釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

亘理沖ヒラメ連日好釣果!

菅野 順也 2021年4月20日 更新

解禁から間もなく1カ月を迎える亘理・鳥の海沖のヒラメ釣り。解禁当初こそ釣果が振るわず心配されたが、ここにきてぐんぐん調子を上げてきている。ここでは、ちょうど釣果が上向き始めた、8月16日、17日の釣行の模様をレポート。
※2011年掲載の記事です。

丁寧なエサの扱いが釣果につながる

6月より復活の出船を開始した宮城県亘理港の各釣り船。カレイ釣りに続いて8月1日より大人気のヒラメ船も例年通りに出船している。スタートこそ数が伸びなかったものの、8月中旬過ぎからは一気に上向いてきた。

午前5時、亘理沖を目指して出船。航程45分でツブ根が点在するポイントへ到着。第7きくしん丸船長、菊地慎吾さんによれば、「定置網によるエサの採捕が困難になってしまったので、今年は千葉の方から陸送で確保しています。イワシの種類はマイワシで、値段は例年の倍以上ですが、皆さんにたくさん楽しんでいただけるように料金は据え置きです」とのこと。釣り人側としても貴重なイワシの扱いは注意したい。

ハリの付け方は上顎のみに刺して、イワシが海底で呼吸ができるようにする。そして、空気中で暴れている時間をできるだけ短くしながら水面には優しく投入。オモリもそっと落とし海底まで届ける。これは活きエサを使った釣りの基本で、エサの節約にもなるし、元気にイワシを泳がせることで釣果アップにもつながる。ハリ掛かりを重視すれば孫バリ式もあるが、私はエサの泳ぎが自然になる1本バリを選択。15cm位までの大きさならマイワシでもこれで挑んでいる。

活きエサは15cmほどのマイワシ(千葉県産)
ハリは上顎の硬い部分に付ける。これはカタクチイワシの場合でも同様

生け簀からイワシをすくい、ハリに付けて投入すると、一投目から私の竿に反応が出た。軽く触れるような前アタリの後に「ガツン」と大きなショックがあったが、アタリは続かなかった。「エサだけ取られたかな?」と思い、竿をそっとあおってみる。エサがまだ付いているかどうかはなかなか分かり難いのだが、オモリの重さが乗った後にわずかにエサの分の重みがかかるので、この2段階の重さを感じ取れるようになれば判断が可能になる。

巻き上げてイワシが取られたことを確認し、付け直して再び投入。直ぐに食いつき、ツンツンと長い前アタリが続いた。この時、竿先の動きが上下すると海底でも上下方向の動きをしていると想像しがちだが、イワシをくわえたヒラメが横に走っても竿先は下に動く。ヒラメが横に走ればすでにハリ掛かりしている確率が高い。しかし、食い込みが遅いので誘いを開始した。待ちの釣りのイメージが強いヒラメ釣りだが、ただ待っていても一旦くわえたイワシを離してしまうので、一呼吸待っても食い込まなければ、直ぐに誘いを始める。カレイ釣りの聞き合わせの要領で竿を少しずつ立て、ハリスにテンションを掛けながら頭上へと持ち上げる。すると、ズシッと竿の根元まで曲がる本アタリが出た。それ以上手が上がらないので、リールを巻いてフッキングさせる。嬉しい船中1枚目の48cmだった。

釣行日は8月16日。この日、船中1枚目となる48cmのヒラメをキャッチ!
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活きエサの釣りを意識してしっかり呑ませよう

菅野さんに1枚目が出てからは、船中のあちらこちらでヒラメが上がった。良型のアイナメも

それから船上では次々にアタリが続いて、40~60cmの良型のヒラメがヒット。また、根周りではゲストも豊富。アイナメ、クロメバル、クロソイ、マトウダイ、イナダなど多彩に釣れて、活きイワシに反応するのはどれも大型ばかりだ。

