釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

海峡マダイは今が絶好機!

針生 秀一 2021年4月27日 更新

津軽半島周辺で船マダイがハイシーズンを迎えている今、三厩~竜飛周辺の津軽海峡で、回遊中のマダイの大群を迎え撃った。テンヤ、タイラバ、ジグエサ、ブラー、…いろんな釣法で楽しめるのも青森マダイの大きな魅力だ。※2011年6月掲載の記事です。

私にヒットした3、4kgのマダイ。今の季節は初心者でも津軽海峡で大マダイを狙えるチャンスですよ

朝イチからマダイのアタリが連発!

日本最北のマダイ釣り場、青森津軽半島竜飛。ここでは古くからテンテンと呼ばれるシャクリ釣りでマダイが釣られており、西田式ブラー発祥の当地ならではのブラーやメタルジグに、近年盛んなひとつテンヤ、ラバージグなど、ライトタックルでマダイ釣りを楽しめる、魅力溢れるポイントです。ライトタックル、リグゆえに入門しやすく「釣魚の王者マダイを一度釣ってみたい」という方にも、青森のマダイはオススメです。

春から初夏の大ダイが揃うシーズンも佳境に入ってきた6月7日。今別町浜名漁港HANAMARUⅡに乗船して、三厩~竜飛のマダイを狙ってきました。

ここ最近は夜明け前に食いが立つとのことで、当日は私とつりえさマリン丹野社長、弘前市の工藤敏二さんの3名の乗船で午前3時に出港。山崎満船長から、「反応を見つけたらすぐにやりますから、準備しておいてください」と話され、タイラバとメタルジグのタックルを、ロッドスタンドにセットしておきます。

リグはメタルジグ、マダイラバージグ(鯛カブラ)、インチクなど60~100gを使用
好天で風穏やか。津軽海峡には、平日にかかわらず沢山のマダイ船が出ていた

10分ほど走って船はスローダウン。まだ暗い中、三厩、今別のマダイ船が6艘ほど、反応を探して潮まわりしています。HANAMARUⅡはシマノ探見丸親機搭載船なので、持参した探見丸CVをセットしてスイッチオン。画面に、中層の20mあたりから底ぎわにかけて、真っ赤な反応が出てきました。

HANAMARUⅡは探検丸親機搭載船。マダイ釣りには大きなアドバンテージになり、楽しみも増幅します

「良い反応ですよ、やってください!」の声でスタート。まずはタイラバタックルを選択して、シマノ炎月満月型80gゴカイソメカラーを投入します。水深は50mほど。着底してハンドル秒一回転ほどの一定速で巻き上げてきます。底から10mあたりでグッと重みが掛かり、そのままの速度で巻き続けると重量感が増してきて、竿先が海面に引き込まれてきます。

グッグッとマダイ特有の段引きになり、ドラグが滑り始め、一投目でマダイゲットかと、ほくそ笑んだとたんにフックアウト。すぐに落とし直して巻き上げ始めると、ラバースカートに齧りついてくるような魚信。しかしまたしてもバラシ。三度目の正直とばかりに誘い直すも魚信は出ずで、巻き上げて入れ直します。

左舷ミヨシの工藤さんが50cmほどのマダイを取り込み、続けて丹野さんも同サイズのマダイを上げます。ここで潮まわりして再投入。探見丸には、底上5mから20mの間に真っ赤な反応が出ています。着底して、ラインのカラーを見ながら若干速めに巻き上げていると、一色変わるあたりでググッという重み。巻き続けるとグーと竿の曲がりが増してきて、強力な引き込み。ドラグが滑り出し、竿をためてしのぎます。同時に山崎船長、工藤さんにもヒットしており、連続でタモ取り。私は67cm3.4kg、船長は70cm3.8kg、工藤さんも63cm3.2kgと大型が揃いました。

ライトタックルで釣るマダイは手応え抜群!海面で最後のひとのし!ドラグは1kg程度を目安に設定しておこう
好調に釣る弘前市の工藤敏二さん
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回遊のチャンスを逃さず釣ることが肝要

三厩前の45mダチに移動して、私の炎月十六夜レッドブラック75gに47cm、1.5kgがヒット。船長、丹野さんは惜しくもハリ外れでバラシでした。先に竜飛崎に走った僚船の清栄丸から3枚上がったとの連絡が入り、当船も竜飛に向けて移動します。

上)薄霧に浮かぶ竜飛岬。下)竜飛観光ホテルを望むところでパラアンカーを入れ、タイラバを振り込む山崎船長

パラシュートアンカーを入れて、船が安定したところでトモ方向にキャスト。水深は60mほど。探見丸を見ていると、底から10mに赤い反応が出てきました。すると着底前に糸が止まり、巻き始めると、グングン引き込むマダイの感触。フォールで掛かってきました!後ろの丹野さん、工藤さんにもヒットしており、強力な引き込みを巻き上げはじめます。しかし残り20mで三人のオマツリになり、2枚はバラシで、かろうじて50cm1枚を取り込みました。

