松島湾の環境再生へ!親子で生物観察[宮城塩釜のアマモ場再生・自然観察フィールドワーク]
アマモ場を通じて海岸の環境について学ぶ
8月22日(水)、マリンピア松島水族館と松島海浜公園前のどんぐり浜において、夏休み中のファミリーを対象にした環境学習イベント「親子で学ぶ松島湾の海辺」が開催された。
このイベントを主催したのは、松島湾の海岸環境の復興を目的と設立された「松島湾アマモ場再生会議」。松島湾内のアマモ場は震災による津浪で大部分が失われたが、様々な生き物の涵養の場として、アマモ場を中心とした湾内環境の再生を目指している。今回のイベントはアマモ再生活動への第一歩として、子供を含む一般の人たちに海岸環境やアマモに興味を持ってもらえるよう企画された。
当日は50人強の親子が参加。マリンピア松島水族館での講義の後、すぐ近くのどんぐり浜へ移動し、海岸やアマモ場の生物を観察した。引き網を使用した調査ではハゼやモエビなどが採取され、色々な生き物に触れて子供たちも大喜び。海岸のレクリエーションを楽しみながら、海岸の生態系について学習した。なお、今回は宮城県の特別採捕許可を得て調査を行っているが、本来、網を使って生物を捕まえたり、持ち帰ったりは出来ないので注意が必要だ。
■日程:2012年8月22日(水)8:00~
■主催:松島湾アマモ場再生会議
■共催:みなと総合研究財団
■後援:国土交通省東北地方整備局 塩釜港湾・空港整備事務所
■協力:東北区水産研究所、マリンピア松島水族館
どんぐり浜の生き物観察
アマモ場の再生へ向け、基礎調査が始まっている
観察会の終了後、午後からは国土交通省東北地方整備局 塩釜港湾・空港整備事務所の主催により、桂島の引き網調査の模様が公開された。調査ポイントとなった白崎浜は震災後もアマモの残存度が比較的高く、現在、松島湾内で最大規模のアマモ場となっている。
網を入れるとその生物相は非常に豊かで、アマモ場や藻場に特有のタツノオトシゴ(サンゴタツ)や宮城では珍しいはずのアオリイカの新仔などもみられた。中にはタケノコメバル(ベッコウゾイ)やクロダイ、メジナ、ハゼなど、釣り人になじみ深い魚種も。
震災前の松島湾内にはこのようなアマモ場が数多に点在し、メバルやソイなどの根魚類やクロダイなどを育んできた。アマモ場を増やすことが、結果的に釣魚の魚影を保つ上でも重要な意味を持つはずで、われわれ釣り人としてもこういった活動に今後も注目していきたいところだ。
桂島・白崎浜の曳網調査の様子
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※取材協力/松島湾アマモ場再生会議 ほか