの竿が引き込まれて、30cmほどのアイナメをダブルで取り込みました。

高低差が5m以上ある岩礁。丹念に底ダチを取り直して誘い釣ります。オモリが岩を擦ったような感触に竿を立てると、ガッツンと激しいアタリ。電動丸のチョイ巻きボタンを使って手早く根から離します。強力な首振りの引き込みは、47cm、1.6kgのアイナメと28cmのマゾイのダブルでした。

60~80mの岩場を次々に攻めていきます。さすが船長の引き出しの多さ。私にもソイ、アイナメが次々に釣れて、クーラーが埋まってきました。開始から好調の左トモの方は、大型メバルにマゾイ、アイナメも連発。最後の流しでは1.5kgのヒラメも追加して、7枚のヒラメで竿頭。75Lの大型クーラー八分目という大釣りです。

伊井さんも良型アイナメを揃えて満足で、午後1時の沖揚がりを迎えました。35~59cmのヒラメが2~7枚に、アイナメ、ソイ、メバル多数。他、2~4kgのイナダ、ワラサが数本という釣果でした。

下船後に、翌々日のカレイ釣りについて、かかり釣り初トライの伊井さんに、三浦明船長からのアドバイスを聞いて帰路につきました。

岩場に移動するとアイナメ、ソイが連発!私には1.6kgのアイナメと28cmソイのダブル!
フォースマスターのチョイ巻き機能が役立ちました
竿頭はヒラメ7枚とアイナメ、ソイ、メバルに4kgクラスのワラサで大型クーラーを埋めていました
ヒラメ釣りで乗船した新船の「明丸」。快適な大型船です
三浦屋の店舗。以前より手前の波伝谷漁港前の国道沿いにあります

ナメタも狙える!夏のカレイ船

23日も海は穏やか。三浦友和船長の操船で午前5時に出船し、湾口部の50mダチからスタートです。夏の高水温で、泥底主体の深場にオモリ30号で一本竿。これは早春の低活性時の釣りに近く、最も難しい条件でしょう。

最初はリリースサイズのマコガレイにマガレイがポツポツ。「泥場でもマガレイが釣れてくるのですよ、津波で底質と水質が変わって、潮の通りが良くなったのでしょうね」と友和船長。

歌津寄りのイカダ周りに移動すると、40cmUPのマコガレイ。当日のカレイは誘いからの食い込みが渋めで、誘い過ぎは見切られるような感じです。食い込みも浅く、即アワセではスッポ抜けることも多く、食い込ませる間合いの取り方が掴みにくい。

いろいろな小突き幅とスピードを組み合わせて、そこから止めに入るタイミングをいろいろと試してみます。クッという微妙なアタリから止めて、カウントして合わせるというパターンを掴み、ナメタ、マコを連発します。小突きのスピードはゆっくりとアクセントをつけて。誘いからの置き竿も有効でした。

伊井さんは適当な誘いを掴めず苦戦でしたが、後半はタイミングが掴めてきたのかマコ、ナメタを連釣。「仙台湾のマガレイとも違う面白さ。これは東北の釣り人がカレイ釣りに夢中になるわけだね」。こんな難点がマコガレイ釣りの魅力のひとつであります。

午後1時の納竿で、船中31枚のカレイ。私は30~47cmのナメタ6枚に23~42cmのマコが10枚でした。ナメタは船中10枚も釣れてきて、友和船長も「夏場にこんなにナメタが釣れるのは珍しいことですね」と話します。これは当日だけのことではなく、船中30枚以上のナメタが釣れた日もあり、ナメタを11枚釣った人も出ているのです。夏のナメタの刺身は、釣り人だから味わえる極上の料理ですよ。

ヒラメに根魚、そしてマニアを唸らせる釣りと食味が楽しめるカレイ、ともに期待充分。みなさんも癒しと釣果を求めて、南三陸に釣行してみては!

プリッと厚い!夏マコガレイ
柔軟な曲がりで水を抱き、強力に引き込むナメタガレイ。これは47cmでした!
ダブルで取り込む三浦友和船長
伊井さんにもナメタが釣れて、船中ナメタが10枚!
帰港してからの談笑が楽しい。熱心にカレイ釣りを解説する三浦明船長。これはタメになりますよ~!
PROFILE:針生秀一

船釣りを中心に、防波堤や河川の小物釣りなど、なんでもこなすオールラウンダー釣り師。全国各地の釣りと釣り具の知識が豊富で、釣りの生き字引的存在。泉区のロックバーラグ(Rag)オーナー。シマノフィールドモニター

 

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※取材・テキスト/針生 秀一
※取材協力/三浦屋(宮城・志津川戸倉漁港)TEL:0226-46-9339