私が釣った2枚目のマダイです

時刻は午前8時、陽も高くなり、薄霧に竜飛崎が浮かぶ壮観な眺めです。しかし、今まで次々に探見丸に現れた反応が消えて、画面は真っ白。「別に探見丸が壊れたわけでなくて(笑)、この数日はこうなのさ。だから早く出たのですよ」と船長。あんなに濃かったベイトの魚群反応も消えて、こうなると暫し回遊待ちの展開。メタルジグにアオイソメのジグエサタックルに変えて、底から5mの間をリフト&フォールで誘います。

左)もうひとつの定番釣法、アオイソメのジグエサ釣り。アオイソは切らずに房掛け。右)使用ジグは津軽マダイの定番、ヤマシタ・ムーチョルチア60g+スピンブレード

すると、アイナメ、マゾイ、ホッケが次々に釣れてきて、これも面白い。時折グン!と重々しい強力な引き込みで、メーター級のホシザメが掛かってきます。まずこんな大物がライトタックルに掛かってくる釣りはあまりないので、外道とはいえ、侮れない手応えです。前週に107cm、15.5kgという巨大ヒラメがタイラバで上がったポイントとのことで、期待を込めて誘い続けます。

津軽海峡はサメの多いところ。これは定番のホシザメで、意外に美味しく、刺身もイケます
マダイの反応が薄くなっても、マゾイ、アイナメが次々に掛かってきて、これも面白い

速潮の竜飛、100gのメタルジグに変えても、着底から誘いを入れて再度落とし直すと、吹き上げられて糸がミヨシ方向に斜めになるようになってきました。3ノットを超える潮速です。この状況が続き、まわりの船も、午前10時を過ぎた頃から次々に上がっていきます。

沖目を流していた清栄丸も上がるとのことで、午前11時に納竿。マダイは船中7枚で、1.5~3.7kgと、まずまずの型がそろって、美味なゲストも多く、楽しい釣りでした。津軽で使うタックルは、ひとつテンヤ、ジグエサ、ブラー用に、10号負荷程度、2.4m前後のひとつテンヤロッドやML程度のトラウトロッドなどに、シマノ3000、ダイワ2500前後のスピニングリール。ラインはPE0.8号前後を150m以上巻いておくと良いでしょう。これに2.5~4号のフロロカーボンのリーダーを5~10m、FG、PRなど摩擦系ノットで結束します。

タイラバ用には、2m前後のライトジギング、タイラバ専用ロッドなどに、小型両軸リールの組み合わせ。こちらもライン、リーダーはジグエサ、ブラーと同スペックで良いでしょう。

リーダーを他地域より長めに取るのが青森の特徴で、キャストしてフォール、リトリーブの際に見切られにくい。早潮の中で大ダイを掛けたときに、クッション的に働く。などの効果が望めます。このために、道糸に8~10Lbのフロロカーボンを使う釣り人も多いです。

リグ(仕掛け)は60~100g程度のメタルジグ、ブラーならマダイバリの12号程度をセット、テンヤやカブラは10号以上。タイラバも60~100g。カラーは赤金などを基本に、夜光系などを視野に入れて用意しましょう。私は接続に、NTスイベル、インタースナップ付パワースイベル6号を使っています。誘いの基本はリフト&フォールと一定速のリトリーブ。青物狙いのような強いジャークは、マダイが警戒します。

ロッドは手頃な価格のものも多くリリースされてきて、リールは信頼のメーカー品であれば、中級クラスで充分に使えます。高級品であれば申し分ありませんが、入門への敷居の低さも、この釣りの良いところなのです。

HANAMARUⅡは温和で誠実な山崎満船長が、津軽海峡へ導いてくれます。「探見丸」持参なら、さらに楽しさ増幅(船長はミニがおすすめ)。ぜひ青森のマダイを味わってください!

左)津軽、陸奥湾の釣りはおまかせ、温和で誠実な山崎満船長。右)HANAMARUⅡは乗り合い、仕立ともOK!手頃な料金で乗船できます。春~夏は津軽今別浜名漁港、秋の陸奥湾シーズンには青森市造道漁港から出船します

出船港は今別の浜名漁港。出港してすぐ目の前には三厩沖~竜飛沖の名ポイントが広がる

 

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写真・テキスト/針生秀一
取材協力/HANAMARUⅡ(浜田漁港)TEL:090-8786-7959、つりえさ倶楽部マリン新港店(仙台市宮城野区)

PROFILE:針生秀一

船釣りを中心に、防波堤や河川の小物釣りなど、なんでもこなすオールラウンダー釣り師。全国各地の釣りと釣り具の知識が豊富で、釣りの生き字引的存在。泉区のロックバーラグ(Rag)オーナー。シマノフィールドモニター

 
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