釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

磯ロックシーズンイン!…間近?

塩津 紀彦 2021年4月16日 更新

ハンター塩津、金華山へ!といっても今回は、観光シーズンを前にしての安全確認が目的。同行者は金華山の主ことロックマン阿部氏。せっかくなので、試しにロックフィッシュも狙ってみることに…。
※2012年5月掲載の記事です。

今回は釣りが目的ではありません!

ゴールデンウィークになり、ようやく遅かった春の訪れを迎えて桜が咲き誇っている今年の東北界隈。

ぽかぽか陽気に誘われて、フライングは承知の上で金華山へ行ってまいりました!

震災と台風による土砂災害の跡が生々しい金華山参道

さて、今回の目的なんですが、実は金華山海上タクシー組合さんの依頼で、観光や釣りシーズンを迎えるにあたり、昨年の震災と昨年9月の台風のダブルパンチで被災した金華山の山道や林道、磯場などの現状視察と危険箇所の捜索をするために行ってまいりました。ですので、あらためてはじめに言っておきますよ!

「釣りは2の次です!」

 

金華山登山(?)スタート!

1日目

毎度お馴染みのシードリームさんで鮎川より出発し、いざ向かう先は久しぶりの金華山。

ゴールデンウィークなので観光客の方と乗り合いで金華山へ

今回は金華山港から登山し、反対側の千畳敷に行く山道を越え、千畳敷から灯台までの林道を抜け灯台付近でキャンプ。次の日は灯台から港までの海側ルートの視察&危険箇所の捜索。といったスケジュールで行ってみました。

約20kgの荷物を担いで、海釣りなのになぜかまずは登山です…

まずは山越えです。昔は観光地として栄えた金華山道ですが、最近ではすっかり昔の栄華は薄れ、使われなくなった山道は自然に飲み込まれてしまっています。

道の跡がちょこっと残っているだけで、ルートはほとんどカンが頼りです

しかしながら、山道は懸念されていたような地震や土砂災害の箇所も無く、ルートとしては使用可能。ですが、あまりにも野生に戻り過ぎているため、土地カンのない方にはオススメ出来ません。行かれる際には必ず山道ルート経験者の方との同行でお願いいたします!

倒れた杉が朽ち果て、苔むし、そして新しい命の再生
森の中ではさすがはシシ神の森と言われるだけあってあちこちで鹿達に会います
金華山固有のスカラベ。彼らが動物の糞を土に還していると共に、植物の種子を発芽させるのにも一役買っている
まぁそのなんですが…ついでに千畳敷で釣りしてみました…

そして今度は千畳敷から灯台まで行く林道。こちらはだいぶ地震の被害と言うよりは台風の被害の方が酷く、あちこちの沢で地滑り、崩落が見られます。

沢付近を歩く際には足元が空洞になっている場所もありますので、充分気を付けて歩いて下さい。さて、そんなこんなで1日目終了です。

「魚の写真がないんですけど?」ってお思いのそこの方!初めに言ったでしょ。「釣りは2の次」って…。

初日の成果=結構頑張ったけど、二人共にNF(ノーフィッシュ)です…。

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釣行モードにスイッチON!

2日目

さてさてどうしたもんでしょう…。水温は7~8℃。金華山は半島や仙台湾側よりも水温の上昇が遅いため、例年シーズンスタートが遅いのが特徴です。さらに海の中も桜と同じで、例年より2~3週間遅れている感じですので、厳しいのは承知してましたが、ここまで渋いとは…。

しかしダメモトのフライング釣行とはいえ
「何とか金華山のロックフィッシュに逢いたい!」
というのが釣り人の性。

2日目は開き直って、私達と同じようにフライングでシャローに上がって来ているかもしれない、気が早い奴に照準を合わせて攻めてみる事にしてみましょう!

金華山灯台からの朝日です
渋い状況でこのウネリ。1匹釣るという目標のハードルはかなり高いです…

とりあえず朝マヅメなんでアピール力重視のレッドのガルプ!パルスクローで様子をみます。が、全くもって海の中から生命の営みを感じられないまま時間だけがイタズラに過ぎていきます。

すると隣で竿を振っていた阿部さんが
「アタッた!!」
と言うではありませんか!

