釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

梅雨の渓 ~ハンター塩津 山間渓流の良型ヤマメゲーム~

塩津 紀彦 2021年4月13日 更新

街の喧騒を離れ、
深い緑の森に守られ、
鳥の鳴き声や川のせせらぐ音しか聞こえない。

そんな静寂の渓に足を運びたくなるのは私だけではないだろう。特にこの時季の東北の山々は、草木が生命感にみち溢れ、これでもかと言わんばかりの勢いで森を覆い隠す。その景色や空気感は厳粛な感覚を越え、神々しさすら覚える程である。

そんな山間渓流に今回は訪れてみた。※2012年7月掲載の記事です。

「緑が濃い」まさに東北の森

と、まぁちょっとシリアスな感じに書き始めたものの、このままでは息が詰まるので、いつもの釣行記文にここからはシフトチェンジ(笑)

今回の釣行は6月30日。東北の河川はアユの保護のため、7月1日に解禁を迎えるまでの3週間くらい川止め(一切の釣りや漁が禁止される期間のこと)になります。

ですので、とりあえず中流域は釣りが出来なかったりするため、今回は山間の渓流を訪れてみました♪

渓谷沿いはこの時期でもまだ背丈程の雪が残っています

朝4時に川へ到着すると、既に7台もの車が渓谷へ入る駐車ポイントに…。さすがにハイシーズン。そして私と同じで中流を避けて来た方が多いんでしょうね。

とりあえず入渓ポイントをチェックしながら、先行されている方の邪魔にならないエリアに入ります。

雰囲気満点!なのですが….

とりあえず、崖を降りてあちこち撃ってみると、朝イチなのにNOバイト、NOチェイス、 NOライフです…。

おかしいなと思っていたら、見事に先行されているアングラーの方が…(汗)。大きく移動です。

最初のポイントより3kmくらい山道を歩き、皆さんの邪魔にならないエリアに入渓。

するとようやくぽつぽつチェイスが見られるようになり…モーニングヒット!

綺麗なヤマメちゃんです

「流れの中の宝石」とはよく言ったものですね。とりあえず顔が見れたのでひと安心。

そしてキャストを再開すると…キラっとルアーの横で光ったかと思ったら
「ズドン」
と引ったくるようなバイト!

砲弾の様な体高♪

尺には届かないものの、パーマークの綺麗なヤマメちゃんでした。

その後もぽつぽつとヤマメ達が顔を見せてくれます。

そうこうしていると徐々に朝モヤも晴れて、梅雨の晴れ間が顔を出してきました。それと同時にヤマメ達も沈黙…。

朝のボーナスステージは終了した様なので、今度はイワナくんを狙いに更に源流部に歩いて登ってみます♪

春ゼミの鳴き声が響きわたる渓流…。

いとおかし

トンボもぼちぼち夏が近付いていることを教えてくれました
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夏岩魚を求め源流域へ…

もうすっかり日が昇り、日差しは初夏の香りを運んできます。そしてそんな強い日差しのおかげでイワナくん達は木陰に避難中。

↑こんなオーバーハングの下に隠れとります

ポイントは絞り易いのですが、キャスト精度が試される匠の釣りになります…(汗)。しかしながら釣り辛い場所ってこともあり魚はピュアな反応です(喜)

ヤマメよりも根魚に近い馴染みのある風貌です

ここぞ!というポイントからは、20~25cmがアベレージながらも、ぽつぽつ釣れてくれます♪

そしてたまに28cm位のが混じります
お腹の黄色が濃いほど得した気分になるのはなぜでしょう?
癒し系イワナくんです

今回は癒しの釣りだからサイズにはこだわらないことにしてたんですが、これだけ数が釣れると
「尺くらい越えてくれないかな?」
と、俗的な衝動にかられてきます。
まだまだ青いですね…(苦笑)

だいぶ釣り上がったエリアで、淵が丁度よい流れになっているポイントに到着。

ここには居るでしょ、っていうお手本ポイント

偏光グラスで確認すると、尺クラスがボトム付近に2~3匹クルーズしているのが見えます。

早速キャストするも、何かが気に入らないらしくてUターン…。立ち位置を変えて流す角度とコース、レンジ、アクションと、いろいろ変えながらキャストを繰り返しているとようやく会心のバイト!

やっとこさ釣れた32cm
可愛らしい顔つきです♪

さて、やっと納得のナイスサイズが出たので、最後に大場所でダメもとの一発大物狙いをしてみましょう。

土曜日ということもあり、だいぶ攻められた足跡だらけです…。でもまぁ降りたからにはとりあえずキャストしてみましょう。

…。

しかしながらノーな状況が1時間くらい続き
「やっぱりダメか…」
と諦めた時に、淵の底から突き上げるように何かがミノーに襲いかかります!

フックアップし、魚を確認すると30後半の特大ヤマメさんではありませんか!してやったりと思った瞬間にミノーが口からポロリ…(涙)。千載一遇を取りこぼしましたよ…。

その後しばらく未練で同じポイントを攻めるも、釣れる訳もなく無駄に時間を消費。

やっと諦めがつき、先程のポイントの少し上流の淵へ移動。

とりあえず本日のハイライトは終わったのだろうと、脱力感たっぷりでキャストを繰り返していると…
「ギラっ」
とミノーの通過した後ろで何か動いたような?

もう一度同じラインを流すと、やはりボトム付近に何か違和感が残る影が見える気がします。

偏光グラスのおかげで「何かの違和感」を察知

やはり偏光グラスは渓流釣りには必需品ですね。攻めるレンジを深めにしてリトライ。

するとやっと違和感の正体判明!特大イワナ様じゃございませんか!

猛然とチェイスしてきてミノーをバッコリ丸かぶりです(驚)。大物用のタックルでしたので、一気に勝負を決めて無事にネットイン!

軽く50cmを超える巨体
しかも完璧なプロポーション
渓流でこのサイズは凄くデカく見えます…

さて、そんなこんなで今回の釣行記は終了です。今回は偏光グラスの大切さを痛感させられた釣行でした。

東北の梅雨はこれからが本番です。梅雨は雨が山々や川に生命の力を注ぎ、自然界がみなぎるパワーに覆われる季節です。そんなマイナスイオンたっぷりの渓流の癒しのトラウトフィッシング。是非皆さんもお出かけになって下さい。

なお、偏光グラスについては先日アップされた「my偏光グラスで釣りの楽しさ劇的UP!」を御覧下さい(^_^)

PROFILE:塩津 紀彦

磯ロックがブームになる以前から牡鹿半島の磯に通い、50UPベッコウ&アイナメを狙っていたロックフィッシュハンター。険しい、キツイ、危険の3Kを乗り越えながら、数々のモンスターを仕留めてきた。茨城県在住。チーム・ハンター所属。ピュア・フィッシング・ジャパン、サンライン、パズデザイン、がまかつフィールドテスター

 

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※取材・テキスト/塩津紀彦

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