アイナメ、メバルなどの根魚にイナダなど青物も。イナダは1.5kg前後のもうすぐワラサというサイズも出た

船長さんに釣り方のコツを聞いてみた。「皆さん、全体的にアワセが早いようです。もう少しゆとりをもった釣り方の方がいいかもしれませんね」とのこと。やはり活きエサを使用するこの釣りでは早アワセは禁物。それなりに強い引き込みがあっても、まだハリが口の中に入っていないことも多い。呑み込まれてもサワラやタチウオとは違いヒラメの歯によってハリスが切れることは滅多にないので、じっくり呑ませてから巻き上げよう。

また、誘いの聞き合わせでヒラメがイワシを離してしまった時は、すぐ回収しようとせず、速やかに仕掛けを戻すと、警戒心に食い気が勝っていれば同じ魚がもう一度食ってくる場合が多い。当日は5枚の釣果の方が2名、続いて私が3枚の釣果で納竿。

見事、船中トップの5枚を釣り上げたお二方
この日は海が穏やかだったので、細身&感度重視設定のがま船 タイドスターヒラメM-270を使用。さらに、ウネリが無くてベタ凪であれば、ライト用ゲームロッドの、がま船 Vシャフト タイプA ML-195も使える(商品はがまかつ)
きくしん丸の若社長でもある菊地慎吾さん。この日は操船、タモ入れと大忙しだった

好感触維持のまま翌日も挑戦

2日目は前日よりは少しウネリのあるコンディションながら、潮がいいためかヒラメの活性は良好。前日以上に好調な食いをみせた

「カメラとペンを持ちながらの釣りだったから、プライベートでもう一度!」と、竿頭になれなかったことの言い訳をしながら、翌日もヒラメ狙いへと釣行した。

昨日の兄貴船から弟船へ、菊地憲吾船長の第一きくしん丸での出船となった。2日目も運良くファーストヒット52cmが私にきた。潮の流れが前日よりも整っているためか高活性でアタリは頻繁。船長さんのタモ入れが間に合わず順番待ちもありで、開始より3時間で全員が本命を手にした。お客さんに67cmの大型浮上があったりして、なぜか2日目もカメラを片手に釣りをしてしまったが、私の釣果は58cmを含め7枚で竿頭になれた。

8月17日、菅野さんは52cmからスタートし、その後、少しサイズアップさせて58cmも釣り上げた

亘理沖のヒラメ釣りは8月1日の解禁日から中旬まで、根にヒラメが着かず散らばっていたため数が伸び悩んでいたが、この2日間あたりを境に釣況は一転。ここ数年同様の数が上がり出した。現在では毎日のように70~80cmの大判も飛び出している。今年も亘理沖のヒラメ釣りは大盛況だ。

※きくしん丸の最新釣果は→コチラのページの下の方でチェックできます。

2日目の船中最大はこちらの方が釣った67cmだった。今後は大型ヒラメの可能性がどんどん高まる
ウネリのあった2日目は、5:5調子でウネリを吸収して食い込ませられる、がま船 デルフィーノ50号-3m(がまかつ)を使用。ラインはスーパーPEゼロファイター船3号(山豊テグス)。仕掛けにはフロロハリス(山豊テグス)の7号(幹糸)と4号(ハリス)を使用。ハリはチヌ 黒(がまかつ)の5号と6号をイワシの大きさに合わせて使い分ける
上から、きくしん丸社長の菊地慎吾さん操船する第7きくしん丸(19t)、弟・憲吾さん操船の第一きくしん丸(19t)、きくしん丸(13t)。ヒラメ乗り合い船は活きエサ付き8,000円。カレイ船も大好評出船中!

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PROFILE:菅野順也

カレイ釣りのトーナメンターとして活躍しながら、ヒラメ、メバル、マダイ、深海などの各種船釣りにワカサギ、渓流までなんでもこなすオールラウンダー。がまかつフィールドテスター、山豊テグスフィールドテスター。福島市在住

 

取材・テキスト/菅野順也
取材協力/きくしん丸(080-1667-1181)

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