「マジですか?」
と振り返り見ると見事にフックアップ!

お見事!ナイスフィッシュです!!

私達と同じようにフライングしている魚の存在を確認し、俄然ヤル気スイッチon♪

するも、そんなに甘くはなく、また深くそして静かな闇の世界に引きずり込まれ、心が折れてポイント移動です。

2ヶ所目のポイントもとりあえずシャロー中心のポイントをチョイス。水色も澄んでいるし、日も上がったのでレッドより少し弱めのアピールカラー、レッドバグキャンディーにチェンジ。

そして程なく、初の押さえ込むようなバイト!
「ヤッター♪」
と浮かれ調子でアワせると、まさかのスッポ抜け…。

やっちまった感漂う中、しばらくスッポ抜けたエリア付近にフォローでキャストを繰り返していると。
「コン♪」
と喰い直しのナイスバイト!

シャローへ上がって暫く経っている体色ですね

ここらで流れに乗って連発か?と思いきや、またもノー反応地獄に引きずりこまれてしまい、再度気分入れ替えの移動です。

3箇所目もディープの隣接するシャロー。とりあえずズーボは逃れたので、あとはサイズアップを狙いたいところ。

このポイントは沖が砂利や砂の複合エリアなので春先の虫餌パターンで、ガルプ!パルスワーム4インチで攻めてみる事にしましょう。

…暫く攻めるもチビのバイトが1度のみ…。そしてフルキャストした辺りにサラシが出来る場所があるので
「ハイシーズンならあそこなんだけどなぁ」
と思いつつもフルキャストでサラシにイン。するとどうでしょう! まさかの
「ごん♪」
っと鈍いバイト!

日にあたった真っ黒なナイスフィッシュ!

気が早い奴は海の中にもいるもんですなぁ♪

さて、そんなこんなで二人共になかなかの良型に出逢えたところで、今回の釣りは終了させてもとの目的に戻ります。

最後は灯台から港の海側ルート。こちらが今回1番のダメージを受けたエリアになっていました。

道の崩落、崖の倒壊、土砂崩れなど10数ヵ所の危険箇所が確認されました。

道が寸断されてます
崖が崩れて道を塞いでます

今後、金華山や磯場へ行かれる方への注意点とお願い

これからだんだんと水温が上昇、安定してきますと、いよいよ待ちに待ったシーズンの到来を迎えます。

しかしながら、震災で地盤が変化し、元の足場だったエリアが水没したり、波をかぶるようになっている所があったり、岩や崖に亀裂が入り崩壊し易くなっていたりと危険箇所も増えております。

通い慣れた磯ですら震災前と違った表情になっておりますので、過信や不注意は厳禁です。「危険だ」と思ったら進むよりも退く勇気を身に付けて、安全第一でお願いいたします。

それではいよいよシーズンイン間近ですから皆さんタックルの準備始めて下さいね♪

まだフライングですけどね…(苦笑)

【使用タックル】
■ロッド:アブガルシア ニューロックスイーパー882EXH LIMITED MGS
■リール:アブガルシア レボ エリートパワークランク
■ライン:サンライン FCスナイパー16Lb
■フック:がまかつ ワーム321 3/0
■ワーム:バークレイ ガルプ!パルスクロー、バークレイ ガルプ!パルスワーム4インチ
■シンカー:1oz

金華山

PROFILE:塩津 紀彦

磯ロックがブームになる以前から牡鹿半島の磯に通い、50UPベッコウ&アイナメを狙っていたロックフィッシュハンター。険しい、キツイ、危険の3Kを乗り越えながら、数々のモンスターを仕留めてきた。茨城県在住。チーム・ハンター所属。ピュア・フィッシング・ジャパン、サンライン、パズデザイン、がまかつフィールドテスター

 

※取材・テキスト/塩津紀彦

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