釣行記

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陸前高田・気仙川でアユ釣り解禁

大坂 章 2021年4月23日 更新

7月1日、陸前高田市の気仙川でもアユ釣りが解禁となった。高田が地元で、例年、解禁日は気仙川で迎えているという、上州屋盛岡店の大坂さんのレポートです。※2011年7月のレポート記事です。

解禁日、津波被害の大きかった地元、陸前高田へ

2011年7月1日、地元気仙川の解禁日。毎年解禁日は気仙川で地元の釣り仲間と釣りをするのが恒例だったのだが、今年は事情が大きく違いました。3月11日に起きた東日本大震災で陸前高田市は大津波に襲われました。自分も実家に一人いたお袋が津波の犠牲になり、それから行方不明で6月中旬にDNA判定でやっと発見され、実家は跡形もなく何もかもが無くなってしまいました。さらに実家の数件先の一番の釣り仲間で同級生の「黄川田誠」も津波の犠牲になりました。渓流とアユ釣りを教わったのも彼からでした。いつも馬鹿言い合って一緒に釣りをした親友でした。震災がなければ一緒に解禁日に釣りをするその大親友がもう居ないのです。その彼の分も釣るべく今年の解禁日は特別な思いで迎えました。

例年、仲間と川原で泊まり解禁を迎えるのですが、今年は残った仲間も事情で集まれず、一人の解禁日になりました。4時解禁なので、1時半に盛岡を出発し、3時半位に現地着。オトリアユを2匹購入し、陸前高田市の横田町のポイントに着き、準備を済ませるころには徐々に明るくなり始め、4時スタート!

瀬の落ち込みから続く深トロ~瀬の頭のポイントです。夜のうちに降った雨で増水と濁りが入り、案の定、1時間釣るも音沙汰なし。見る限り2人位しか釣り人もいないし、オトリアユを消耗するだけだと早くも休憩。やはり濁りと増水でドブ釣りの人にも釣れていません。一休みしてから再会するも、相変わらずの音沙汰なし。6時くらいに待望のアタリがあったものの惜しくもハリ掛りせず…。7時過ぎて陽が昇る位には濁りも薄くなってきました。人も増えてきて「どうですか?」、「ダメですね」なんて話をしていましたが、そうしているうちに待望の1匹目が釣れました!

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ポイントを選ぶと気仙川のアユは元気に釣れてきた

ここから順調に連荘すると思いきや、状況はそれほど甘くはありませんでした。それでも9時、10時と日が差し水温が上がってくると徐々に掛かり始め、一時は5連荘もありました。深トロから瀬の頭に変わる所とやはり大本命の瀬の頭がメインポイントでした。追いがそれほど強いわけではないので、普通の泳がせ釣りではオトリが掛かる前に逃げてしまいます。0.5~1.0号のオモリを付けてアユを止める釣りが良いようです。午前中このポイントで20匹位釣り、お昼を食べた頃には人が多くなり、混雑してきたので13時位に、知り合いが釣っているさらに下流に移動する事にしました。

その知り合いと合流し、しばらく話をしてそのポイントで釣りをしましたが、あまり釣れないためまた移動。いい瀬のポイントで釣りをしますが、掛かっても流れが強くて取り込みに苦戦。しまいには親子どんぶりをかましてしまい、アユの数はあまり増えませんでしたが、アユの引きは味わえました。

終わってみれば26匹。今年の気仙川は放流が700kgと例年の半分くらいの量で、天然アユも津波の影響で少ないのを思うとまあまあの釣果でした。これで何とか天国の彼に面目が立つというものです。釣った人で50匹くらいとのことなので、去年のような魚影の濃さはないものの、津波の影響を考えればまずまずのシーズンになるのではと思います。

陸前高田市は津波により壊滅的な被害を受けました。「金成橋」より下流は津波が到達し、まだがれきが残ってる所、撤去作業を行っている所もあります。復旧作業に向かう車、警察関係の車両も多く、作業の邪魔になる場所での釣り、駐車には気をつけましょう。

上州屋盛岡店はアユ、渓流などのほか、宮古、越喜来など沿岸地域の釣り船にも明るい

陸前高田市の市街地近くを通って広田湾へと流れ込む気仙川。最初に釣りをした横田地区より少し下流の金成橋付近までは津波が到達した

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取材・テキスト/大坂章
取材協力/上州屋盛岡店(TEL:019-637-1130)

PROFILE:大坂章

気仙川流域に育ち、アユ釣りや渓流釣りを得意とする上州屋盛岡店スタッフ。海のルアーなども大好きで、三陸の青物やロックフィッシュなど、小物から大物まで色んな釣りに挑戦している

 
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